肌のターンオーバーとはなに?

「ターンオーバーは美肌の基本」といわれるほど、ターンオーバーは美しい肌に欠かせないものです。しかしこのターンオーバーとはいったいなんのことなのかご存知の方は意外と少ないようです。

ターンオーバーは英語では「スキンセル・ターンオーバー」とも呼ばれ、つまりは「肌の新陳代謝」のことを指します。基底層で新しい細胞が作られ、古くなった角質が剥がれ落ちて垢になる一連のサイクル。この肌の生まれ変わりこそがターンオーバーなのです。

美肌はターンオーバーで決まる!

美肌と言われる人の肌も、生まれては死んでを絶えず繰り返しています。役目を終えた角質がさらりとこぼれおち、その下から立派に育った皮膚細胞が顔を出す。そうした理想的なターンオーバーを行えている人だけが、美肌を維持し続けられるようです。

そこで今回は肌のターンオーバーについて調査しました。ターンオーバーの仕組みや乱れたターンオーバーを正常化させる方法、そして正しい促進方法などを解説。ターンオーバーに関する正しい知識を身に付けて、いつまでも若々しい美肌を保ちましょう!

肌の構造とは?

人間の皮膚は「身体で最も大きい器官」といわれ、身体の中心側から順に「皮下組織」、「真皮」、「表皮」の三構造にわかれます。三つの層はそれぞれ役割や厚さが異なり、どれも生命を維持するためには欠かせない器官です。

「皮下組織」は顔などの薄いところでは2mmですが、その多くは4mmから9mmで、三つの中では一番厚い層になっています。その上にある「真皮」は2mm前後の層と平均的。そしてもっとも表面にある「表皮」は厚さ0.06mmから0.2mmほどの薄い膜ともいえる厚さのようです。

皮下組織の仕組み

もっとも厚い皮下組織は表皮と真皮を支える層で、脂肪を中心に作られています。皮下組織の下には筋膜が張り巡らされているので、皮膚と筋膜を繋ぐ役割を担うとともに、外部の刺激から身体を守る最終防衛ラインともいえます。

皮下組織の大部分は脂肪で構成されていますが、いわゆる「皮下脂肪」と呼ばれる脂肪もここに貯蔵されています。皮下脂肪というとダイエット中の方には耳の痛い単語ですが、栄養の保管や体温の維持には欠かせない部位のようです。

真皮の仕組み

真皮は表皮と皮下組織を繋ぐ役割を持った層です。表皮の接触面と皮下組織の接触面で構造が異なり、特に真皮の皮下組織の間は徐々に溶け込むような構造となっていて、はっきりとした境界線を持っていません。血管、神経、皮膚線、汗腺などの管が通っているのもこの真皮です。

真皮の大部分はコラーゲンやヒアルロン酸。肌のケアをする上ではとてもよく耳にする栄養素で構成されています。コラーゲンを生成する細胞があり、肌の水分やうるおいを保っているのもこの真皮。肌の老化は真皮へのダメージから始まります。

表皮の仕組み

表皮はとても薄い層ですが、外部の刺激から真皮や皮下組織を守るとても大事な役目があります。この表皮はさらに真皮側から「基底層(きていそう)」、「有棘層(ゆうきょくそう)」、「顆粒層(かりゅうそう)」、「角層(かくそう)」と細かく四層に分類されます。

さらに細分化すると、基底層が1層、有棘層が5~6層、顆粒層が2~3層、そして角質層が10層以上と、各層においても何枚も重なった構造になっています。そして美肌の基本である「肌のターンオーバー」が行われるのも、この表皮なのです。

表皮の仕組みと肌のターンオーバー

表皮の一番奥にある基底層。表皮の細胞は基底層で作られ、どんどん押し出されるように有棘層、顆粒層、角質層と外側へ向かって成長していきます。ここでは表皮にある四層それぞれの仕事を解説します。

肌の生産者「基底層」の仕組み

哺乳類の表皮ではたったひとつ細胞分裂が観察されている層なのが、この「基底層」です。基底層は1層しかなく、すべての表皮の親といえる存在です。

基底層で増殖した細胞は、基底層を離れると細胞分裂を止めます。同時に特定の役割に特化する「分化」と呼ばれる変化を続けながら、有棘層を経て顆粒層へ、そして最後には角質細胞へと分化します。

肌のセンサー「有棘層」の仕組み

「有棘層」は顕微鏡で見たときにトゲトゲしていたためこの名前がつけられました。表皮の中ではもっとも厚い層で、センサーとしての役割があります。細菌やウィルス、暑さや寒さ、放射線や紫外線、そして皮膚の異常などを脳に伝えるランゲルハンス細胞が多く存在しています。

肌トラブルにおいてとても大事な層で、ランゲルハンス細胞を活性化することでアトピー性皮膚炎を完治させることが出来るという検証結果がアメリカ皮膚科学会で発表されています。有棘層が老化するとランゲルハンス細胞が減るためセンサー機能が弱くなり、トラブルが発生しやすくなるのだとか。

肌のバリア「顆粒層」の仕組み

平べったい表皮細胞が積み重なってできたのが、この顆粒層です。細胞をぐるりと取り囲むようにタイトジャンクションと呼ばれるバリア機能があり、細胞間を通る物質の移動を制限しています。これにより水分の流出を防ぐため、うるおいのある美肌を保つためにはとても重要な層といえます。

顆粒層の細胞はここから角質層へと向かうためにアポトーシスと呼ばれる現象を引き起こします。アポトーシスとはプログラムされた死のことで、顆粒層とは細胞が角質になるため徐々に死んでいく層ともいえるようです。

肌の鎧「角質層」の仕組み

角質層は細胞にとって最も危険な層です。身体と外界との境界線にあり、常に刺激にさらされています。角質層は頑丈な角質細胞と接着剤のような角質細胞間脂質によって構成されていて、いわば皮膚を守る盾や鎧の役割を担っています。

この角質細胞とは簡単にいえば死んで硬くなった細胞のことで、垢のことでもあります。「スキンケアには角質を取り除くのが大事」といわれますが、実は角質にはこのように立派な役割があるので、取りすぎも肌へのダメージとなってしまいます。

美肌の仕組みターンオーバーの重要性

表皮の仕組みによって肌が守られているわけですが、この表皮というのはとてももろい消耗品なのです。「表皮や角質は頑丈!」といっても表皮は厚い部分でもわずか0.2mしかないのですから、ちょっとぶつけたり擦ったりするだけでも壊れてしまいます。

そこで大事になってくるのが、新しい表皮をどんどんと生み出していく機能。すなわちターンオーバーなのです。肌のターンオーバーを正常化させ、さらには促進させることこそが、常に刺激にさらされる肌を守るために最も大切な方法といっても過言ではありません。

肌のターンオーバーのサイクルとは?

お肌のターンオーバーはとてもゆっくりと進行します。身体の部位や個人差がとても大きく、一般的にターンオーバーのサイクルは28日から56日程度といわれ、必要な日数には倍の開きがあります。

角質細胞が消耗されて垢となって剥がれ落ちる日数は、生活環境にもよりますが、およそ10日から14日程度です。つまりターンオーバーのサイクルの大部分が、基底層で作られた皮膚際簿が顆粒層に達し、アポトーシスによって角質に変化していくまでの期間に関係しています。

逆算すると、基底層で生まれた肌の細胞が角質になるまでに必要な日数がだいたい14日から42日ほどということになります。この幅は食生活や生活習慣などに大きく左右されますので、ここを改善することこそがターンオーバーを促進するためのポイントとなるのです。

自分のターンオーバーのサイクルは?

ご自分のターンオーバーの周期を知りたい場合には、角質チェッカーを試してみるのがオススメです。角質チェッカーとは粘着フィルムを皮膚に貼り付けて肌の角質を採取し、その量と大きさで肌の状態を診断する道具です。

個人で器具を購入することもできなくはありませんが、毎日チェックしたいというわけでなければ、サロンや美容クリニックなどで調べてもらったほうがリーズナブルです。詳しい説明や相談なども期待できますから、足を運んでみてはいかがでしょうか。

ターンオーバーは遅すぎても早すぎてもダメ?

ターンオーバーを促進することが美肌のポイントですが、実はターンオーバーは遅すぎても早すぎても問題が発生します。ターンオーバーのサイクルを正常化して、正しい速度で新しい肌に生まれ変わらせることが大切なのです。

ターンオーバーが遅すぎると?

ターンオーバーが遅いと、古くなった角質がいつまでも肌の表面にとどまっていなければなりません。すると角質の汚れはどんどん蓄積し、やがて肌に沈着して肌荒れやニキビ、シミ、くすみやザラつきの原因となってしまいます。新しい皮膚ができたら古い角質を捨ててしまうのが皮膚の正しい姿といえます。

ターンオーバーが早すぎると?

早すぎるターンオーバーが招くトラブルが肌の乾燥。そしてそれによるニキビや肌荒れです。早すぎるターンオーバーは成長の不十分な細胞が表面に達してしまうため、バリアとしての機能が果たせなくなってしまうのです。ターンオーバーは促進ばかり気にするのではなく、正常化することが大切なのです。

年齢や病気がターンオーバーのサイクルを乱す?

ターンオーバーとは新陳代謝の一種です。そうなると当然ですが、加齢と共に新しい皮膚が作られにくくなり、ターンオーバーのサイクルは遅くなっていきます。何もしないで放っておくとターンオーバーがどんどんゆっくりになっていくのは、考えてみれば当然の話なのかもしれません。

その他にも皮膚の炎症などがターンオーバーの周期を乱す原因にもなります。たとえばアトピー性皮膚炎の患者のターンオーバーサイクルがたった3日だったという報告もあります。こうなるとバリア機能がまったくないため、肌を外部刺激から守れずにさらなる炎症の原因となってしまうのです。

ターンオーバーの乱れは季節でも起きる!

季節によって肌が荒れるという方は少なくないでしょう。というのも、肌のターンオーバーというのは季節の変化ですぐに乱れ、正しいサイクルを刻めなくなり、正常化から程遠い状態になることがあるからです。

ターンオーバーが乱れやすい季節は特に夏と冬です。また、精神ストレスや肌ストレスの増える季節の変わり目にも乱れがちになります。春や秋は花粉や生活環境の変化で肌や精神への刺激が増えます。夏は紫外線量や汗が肌へのダメージとなり、冬は気温の低下で基礎代謝そのものが低下してしまうからです。

正しい生活習慣で肌のターンオーバーを正常化

生活習慣がお肌に直結することはご存知かと思いますが、ターンオーバーのサイクルにもやはり大きな影響を与えています。悪習慣はサイクルを乱すだけでなく、細胞の成長を妨げ、正しいターンオーバーが行えなくなる可能性があります。

特に気をつけるべきなのが睡眠不足と運動不足。成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されます。肌の新陳代謝は6時間ほどかけてゆっくりと行われるため、6時間以上の睡眠が欠かせません。また運動不足も血行が悪くなったり新陳代謝が鈍くなるため、ターンオーバーには大敵なのです。

正しい食べ物で肌のターンオーバーを正常化

暴飲暴食や偏食も当然ながらターンオーバーに悪影響。表皮を作るのにはタンパク質やアミノ酸が欠かせません。材料がなければ当然ながら新しい皮膚は作れないので、これら栄養素の摂取は正しいターンオーバーの基本となります。

さらにターンオーバーを促進させる「ビタミンA、ビタミンB群」、新陳代謝の活性化や血行を促進する「ビタミンE、亜鉛」、肌の角質層の成分ともなる「セラミド」やメラニン色素の生成を抑える「ビタミンC」など、タンパク質やアミノ酸だけでなく幅広く摂取するように心がけましょう。

ターンオーバーの正常化を妨げる落とし穴

美肌には洗顔やスキンケアが大切です。しかしこれらもバランスが悪いと肌のターンオーバーの妨げとなります。具体的には洗顔のしすぎやピーリングのしすぎなどがそれにあたります。

洗顔のしすぎやピーリングのやりすぎなど、角質ケアをやりすぎると、ターンオーバーの周期が早まってしまいます。すると未熟な細胞が角質層に浮き出てきて、バリア機能の低下や水分維持の不全などにつながり、表皮の下の真皮にも負担がかかってしまいます。

日ごろの肌の手入れは自分でやらなければなりませんが、セルフケアばかりだとどうしても偏ってしまったり、気がつかない負荷をかけていたりします。気になることができたら、早めに美容クリニックなどに相談してみると良いでしょう。

正しいターンオーバーの促進方法

正しいターンオーバーは正しい生活をしていれば自然と行われます。といっても現代社会ではこの正しい生活というのがとても難しいことです。栄養の偏り、ストレス、血行不良、睡眠不足、スキンケアの間違いなど、皆さん何かしら心当たりがあるようです。

こうしてみると、ターンオーバーの乱れというのは現代病における症状の一つといえるかもしれません。サイクルの乱れの原因は様々ですが、その多くはご自身で認識できていて、それでも手の打てない問題がほとんどではないでしょうか。

生活習慣の改善はなかなか難しいものがありますが、しかし古くから言われているように健康的な生活こそが健康的な肌の秘訣というわけです。職場や学校の環境は変えられなくとも、睡眠時間や食生活の改善ならば今日からでも少しずつ取り組むことができるかもしれません。

肌のターンオーバーとその仕組みに関するまとめ

肌のターンオーバーと仕組みや促進方法に関するまとめは以上となります。肌に備わっているターンオーバーという機能は、遅くても早くても肌にダメージを与えてしまうようでした。そしてどうやら肌に対しての正しい知識が、ターンオーバーを正常化させ、正しく促進する知識となるようです。

十分な栄養と十分な睡眠とストレスのない環境。健康的な生活がそのまま健康的な美肌につながります。ぜんぶを改善するのは難しいですが、ひとつずつ改善することがターンオーバーを正常化させるたった一つの方法のようです。健康的な美肌は健康的な生活にこそ宿るということなのかもしれませんね。

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