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卒業文集の書き方まとめ!例文あり!タイトルのつけ方は?【小学校・中学】
卒業文集の書き方に迷っている学生さんは多い。しかし卒業文集は面倒くさくとも大切なもの。何年後かに読み返したとき、恥ずかしくもあり懐かしくもある思い出の品だ。立派な卒業文集を書けるように、小学校・中学校の卒業文集の書き方や例文などをまとめた。

小学校・中学校の卒業と卒業文集、その書き方

もうすぐ3月、卒業のシーズンだ。まずはなによりも祝辞を贈らせていただきたい。今年度に卒業される皆様方はまことにおめでとうございます。小学校を卒業して中学校へ、あるいは中学校を卒業して高校へ。新しい環境に期待と不安が入り混じった思いを抱いておいでだろう。卒業後の新世界がどのような場所なのかはわからないが、幸多い場所であることをお祈りする。
しかし卒業をする前にやらねばならないことがたくさんあるのではないだろうか。これをやらねば卒業できない、というようなものは個々人で思い当たるものもあるだろうが、多くの学生たちを悩ませてきた卒業文集というものも忘れてはならない。
卒業前の壁・卒業文集
小学校や中学校の卒業前に立ちはだかってくる分厚い壁が卒業文集の提出だ。こればかりは夏休みの読書感想文のようにサボるわけにはいかない。作文が得意な生徒もいれば苦手な生徒もいる。卒業文集の書き方などさっぱりわからない学生さんだってもちろんいるだろう。小学校に書いたはずなのに、まったく覚えていない中学生だっているのではないだろうか。
「小学校の六年間、あるいは中学校の三年間で、学んだこと、思ったこと、感じたことを書けばいい」と提出した側は気軽にいってくれるが、いざ書く側になってみればそれがとても難しい。そこで卒業文集の書き方や例文、タイトルの付け方などについてまとめた。卒業文集の書き方にお悩みの学生さんやその親御さんに、ぜひとも一読してもらいたい。
卒業文集の構成と書き方

卒業文集の書き方にお悩みの方は、筆を持って机に向かってみても、まずなにをすればいいか検討がつかないのではないだろうか。白紙の原稿用紙を前にして、終わりの見えない空欄を見つめて途方にくれているかもしれない。
しかし心配はご無用だ。卒業文集で求められる文字数はだいたい600~800文字で、原稿用紙にすると2枚分だろう。この文字数であれば、書き出しの言葉や"つなぎ"の文章で埋めると、自分で考えて書く部分は意外と少ないのである。
卒業文集の書き方:構成を考える
むしろ卒業文集というのは限られた文字数で情報をまとめる能力が求められるといって過言ではない。まずは卒業文集の構成――書くべき内容を並べていってみよう。卒業文集を構成するパートは、大きく三つに分けることができる。「書き出し文」、「思い出と将来」、「締めの言葉」の四つだ。これらを並べることで卒業文集は簡単に書き上げることができる。
1.書き出しを考える
上手な書き出しに求められるものは説明力と導入力だ。読んだ人に「これが何の文章であるか」が伝わらなくてはならないし、「この文章の続きを読んでみたい」と思わせなければならない。
卒業文集であるから、これから自分は卒業するのだという意味合いのことを伝えなくてはならない。「自分は○○年の学生生活を過ごしてきた」といった内容の文章であれば、読んだ人が「卒業を前に学生生活を振り返っているのだな」と想起してくれることだろう。
卒業文集の書き出しに必要な要素は「○○年間の学生生活が終わる(卒業する)」という情報と、次の構成である「学生生活を振り返って」という内容に続けるための"つなぎ文"だ。
この3年間楽しいことは沢山あった。スキー学習、体育祭、修学旅行・・・。どれも心に残る良い思い出だ。
3年間の思い出を振り返った書き出し文。この卒業文集の冒頭を読めば「筆者は中学校か高校か、3年あった学生生活を終えて卒業しようとしているのだな」と読み取ることができるし、次に"中でも強く残っている思い出は"というように次の文章群につなげることができる。
小学校生活で一番思い出に残ることと言えば、やはり運動会だ。 5年生になるまで運動会は参加するものだった。でも6年生になったら 運動会は運営するものとなった。こんなにも大変なことだとは全く 知らなかった。
卒業よりも運動会の思い出が主題になっているが、それほど思い出深い出来事だったと受け取ることもできる。卒業文集とは別にテストでもなければ点数がつくものでもないので、書きたいテーマが決まっているならばそれを書いてしまっても構わないだろう。
2.学校生活の思い出と将来――内容を考える
ここが卒業文集の主題だ。文字数にすると400文字前後であり、卒業文集の半分以上を占めるパートである。ひとつのテーマについて書くのも構わないし、書くことが思いつかなければ100文字前後のテーマをいくつか書いていくのが良いだろう。
テーマ:学校生活
先生の印象や部活動などの学校での生活は主要なテーマのひとつ。自分が打ち込んだ部活であったり、尊敬できる先生であったり、学校生活で関わった出来事について書こう。卒業してしまうのだから、恥ずかしくとも素直な気持ちを書いておこう。
テーマ:思い出
学校生活で印象深い思い出がひとつかふたつはあるだろう。なにもないならば、運動会や林間学校、修学旅行や文化祭といった行事で記憶に残っているものを掘り下げるといい。「行事前はこう思っていた」、「行事ではここが大変だった」、「行事後はこう考えるようになった」というように三分割することでまとめることができる。
テーマ:将来
卒業後や将来どうなりたいかも卒業文集に相応しいテーマだ。「自分は何が好きか」、「どうしてそれに興味を持つようになったか」、「将来はこういった職業や人間になってみたい」という風にまとめていこう。
テーマ:友情
学生生活で親しくしていた友人について書くのも、未来に読み返したときに感慨深いものだ。「どうやって知り合ったか」、「友人のどこを尊敬し、信頼しているか」、「どういう付き合いをしてきたか」、「これからどういう関係でありたいか」など書けることはいくらでもあるので、文字数の調整もしやすい。ひとりの親友について書くのもいいし、多くの友人たちについて買いてもいいだろう。
3.締めの言葉
締めの言葉は数行程度の"サラリ"としたもので良い。書き残すのは「感謝の言葉」や「別れの挨拶」だ。先生や友達、あるいは両親などにお礼を書いておこう。
時にはケンカや意見が対立することもありましたが、 私は〇〇高校に入学できて本当によかったと思っています。 卒業してからも連絡を取り合って、 またみんなで集まって近況報告をしましょう。 それでは3年間本当にありがとうございました。
サラリとした内容であっても、締めの言葉が卒業文集における後味のすべてといっても過言ではない。感情のこもった締めの文章であれば、たった数行読んだだけで泣き出す先生や友人がいることだろう。
卒業文集のタイトル、いつ考える?書き方は?

「タイトルが決まらないから書けない!」と悩む学生さんもいる。しかしタイトルは最初に決めてしまわなければならないというルールなどどこにもない。決まらないときは後回しにしてしまえばいいだけのことである。もちろん書きたいテーマが決まっているならばそれをタイトルにしてしまってもいいだろう。気に入らなければタイトルを付け直せばいいだけだ。
そもそも「タイトル」の書き方、考え方であるが、実はあまり考える必要がない。本文中から一行を抜き出して「そのとき鉛筆を拾ってくれたのは」というような一文でもいいし、「たくさんのランドセル」など教室の窓から見えたものを書いても構わない。一見すると意味のわからないタイトルでも、読んだ人が「なるほど、こういう意味があるのかもしれない」と勝手に深読みしてくれるからだ。
他人に読まれたくないときにつけるタイトル
もしも恥ずかしくて他の人に読まれたくないなどと思ったのならば「私の三年間」や「楽しかった○○」、「学校生活の思い出」といったヒネリのないタイトルをつけておこう。場合によっては先生にダメ出しされる場合もあるかもしれないが、そのときは仕方がないので付け直さなければならない。
書き方の工夫と個性。卒業文集の失敗例

例えば夏目漱石の「吾輩は猫である」。特徴的な書き出しが有名だ。たくさんの作文が載っている卒業文集であるが、書き出しで「おっ?」と思わせることができる文章はやはり目を引く。もちろん「我輩(私)は○○である」と始めてしまえば一発で「マネたんだな」とバレてしまうだろう。奇をてらった表現よりも、例えば「白球を追いかけつづけた三年間だった」といった部活に打ち込んだ学校生活などを冒頭に持ってきたほうが個性的だろう。
自分の視点で物事を書く
その文集を書いた人が"ある出来事"に何を感じたのかというのは、"同じ出来事"を経験した人にとって興味深いものになる。例えば運動会のリレーで1位を取った生徒が「1位になって何を感じたか、2位に追われてどう感じていたか」を書けば、そのリレーで2位だった生徒は気になって読んでしまうに違いない。
それとは逆に「2位の人が1位を追いかけるときに何を思っていたか」というのも1位の人にしてみれば興味深いだろう。そのどちらも1位の人にしかかけない文章であるし、2位の人にしかかけない文章なのだから、第三者からしても個性的な文章に映るに違いない。
勘違いしないで欲しいことは、個性とはよくわからない言葉遣いやマニアックな用語を使うことではない。自分の見たこと、感じたことを自分で考えた言葉で表現することである。自分の中から出た言葉であるならば、仮にそれがよくわからない言葉遣いになってしまったとしても、文章全体を見たときに自然と溶け合うはずだ。
卒業文集に書くべきではないこと、卒業文集でのラブレター
個人に向けたラブレターなどもたまにある"卒業文集での失敗例"。書いた側は後々になってとても恥ずかしい思いをするし、受け取った側もやはりとても恥ずかしく、まず成功しない告白方法だ。
歌詞の引用やポエム、外国語など
気に入った曲の歌詞や自作のポエム、英語などの外国語を使って書くことも失敗するのでやめておこう。どうしたってどこかで借りてきたような言葉になってしまうし、友人らにおちょくられる原因にもなるだろう。
暗い内容
仮に学生生活が辛く苦しい思い出ばかりだったとしても、卒業文集の内容は明るい話題を書いておいたほうが無難だ。卒業文集は卒業後にも話題に上ることがあるため、暗かった学生生活がいつまでも尾を引くことになる。
卒業文集の書き方に関するまとめ

卒業文集の書き方に関するまとめは以上だ。卒業文集は学校生活を締めくくる最後の課題である。そして大人になって学生時代を振り返る重大な手がかりともなるだろう。少しばかり面倒くさくとも、そして恥ずかしくとも、素直ないまの自分の気持ちをさらけ出してしまおう。その恥ずかしさも良き思い出となるに違いない。