中性的な名前61選！男の子にも女の子にも共通で使える名前を一覧で紹介

そもそも中性的な名前とは、どういうことなのでしょうか。人間を性別で分ける際に、男性・女性という分け方がありますが、中性というのはそのどちらにも属さない中間的な意味合いがあります。つまり、男女問わず使うことができ、なじむ名前のことを中性的な名前と呼んでいるようです。

「中性的な名前」を、「男女の名前を入れ替えるスタイル」と誤解されることもありますが、本来の意味はそうではありません。男の子に女の子っぽい名前をつけたり、女の子に男の子らしさを感じる名前をつけるという逆転の名づけは、中性的とはいえません。このような性差が逆転している名前は、子どもたちのいじめやからかいの対象になりやすいといわれていますので、注意です。

なぜ、近年になって中性的な名前が注目を集めているのでしょうか。その理由はいくつか考えることができます。最も大きな理由としては、性別を感じる名前をつけることで、無言のうちに「男性らしく」「女性らしく」といったプレッシャーを与えてしまうことがないように、という親心があるようです。お子さんの生き方を男女という性別で区別しないための名付けなのです。

このような理由から中性的な名前に注目が集まっている背景には、昨今ニュースなどで話題になるセクハラ問題やLGBTなどのセクシャルマイノリティの人々の権利問題などが関係しています。国際的にも、ジェンダーレス志向が強まっている現代、子どもの「自分らしさ」を尊重することができる中性的な名前は、好まれる傾向にあるようです。

さらに、妊娠中お子さんの性別が判明する前から名前を付けることができるのも、中性的な名前ならではのメリットといえるでしょう。胎児のうちから名前で呼びかけることで胎教的にもいい影響が期待できそうです。赤ちゃん関係のアイテムも、名前が決まっていればイニシャルのついたものを用意することもできます。

中性的な名前には、響きがおしゃれなものも多く含まれています。そうした音の響きから、お子さんに中性的な名前を付ける方も多くいるようです。ユニセックスで使うことができる中性的な名前は、マンガやアニメのキャラクターにも多く使われているため、そちらの影響もあるのかもしれません。

中性的な名前のメリットを見てきましたが、デメリットに分類される出来事も予測できます。中性的な名前は、性別の区別がつかないため名前だけを見て性別を誤解されたり、男らしくない・女らしくない名前だと批判されることもあるかもしれません。名前に関わる問題は、劣等感のもととなることも多いので、将来後悔することも考えられます。

中性的な名前によって、不便な思いをしている人や不快な出来事に遭遇してしまう人がいることは、本当のことです。このようなデメリットを含めて、その名前をお子さんにつけることをしっかりと検討することが大切なのではないでしょうか。

中性的な名前をお子さんにつける場合、漢字に注意することが必要です。漢字は音だけでなく意味も含む文字なので、ネガティブな意味合いのある漢字は避けたほうが賢明でしょう。厳密なルールはないものの、日本人にとって「男の子向きの漢字」や「女の子っぽい漢字」が存在することも事実です。中性的な名前には、男女どちらでも違和感のない漢字を選びましょう。

従来、男の子らしさを感じる漢字としては、力強さや硬さ、速さなどのイメージがあるものがあげられます。「大」「力」「強」「剛」「豪」「翔」「飛」などは、女の子の名前にはほとんど使われていないのではないでしょうか。

反対に、女の子らしさを感じる漢字としては、やわらかさ、あたたかさ、可愛らしさに美しさをいったイメージがあるものがあげられます。「小」「夢」「希」「望」「愛」「美」「姫」「麗」などは、男の子の名前には、あまり使われない漢字といえそうです。

日本では、名前の最後に止め字をつけて。男の子か女の子かの区別をつけるスタイルが一般的でした。男の子なら「郎」「太」「助」などが止め字にあたります。女の子の場合は、「子」「美」「代」などが止め字としてつかわれてきました。「けい」「とも」「なお」「ゆう」などは、止め字をつけないことで中性的なイメージの名前になっています。

子どもの名前に関しては、その年ごとの傾向が見られるといわれています。最近の傾向では、過去14年間常にトップ10にランクインしていた「大翔」や「翔太」をはじめ「悠」「蓮」という漢字が男の子に人気です。女の子は「愛」「夢」のほか、花の名前が人気を集めています。

中性的な名前を付ける際に、音は中性的であっても漢字の選び方で性別を感じさせてしまうことがあります。男の子に向かない漢字としては「○○み」という名前の「み」を「美」にすると、女の子っぽくなってしまいます。男の子の場合は「実」「巳」などがおすすめです。同じく「○○き」という名前の場合、「希」は女の子らしい漢字と言われています。

「○○か」という名前も、男の子に名付けるときは注意が必要でしょう。「か」の音を表す「香」は女の子の名前によく使われる漢字なので、男の子の名前には向きません。「はるか」という名前は中性的な名前として人気が高まっていますが、「春香」「遥香」などは女の子っぽいイメージがあります。「悠」「遙」といった漢字がおすすめです。

反対に、男性的な響きのある名前を平仮名で表記して女の子に名付けるというアイデアもあります。古風な印象を与えたり、やわらかなイメージのある平仮名表記の名前は、女の子におすすめです。中性的な名前で考えてみると、「司」を「つかさ」と表記したり、「倫」を「りん」と表記する例があります。

あ行の中性的な名前としては、「あおい」があります。花の名前ですが、徳川家の家紋でもあるので、男女どちらに使っても違和感のない名前でしょう。漢字で表記するなら「葵」のほかに「蒼」「碧」「藍生」「歩生」がおすすめです。「愛生」「碧依」などは女の子らしさも感じる漢字です。

「あきら」は、一般的には男性的な名前のイメージがあるかもしれませんが、古くから女性にも使われてきた中性的斜めの1つです。「彰」「晃」「昭」などは、男の子向け、「晶」「明」「玲」は中性的に使える漢字ではないでしょうか。

「あさひ」も中性的な名前として人気があります。太陽が昇るという意味そのものの「朝日」「旭」などは男の子っぽさのある漢字かもしれません。「あすか」も男女ともに違和感のない名前です。「飛鳥」という漢字も中性的です。「明日香」「明日華」などは、女の子向けでしょう。

古くからある「いおり」という名前は、以前は男性的なイメージがありましたが、現代では中性的な名前の1つになっています。「伊織」は男女どちらにもなじむ漢字です。「庵」は男の子向け、「衣織」は女の子向けになります。また、大きな木を意味する「樹（いつき）」も、中性的な名前として人気です。

「うた」は「雅樂」だと男の子っぽさを感じますが「歌」「詩」という漢字をあてると女の子っぽくなる名前です。ミュージシャンの名前で知られる「絵音（えのん）」も、中性的な名前で男の子にも女の子にもなじみます。「おと」は、「於斗」という漢字をあてると男の子向けになりますし、「音」の漢字を使うと女の子向けになります。

か行にも男女問わず使うことができる中性的な名前があります。秋のイメージのある「かえで」は、漢字表記の「楓」でも男女どちらにもなじむ名前です。「かずき」は、漢字の選び方で男の子っぽくも女の子っぽくもなる名前です。「一樹」「一輝」は男の子向け、「和希」は女の子向けです。

『源氏物語』にも登場するなど、古くから男性にも女性に使われてきた「かおる」は、漢字の選び方がポイントになります。男の子には「馨」や「芳」、女の子には「香」「郁」どちらにもおすすめできる漢字は「薫」です。「きょう」という名前も、男女問わず人気があります。「京」「喬」「響」と漢字も中性的な印象です。

ひらがな二音の名前は、呼びやすく中性的な名前として人気があるようです。「けい」は男の子なら「慶」「啓」「圭」など、女の子なら「恵衣」「螢」などの漢字がなじむのではないでしょうか。「こころ（心）」は、男女ともに使えます。宝石の名前である「琥珀（こはく）」は、男女問わず漢字表記が使えそうです。平仮名表記にすると、女の子っぽさが出ます。

古風な印象のある「さくや」は、「朔也」なら男の子向け、「咲弥」なら女の子向けの名前になります。同じく、花の名前である「しおん」も、中性的な名前です。「紫音」は男の子っぽく、「詩音」は女の子っぽく感じます。「忍（しのぶ）」も男女問わず使われている中性的な名前です。

「じゅん」という名前は、漢字のバリエーションも多く。男女問わず人気の高い名前です。漢字一文字で表す潔さや、海外の人にも発音してもらいやすいなども人気の理由でしょう。おすすめの漢字は、純、潤、旬などです。星の名前でもある「すばる（昴）」は、漢字でも平仮名でも使える名前です。響きのかっこよさにも魅力を感じます。

昔はお姫様の名前にも使われていた「せな（瀬名）」は、ドラマの登場人物や、伝説のF1レーサーの名前などから男の子にも使われる中性的な名前になりました。「そら」は、「空」以外にもさまざまな漢字表記があり、男女問わず使われているようです。

中性的なた行の名前としては、「たまき」があります。「環」という一文字の漢字であれば、男女どちらにも使うことができるでしょう。「ちかげ（千景）」「ちひろ（千尋）」も、男女問わずなじみやすい中性的斜めです。「ちはる」も、歌手の松山千春さんやピアニストの須藤千晴さん、美術評論家の寺田千墾さんなど、男女ともにいる名前です。

た行の中性的な名前には、一文字の漢字の名前が多くあるようです。「つかさ（司）」や「つばさ（翼）」「てる（輝）」「てん（天）」なども含まれます。「とも」という名前の場合は、「友」「朋」「智」と漢字のバリエーションも多くあります。「とも」は上述の止め字を使うパターンでは、「智之」「朋美」というように、性別がわかるような名前になります。

な行の名前としておすすめなのが「なぎさ（渚）」です。水際、波打ち際を意味する渚は、故大島渚監督や女優の片平なぎささん、AKB48の渋谷凪咲さんと、表記にもバリエーションがあります。同じように「なつき」も男女問わず使うことができる名前です。「夏樹」「夏生」「夏輝」は男の子っぽさがあり、「夏希」「菜月」「奈月」「夏姫」などは女の子っぽさを感じる漢字です。

「にき」は「仁紀」や「仁希」は男女ともになじむ漢字です。珍しいところでは、「ねい」という名前があります。「寧」や「音」は、男女どちらにも使うことができるでしょう。「ねお」の場合は、「夢偲」「子央」「寧王」なら男の子向け、「宇凰」「寧桜」は女の子向けの漢字表記です。

元モーニング娘。の辻希美さんがお子さんに名付けたことで有名になった「のあ」も、男女どちらにもなじむ中性的な名前です。漢字表記のバリエーションはかなりあります。「の」を「希」「乃」「之」などで表現することが多いようです。「あ」の字は「亜」や「彩」のほかに、「空」「海」を使うパターンもあるようです。

「はる」という名前には、「春」「陽」「晴」といった漢字が当てはまり、明るくあたたかい印象があります。上でも取り上げた「はるか」は、このところ男の子につける方も増えてきた名前です。「遙」「悠」は男の子向け、「春香」「遥香」のように漢字二文字になると女の子向けになります。

「ひかり」や「ひかる」も男女問わず使える名前です。「ひなた」も中性的な名前です。マンガやドラマの登場人物の名前から「ほたる」という名前にも人気があります。ただし、漢字の選択には注意が必要です。「蛍」はOKですが「螢」は旧字体なので名前には使えません。古風な名前としては「ほまれ（誉）」もおすすめです。

「まこと」は「真」という漢字一文字は男女ともに使うことができます。「誠」や「慎」は男の子向け、「真琴」は女の子向けになるでしょう。「みずき」の場合は、「瑞樹」「瑞貴」「瑞基」などは男の子っぽいイメージがあるかもしれません。「瑞希」「美月」などは女の子らしさを感じさせる漢字です。また、「みらい（未来・未來）」も中性的な名前としておすすめです。

古風な響きのある「むすび（結）」や「むつみ（睦）」は、男女ともになじむ個性的な名前です。「むつき」の場合は、男女問わず使える「睦月」「睦希」という表記のほかに、男の子っぽい「睦基」「武月」、女の子っぽい「夢月」「舞月」などがあります。

「やすね」を「和寧」や「安音」と表記すると女の子向け、「和弥」「康根」とすると男の子向けの名前になります。「ゆう」は漢字のバリエーションも多く人気の高い名前です。漢字一文字は男女問わず使えますが、漢字二文字の「優宇」や「遊羽」などは女の子らしいイメージがあるでしょう。古風な「より」は、「頼」や「和」「依里」などの漢字が使えます。

「らいあ」という名前を「雷亜」という漢字で表せば男の子向け、「來彩」なら女の子向けになります。朝ドラの主人公にも使われた「りつ（律）」は、男女ともになじみやすい名前でしょう。漢字一文字で表すことができる「りょう」や「れい」は、選択可能な漢字も多く人気があります。

「ろあ」という名前は、男の子なら「呂空」「絽海」、女の子なら「心愛」「楼綾」といった漢字表記ができます。「ろい」は外国では男性名に使われることが多い名前ですが、女の子でも「楼唯」「蕗莞」といった漢字を使うと女の子向けになるでしょう。男の子の場合は「狼偉」「路威」がおすすめです。

漢字一文字で表す中性的な名前は、すでにいくつか挙げてきましたが、ここで一挙に並べて見ていくことにしましょう。女の子向けの漢字には、やわらかさや温かさ、可愛らしさを感じるものが多くあります。代表的な感じは「愛」「夢」「優」「美」などでしょう。

上記の考えを踏まえて漢字一文字で女の子向けの中性的な名前をチェックしてみましょう。さまざまな名前がありまには、「いずみ（泉）」「うみ（海）」「せい（星）」「よう（葉）」「りん（凛・鈴）」「れい（麗・玲・鈴）」などは中性的でありながら、女の子向けの名前といえるのではないでしょうか。

漢字一文字で男の向けの中性的な名前には、「うしお（潮）」「えん（縁）」「さかえ（栄）」「ただし（唯）」「ひびき（響）」「りょう（涼・亮・凌）」「れん（蓮・簾）」などがあります。

現代の子どもたちは、今後ますますグローバル化していく世の中で生きていくことが考えられます。そのため、名前も外国の人に覚えてもらいやすいものや、外国でもなじみやすいものを選ぶ傾向が見られます。「るい」も添いの1つです。中性的な名前ですが、フランス語の「Louis（ルイ）」は男性名です。「類」「塁」「瑠偉」「瑠衣」「涙」といった漢字があります。

「ルイ」といえば、高級ハイエンドブランド「Louis Vuitton（ルイヴィトン）」を連想する方も多いかもしれません。フランス革命以前の王様の名前は歴代ルイでした。また、最近ではイギリス王室のウイリアム王子の第三子がルイ王子と名付けられています。日本では、野球選手のオコエ瑠偉選手がよく知られているのではないでしょうか。

「じゅん」も男女問わず使うことができる中性的な名前です。英語では「六月」を意味する「June(ジューン）」という単語があるので、外国の人でも発音しやすい名前といえるのではないでしょうか。漢字は一文字で「旬」「順」「純」「潤」「淳」とさまざまなバリエーションが存在しています。

日本では、ビビる大木さんの本名が大木淳さんですし、俳優の要潤さん、國村隼さん、タレントの夏川純さん、モデルの長谷川潤さんと男性女性問わず「じゅん」という名前の有名人がいます。

「ひろ」という名前からは、外国人の中には「Hero(ヒーロー）」という単語を連想する人も多いかもしれません。ローマ字で表記した際に「Hiro」となるため、外国では「ハイロ」と発音される場合もあるでしょう。「ひろ」には、「尋」「紘」など一文字の漢字だけでなく「比呂」「平生」「日呂」「飛絽」などの漢字が当てはまります。

テニス選手の錦織圭さんの活躍や、アルファベットの「K」から、「けい」という名前は外国の人にとってなじみやすい名前だといえるでしょう。漢字一文字で表現する「けい」の中には、「恵」「啓」「慶」「敬」「景」とさまざまな選択肢があります。

「れい」も漢字一文字での選択肢が多い名前です。外国でも発音しやすい名前でしょう。おすすめの漢字は、一文字なら「礼」「玲」「零」「黎」「嶺」などでしょうか。一文字の漢字以外なら「麗衣」「鈴伊」などがあります。

ここまで見てきた名前は、ひらがな二音のものですが、外国では日本語の名前を短くして二音で発音してもらい、日本では伝統的な三文字や四文字の名前を使い続けるということもできます。たとえば「雅弘（まさひろ）」が外国でな「まさ」「ひろ」と二音に分割されてニックネームのようにどちらかで呼ばれることがよくあります。

ですから、グローバリゼーションを念頭に置きつつも、外国に合わせるために二音の名前にこだわる必要はありません。女の子の名前の場合は、もともと二音や三音の名前が多いので、分割するというよりは省略したりあだ名的に呼ぶことが多くなります。外国では、「みずき」は「ミッキー」、「ともみ」と「トミー」と呼ばれることがあるようです。

日本でも外国でも通用する名前の中には、漢字一文字で表すことができる短いもののほかに、カタカナで表記するものもあげられます。「ルカ」「ヨハネ」「ノア」などはキリスト教の聖書に出てくる人物の名前なので、外国でも発音しやすく覚えてもらえやすいのではないでしょうか。

ほかに、外国の人の名前をカタカナで付けるというアイデアもあります。中性的なイメージで考えてみると「リオン」「ノエル」「レア」「リア」などは、外国の人にも発音しやすいですし覚えてもらいやすい名前といえるのではないでしょうか。

ユニークな名前としては、外国語の単語を名前にするという方法です。「スカイ」「ライム」「リズム」「リム」「レイン」などが中性的な名前になります。

性別による区別をなくすジェンダーレスな考え方が定着しつつある昨今、子どもの名前も中性的な名前を選ぶ人が増えてきています。さまざまなタイプの中性的な名前を取り上げてみましたが、どれも魅力的です。ぜひ、お子さんの名づけにおすすめです。