グルメ
玄米スープの効果や効能について調査!おいしい作り方・レシピも紹介
体調が優れないときにオススメしたいのが玄米スープです。豊富な栄養の効能が滋養強壮に最適で、優しい味は食欲がないときにもピッタリ。便秘改善やアンチエイジングや効果もあるそうです。今回は玄米スープの効果や効能、おいしい作り方やレシピについてまとめました。

目次
優しい味でホッと安らぐ玄米スープ
どれほど贅沢な料理やどれほど豪華な料理を好んで食べていても、やっぱり最後に食べたくなるのは優しい味の料理ではないでしょうか。食事の締めにおにぎりやお茶漬け、シンプルなスープなど求める人はたくさんいます。
今回オススメしたいのは玄米スープです。食事の締めを飾るには相応しいホッと安らげる味で、食後の胃もたれや息苦しさを解消してくれる薬膳としても非常に魅力的です。
「いのちのスープ」で注目を浴びた玄米スープ
料理研究家の辰巳芳子さんが病床の父のために考案した玄米スープのレシピがNHKの料理番組などで作り方とともに取り上げられ、「いのちのスープ」として一躍話題を呼びました。
病床の人にも優しく、弱った胃腸でも吸収でき、嚥下障害でも食べやすく。そんな思いの込められた玄米スープは医療従事者からも注目され、現在では病人食としても多くの人を助けています。
玄米スープは不調時に最適!
それほど優しい味なだけに玄米スープは体調不良で食欲が出ないときにもピッタリな料理です。辰巳芳子さんが考案したシンプルな玄米スープだけでなく、多くの人の手によって具材をたくさん盛り込んだ滋養強壮に最適な玄米スープや、味をとことん追求した玄米スープなど、多くのレシピが開発されています。
しかしほとんどの玄米スープに共通しているのが「優しい味」であるということです。病人でも飲めるホッとする味という玄米スープのアイデンティティはレシピを考える際に見失われることがないようでした。
玄米ってなに?
玄米スープの効果や効能、レシピや作り方を解説する前に、まずは玄米スープのメイン材料である玄米についてご紹介させていただきます。玄米スープとは玄米をどれだけ活かせるかにかかった料理ですから、玄米の特徴を知ることは欠かせないといって過言ではないでしょう。
白米は稲の果実であるところの稲の籾(もみ)から殻を除去して糠層と胚芽を削り取ることで生まれますが、玄米とは「稲籾と白米の中間」の状態といえる段階です。
稲籾から玄米、白米になるまでの工程
収穫された稲は果実部分の籾だけが取り外されます。果実である籾は籾殻で包まれていますので、ここから「脱穀」と呼ばれる作業が行われて籾殻が取り外されます。そして殻の中から出てきた部分こそが「玄米」と呼ばれるものです。
玄米から白米にするためにこの後に精米と呼ばれる作業が行われます。玄米についた糠(ぬか)と呼ばれる三部分「果皮、種皮、胚芽」を除去する作業です。糠がどの程度除去されたかによって「五分づき米」、「七分づき米」などと呼び方が変わります。ちなみに玄米は「ゼロ分づき米」といえます。
精米で出る糠には栄養がたっぷり
玄米と白米の違いは糠の存在です。この糠は果皮、種皮、胚芽など食べる際には口当たりの邪魔となる存在ですので嫌われていましたが、最近の研究によって多くの栄養効果や効能が認められてきました。
ビタミンB、ミネラル、食物繊維が非常に多く含まれています。特にビタミンB1は伝統的な日本食では十分な量が取りにくかったこともあり、非常に重要な存在であったといえます。一方で豊富な食物繊維から消化が悪く、体質によっては合わない人がいたのも事実です。
玄米は完全食?
昭和初期、医師・二木謙三は玄米こそ完全食だと主張し、玄米食を奨励していました。大日本玄米連盟というものが作られ、公事結社の大政翼賛会では玄米を国民食にすべきだという主張まで出されたほどです。それほど玄米の栄養価値は高いと考えられていました。
しかし「消化に悪いこと」や「炊き上げまでに白米よりも燃料を多く必要とする」、「炊き上げに時間がかかる」といった理由から軍関係者などから強く反対されたそうです。こうしたことから伝染病研究所(現・東京大学医科学研究所)の手によって、白米食と玄米食の差が研究されました。
その結果、「白米食から玄米食に変えると燃料費は増加するものの、玄米食を続けた者は小食となり、下痢も減り、仕事の効率が上がり、結果的に医療費は1/17に減る」といったデータが報告されました。玄米がどれほど優れているかが証明されることとなったのです。
玄米スープに秘められた効果や効能
昭和の名高い医師が「完全食」と賞賛するほどの玄米だけに、それをスープにした玄米スープにもやはり驚くべき効果や効能が秘められていました。ここでは玄米スープに期待できる健康効果についてご紹介していきます。
玄米スープでアンチエイジング
各種ビタミンが豊富な玄米スープには、若返り効果、美肌効果や肌荒れの改善、血行促進など様々な効能が期待できます。これらの効能からもはや「食べるだけで美人になれる食事」といっても過言ではありません。
特にビタミンB1に関しては、玄米には白米の4倍もの量が含まれているというデータもあります。糖質を消費してエネルギーを生産する効果や、皮膚・粘膜の健康維持といった効能のあるビタミンB1は美容・ダイエットには欠かせません。
玄米スープはダイエットに最適?
玄米には豊富な食物繊維が含まれていますので、玄米スープを食べることで腸内環境の改善に期待できます。さらに腹持ちの良さで知られていますので、玄米スープで玄米を摂取すれば、実際のカロリー以上に満腹感や満足感が得られます。
玄米は血糖値の上昇が緩やかないわゆる低GI値と呼ばれる食品です。主食を高GI値である白米から低GI値の玄米に変えるだけで食事量が減り、満腹感を得られ、腹持ちもよくなってダイエットにつながったという報告もあります。
玄米スープでデトックス
玄米には身体の内側にある毒素を排出してくれる排泄作用も秘められているそうです。特に丁寧に炒った玄米ほどリンパ管を綺麗にする効能が高まるとも言われています。リンパの流れの改善はむくみや高血圧などにとても効果的です。
玄米に含まれる「フィチン酸」は金属イオンととても強く結合しますので、体内の水銀やカドミウムといった有害物質と結合して排出されます。通常のフィチン酸は同じく金属類であるミネラル類とも結合して吸収を妨げてしまうそうですが、糠などに閉じ込められた状態では吸収阻害効果がないそうです。
ガンに効果的という話は?
「玄米スープでガンが治った!」という話も取り沙汰されていますが、これには科学的根拠がないようです。むしろこういう不明確なウワサから「玄米スープって胡散臭くない?」と感じる人もいるようです。
しかし玄米スープは喉越しの良さから弱っているときでも食べやすく、それが体力回復につながったという報告は数多くされています。ガンに効果があるとはいえませんが、病気で弱ってしまう原因である「食欲」の問題を解決するのに一役買ってくれる存在であることには違いないでしょう。
玄米スープの栄養素とメリット
ここまで読んできた方には、「玄米って消化に悪いのに胃腸にいいの?」と疑問を持たれる方がいるかもしれません。この相反するような性質、実は玄米に含まれる「不溶性食物繊維」の存在がポイントになっています。
「不溶性食物繊維」は水を吸収するという性質を持った食物繊維です。そのため、炊いただけのボソボソとした玄米を食べると腸内の水分を吸収されてしまい、便通の改善どころか悪化させる恐れがあるのです。不溶性食物繊維の豊富な食材は、たくさんの水分と一緒にとるように注意が促されています。
しかし「不溶性食物繊維」自体は上手く使えばとても有益な効果を持っています。水に溶けない性質があるので腸内の食べカスなどを押し出してくれますし、腸を刺激して運動を活性化させます。さらに食品に溶け込んでいるダイオキシンなどの有毒物質なども排泄してくれるそうです。
玄米スープで食べやすく!
そこで重要となるのが玄米をスープにするということです。長時間、水で煮込むことで「不溶性食物繊維」が腸内の水分を奪うことがなくなり、消化にも優しくなるのです。玄米の口当たりの悪さも大いに改善されますから、玄米スープにすればまさに玄米のデメリットの一切がなくなるというわけです。
注意点としましては、調理時間が短い玄米スープのレシピの場合は、玄米の形や食感がしっかりと残っている場合があります。そういったときにはよく噛んで食べるようにしましょう。そうすることで胃腸への負担も減らせますし、満腹感もたくさん得られます。
辰巳芳子さん考案の玄米スープ『いのちのスープ』のレシピ
まずは辰巳芳子さんの考案した玄米スープの作り方をご紹介します。材料は非常にシンプルで、作り方も至って簡単。ただ手間をかけ、愛情を込めてじっくりと作る玄米スープです。このレシピはNHKの番組「みんなのきょうの料理」でも取り上げられました。
玄米スープの材料
カップ4弱分の玄米スープに必要な材料は「玄米2カップ(300g)」、「昆布2~3枚(5cm四方)」、「梅干し1個」の三つと水だけ。このシンプルな材料が美味しい玄米スープのもととなります。
玄米スープ「いのちのスープ」の作り方:玄米を炒る
まずは玄米を水で洗います。洗い終えた玄米をボウルに移し、たっぷりの水に30分浸します。そして浸し終えたらザルにあげ、6時間ほど置いておいてください。
キレイな平鍋を用意します。中強火の火にかけて鍋が十分に温まったら、6時間置いた玄米を入れます。玄米全体を木べらでかき混ぜながら5分~10分ほどすると、玄米が小麦色に色づき、はぜる音が聞こえてきます。そうしたら中火から中弱火程度にまで火力を落としましょう。
その後は20分ほど絶え間なく木べらを動かし続けて、玄米をじっくりと炒っていきます。この炒る作業が玄米スープの風味を決めますので、集中力を切らさず丁寧に続けましょう。20分経過したら紙の上にあけて粗熱をとります。
玄米スープ「いのちのスープ」の作り方:玄米を炊く
ここからはスープの作り方になります。粗熱のとれた玄米と昆布、梅干し、そして水5カップをスープポットに入れ、フタをして中火にかけます。鍋ではなくスープポットを使ったほうがスープ内に対流が生まれて味や栄養が抽出されるそうです。
スープが煮立ったらフタをずらしてから、火を弱火にまで落とします。その後は30分ほど煮込んで完成となります。炊く工程はそれほど気を使いませんが、やはりどれだけ丁寧に玄米を炒れたかが美味しい玄米スープを作るポイントになるようです。
動画で学ぶおいしい玄米スープの作り方
文章だけではイマイチ「ピン!」とこないかもしれませんので、あわせて動画も一緒にご紹介。材料や出来上がる量の大まかな目安もわかりますのでオススメです。
動画では調理の工程をひとつひとつ丁寧に解説してくださっていますので、料理が苦手な人でも簡単に玄米スープを作ることができます。玄米スープの効果や効能も大事ですが、やっぱり自分で調理するとなると、美味しさやレシピに必要な材料費、作り方が大変でないかなどが気になります。このシンプルな玄米スープはそれらの点を大きくクリアしているのではないでしょうか。
玄米スープのアレンジレシピいろいろ
ハンタガワcafeの玄米マッシュルームスープ!食事が楽しみ pic.twitter.com/i9lV9z7eTc
— sonoko (@zizizi666) 2017年4月17日
玄米と昆布出汁だけの玄米スープももちろん美味しいですが、そこに色々なアレンジを加えたボリュームある玄米スープレシピを考案している方もたくさんいらっしゃいます。ここでは玄米スープに加えるのにピッタリ食材や味付けなどをご紹介します。
トマトとタマネギの玄米スープ
身体に良くて美味しいものと考えるとトマトを思い浮かべる方も多いかと思います。そこでオススメなのが、ドライトマトを一緒に煮込むアレンジレシピ。炒った玄米を煮込む際にタマネギやドライトマトを漬け汁ごと一緒に煮込むことで、うま味たっぷりの玄米スープが出来上がります。
玄米スープだけだと不足しがちなうま味成分が強くなるので、とても満足感の高い料理になります。最後にお好みでルッコラなどの香草を飾ると、まるでレストランに出てくるほどの一品になるのではないでしょうか。栄養ももちろんたっぷりです。
玄米ポタージュ
ポタージュ風にすることで雰囲気がガラリと変わります。牛乳(や豆乳)などを入れる前に、牛乳と炒った玄米を混ぜてミキサーにかけます。その後は通常のポタージュレシピに添って作っていけば、玄米ポタージュの完成です。具材の多いポタージュの場合は、最初から玄米を一緒に煮込んでも問題ありません。
玄米スープというとどうしても和風料理とあわせがちですが、ポタージュにすればパンなどの西洋料理にもピッタリの味となります。玄米の風味そのものはだいぶ隠れてしまいますので、玄米が苦手なお子さんなどにオススメです。
玄米スープの効果や効能が分かったら作ってみよう
玄米スープの効果や効能、そして作り方やレシピに関するまとめは以上となります。病人に優しく、健康や美容、ダイエットにも嬉しい玄米スープは万人に向けた完全食といえるほどの健康食。ぜひとも食生活に取り入れてみてください。
優しい味が魅力の玄米スープですが、アレンジレシピで可能性は無限に広がります。スープ料理は世界中にありますので、自分なりの玄米アレンジを考えてみることもできます。オリジナル玄米スープレシピの開発に挑戦してみるのも楽しいかもしれません。
その他、玄米について知りたい方はこちら
