魅惑のフレンチプレス・コーヒー

紅茶ではお馴染みのフレンチプレス方式ですが、フレンチプレスに使われるプレスポットはもともとはコーヒー用のプレス器具として作られたものでした。

ですからフレンチプレスを使えばおいしいコーヒーを淹れることができます。このフレンチプレス・コーヒーは他の淹れ方にはない魅力が秘められていて、根強いフレンチプレス・コーヒー愛好家が世界各国にいるようです。

今回おすすめする淹れ方はこのフレンチプレス・コーヒー。フレンチプレス・コーヒーのおいしい淹れ方とおすすめのコーヒー豆の選び方をあわせてご紹介します。

カフェでお馴染みフレンチプレス・コーヒーの特徴

フレンチプレスで淹れたコーヒーの特徴は、なんといっても表面で虹色に輝くコーヒーオイル。コーヒーオイルはコーヒーの味と香りを決定付ける重要な要素ですが、フレンチプレス・コーヒーはたっぷりのコーヒーオイルをカップに注げる方法なのでおすすめです。

カフェの中にはこだわりのおいしいフレンチプレス・コーヒーを提供してくれるお店もちらほら。フレンチプレス・コーヒーはカフェのマスターさんもおすすめするおいしいコーヒー抽出方法ということでしょう。

フレンチプレス・コーヒーの歴史

フレンチプレス・コーヒーの原型はフランスで作られたと考えられていますが、現在の形のプレスポットはイタリア・ミラノのデザイナーであるアッティリオ・カリマーニ氏が1929年に特許を取得しています。

イタリア生まれでありながら元がフランスにあるので、フレンチプレスと呼ばれているようです。ちなみに「フレンチプレス」とはアメリカ圏での呼び方で、発明元のイタリアでは「カフェッティエラ・ア・スタントゥッフォ」、フランスでは「カフェティエール・ア・ピストン」と呼ばれています。

フレンチプレス・コーヒーの特徴的な淹れ方

フレンチプレス・コーヒーの淹れ方は実にシンプル。砕いたコーヒー豆を熱湯に浸すことで抽出する方法は、茶葉からお茶を抽出する様子と実に良く似ています。

コーヒー豆からしっかりと成分を抽出できたら、プランジャーと呼ばれる網目のついた棒を押し下げることで豆を押さえ、コーヒー液だけをカップに注げるようにします。豆を押し下げるというところが、フレンチプレスによっておいしいコーヒーが作られる重要なポイントとなっているようです。

フレンチプレス・コーヒーの長所

フレンチプレスによってコーヒーを淹れたときの長所の一つは、おいしいコーヒーをとても簡単に飲めるということ。時間さえきっちり守れば失敗が少なく、誰でも淹れることができます。

そしてフレンチプレスの最大の特徴とも言えるのが、豆を押し下げることでコーヒーオイルが豆に付着しないという点です。コーヒーオイルはコーヒー液に浮いてしまうので、豆の上からお湯を注いでコーヒー豆の下から抽出するドリップ式では、浮いた油がコーヒー豆にこびりつき、たっぷりと残ってしまいます。

しかしフレンチプレスはコーヒー豆を液中に押し下げるので豆からコーヒーオイルが分離します。浮いたコーヒーオイルはそのままコーヒー液の上澄みとなって、カップに注がれていくことになるのです。なのでコーヒーオイルをたっぷりと楽しめることになります。

フレンチプレス・コーヒーの短所

他の淹れ方よりもコーヒー液に濃度を出しにくく、薄いコーヒーになってしまうのがフレンチプレス・コーヒーの短所ともいえます。そのためコーヒーを濃くしようとすると長時間浸しておくか、粉をかき混ぜる必要があります。

また、豆によってはコーヒーオイルが出すぎることと、金属のプレンジャーの目を通ったコーヒー微粉を取り除くこともできないので粉っぽさが残り、薄いコーヒーなのに香りと口当たりはなぜか濃厚という特徴的な風味になりやすくもあります。

「味は薄口でありながら香りや喉越しはしっかりコーヒー」と言い換えることもできますので、このあたりはフレンチプレス・コーヒーの特徴であり、好みの問題といえるでしょう。フレンチプレス・コーヒーが現在でも愛飲され、一方で他の淹れ方も依然として残っていることには、そういった理由があるのです。

フレンチプレス以外のコーヒーの淹れ方

ここではフレンチプレス以外のコーヒーの淹れ方を軽くご紹介。コーヒーの淹れ方にはそれぞれの特徴、つまりは長所と短所がありますので、フレンチプレスのみならず、好みや気分にあわせて色々変えてみるのも面白いのではないでしょうか。

トルコ・コーヒー

コーヒーが世界に知れ渡るより遥か昔、コーヒー豆は現地の人々に煮て食べられる食物だったそうです。その後、コーヒーの淹れ方は色々と洗練されていくわけなのですが、トルコ・コーヒーという淹れ方には特徴が色濃く残っています。

トルコ・コーヒーはとにかく濃厚で粉っぽくねっとりとした喉越し。飲むと食べるの中間といった口当たりはハマるとクセになるらしく、独特の味わいでありながらも根強いファンが多い淹れ方です。

ペーパードリップ

紙の漏斗(ろうと)に入ったコーヒー豆にお湯を注ぎ、抽出するという方法。日本でもっとも親しまれた、コーヒーの淹れ方の基準ともいえるオーソドックスな淹れ方です。

家庭用のコーヒーメーカーでコーヒーを淹れる場合には、ほとんどがこのペーパードリップになるかと思います。コーヒーの淹れ方は、このペーパードリップを基準として、「濃厚、さっぱり、香り高い、飲みやすい」などの評価が語られています。

ネルドリップ

布の漏斗(ろうと)にコーヒー豆を入れてお湯を注ぐ、ペーパードリップの原型です。ペーパードリップに比べてオイルの抽出量が多いため、香りやまろやかさが増します。一方でさっぱり感はやや衰えてしまいますから、コーヒー好き向けの味が出るといえるでしょう。

欠点はペーパードリップやフレンチプレスと比べると淹れ方や道具の管理に手間がかかること。本格的なカフェやコーヒー好きの家庭でなければ飲まれる機会はあまりありません。

自宅でカフェ気分を味わえるフレンチプレス・コーヒー

フレンチプレス・コーヒーの魅力は、ペーパードリップよりもコーヒー豆本来の味を楽しめて、かつネルドリップよりもずっと手軽なこと。自宅で手早くカフェの味を楽しみたいとなれば有力な選択肢に上がってくる淹れ方が、このフレンチプレス・コーヒーです。

カフェをしたい気分でなくとも、コーヒーの香りを楽しみながらあっさりと飲めますので、フレンチプレス・コーヒーは常飲する方におすすめです。時間を守って待つだけですから”ながら作業”をしている人にもおすすめといえるでしょう。

おいしいフレンチプレス・コーヒーの淹れ方

フレンチプレス・コーヒーにはテクニックは必要ありません。おいしいフレンチプレス・コーヒーを淹れるのに大切なのは豆選びと時間をしっかり守ること、それだけなのです。

もちろん何の知識もなしに豆を選び、時間を守るのは難しいでしょう。ですのでここからはフレンチプレス・コーヒーの道具や淹れ方、おすすめの豆の選び方をご紹介していきます。

フレンチプレス・コーヒーに必要な道具

フレンチプレスに必要な専用機材はコーヒープレスだけです。管理も保存もとても簡単ですので、日ごろからコーヒーを飲まれる方ならばひとつは手元に持っておきたい器具といえるでしょう。

コーヒープレスとはその名の通りコーヒー豆をプレス(押さえつけ)できる道具。コーヒー液を抽出し終わったコーヒー豆をプレスして、コーヒー液をカップに注ぐ際に豆が浮いてこないようにする道具です。

フレンチプレス・コーヒーにおすすめのおいしい豆

多くの場合、フレンチプレス・コーヒーはストレート(一種類の豆のみ)で楽しまれています。というのも、フレンチプレスは豆本来の味や香り、個性が明確に表れる淹れ方だからです。ですので、豆の品種自体は向き・不向きもなく個人の好みといえます。色々な種類を試してみるといいでしょう。

しかし同じ品種であっても豆選びは大切です。フレンチプレス・コーヒーは淹れ方はとても簡単なのですが、それ故に味の違いは豆で決まるといっても過言ではありません。良い豆選びこそ良いフレンチプレス・コーヒーを飲むための秘訣といえるでしょう。

だからこそ何をおいても豆の鮮度や選別が大切です。同じ豆、同じ煎り方、同じ挽き加減のフレンチプレス・コーヒーであっても、鮮度が違うだけで明確に味が変わってきてしまいます。

おすすめのフレンチプレス用コーヒー豆の煎り加減は?

コーヒー豆は焙煎によって成分が変化するため、どのくらい焙煎されているかで味が異なります。浅煎りほど酸味が強く苦味は弱く、コクや香りも弱いものになります。それとは逆に深煎りになるほど、酸味が抑えられ苦味が強くなる傾向にあります。

豆の煎り加減は8段階で表現されますが、フレンチプレス用のコーヒー豆の場合は3段階のミディアムから6段階のフルシティロースト(中から中深煎り)までが適しているとされています。

2段階以下になると味の抽出がうまくいかなかったり、本来の味が楽しめなくなってしまいます。逆に7段階以上ですと苦味が強くなりすぎ、これまた本来の味が失われてしまうようです。

おすすめのフレンチプレス用コーヒー豆の挽き加減は?

豆の種類と煎り加減を選んだあとは、挽き加減も重要なポイントに。細かく砕くほど苦味や酸味が出やすくなり、また微粉と呼ばれる細かな粒が発生する傾向にあります。

ほとんどの場合、コーヒー豆の挽き加減は淹れ方や器具によって決定されます。紙や布、プレンジャーなどのフィルターよりも細かい粒を用いるとフィルターが目詰まりを起こしてしまい、抽出の失敗や抽出しすぎにつながるからです。

フレンチプレス・コーヒーに適した挽き加減は「中粗挽き」から「粗挽き」と呼ばれるもの。コーヒー豆の挽き加減としてはもっとも粗く、ザラメ糖に近い大きさに挽いたもので、コーヒー豆を浸漬する淹れ方に適しています。

おいしいフレンチプレス・コーヒーを淹れる手順

豆が決まりましたら、いよいよフレンチプレス・コーヒーを淹れる段階です。といってもすでにご説明したようにフレンチプレス・コーヒーには難しい手順が必要なく、時間さえキッチリ守ればカフェで口にするようなおいしいフレンチプレス・コーヒーが完成します。

必要なものはコーヒープレス、挽いたコーヒー粉(プレス容量350mlなら16g、500mlなら24g、1000mlなら42g)、沸騰した熱湯、そして4分タイマー(できればデジタル)、そしてお気に入りのコーヒーカップだけです。

1.フレンチプレスに粉を入れる

必要なものを準備したらコーヒープレスのフタをあけて、まずはすべてのコーヒー粉をコーヒープレスに投入します。

ここで注意すべきポイントはとくにありません。コーヒー粉の香りを楽しみながら、これから入るコーヒーへの期待を膨らませて楽しんでも良いでしょう。

2.熱湯を注ぐ(1度目)

タイマー計測を始めると同時にコーヒープレスの半分くらいまで熱湯を注ぎます。熱湯はコーヒー粉全体にいきわたるように、円を描くように注いでいきましょう。

他の淹れ方でいうところのコーヒー豆を蒸らす作業に相当します。コーヒー豆が均等に開くように、あわてずバランスよく注いでいきましょう。

ティースプーンやマドラーなどでかき混ぜて、コーヒー豆とお湯を馴染ませる工程を経る場合もあります。こうすると味がしっかり出ますが、渋みやえぐみが出てしまうこともあるので、自分の好みにあわせると良いでしょう。

3.30秒後に熱湯をまた注ぐ(2度目)

タイマーが30秒ほど経過したところで、残りの熱湯を注ぎます。後はフタをして残りの3分30秒を待つだけ。このときプレンジャー(フタについている棒)を下げないように注意しましょう。

ここでも揺すったり振動を与えたりすると渋み、えぐみがでる原因となってしまいますので、待ち遠しい気持ちを抑えながらゆっくりと待ちましょう。

4.4分経過したらプレンジャーをゆっくり下げて完成

タイマーが4分経過したら完成です。フタをおさえつつプレンジャーをゆっくりと下げてコーヒー粉をおさえ、静かにコーヒーカップへ注ぎましょう。あわててプレンジャーを下げると微粉が舞い上がるのでご注意を。

良い豆を選び、良い焙煎や挽き加減を経て抽出されたフレンチプレス・コーヒーならば、表面に虹色の膜が浮かんでくるのではないでしょうか。それこそがコーヒーエキス。フレンチプレス・コーヒーの醍醐味です。

動画でわかるフレンチプレスの淹れ方

フレンチプレスの淹れ方 - MARUYAMA COFFEE - YouTube

出典:YouTube

カフェのBGMのようなオシャレなBGMとともに、動画でフレンチプレス・コーヒーの淹れ方を説明してくれています。間違いなくおいしいコーヒーが動画に登場していますので、見ているそばからフレンチプレス・コーヒーを淹れて飲みたくなるほど。

フレンチプレス・コーヒーの淹れ方に関するまとめ

フレンチプレス・コーヒーの淹れ方や豆選びに関するまとめは以上となります。フレンチプレス・コーヒーは簡単でありながら特徴のわかりやすい淹れ方で、コーヒー好きやコーヒーに興味をもたれた方ならば一度は試してみて欲しい淹れ方です。

豆の性質を味わえるコーヒーという点においては、ベストともいえるフレンチプレス・コーヒーは、色々なコーヒー豆を試したい場合にもおすすめです。フレンチプレス・コーヒーはコーヒーを楽しむ上では欠かせぬ淹れ方ではないでしょうか。

フレンチプレス以外のコーヒーの淹れ方はこちら

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