夏目漱石の代表作『こころ』のあらすじを解説!内容を要約してみた!

夏目漱石の『こころ』を読んでみたけども、難しい漢字や言葉で読みにくいと諦めてしまった人もいるかもしれません。そんな人のために夏目漱石の『こころ』のあらすじを解説していきます。あらすじや解説を読んで、少しでも興味を持てたら、ぜひ本物を手に取ってみてください。

夏目漱石の代表作『こころ』のあらすじを解説!内容を要約してみた!

目次

  1. 『こころ』は夏目漱石の集大成?夏目漱石の名作を解説!
  2. 『こころ』の主要な登場人物を解説
  3. 夏目漱石『こころ』のあらすじ「上・先生と私」
  4. 夏目漱石『こころ』上章の要約&解説!謎多き先生と私のやりとりに注目
  5. 夏目漱石『こころ』のあらすじ「中・両親と私」
  6. 夏目漱石『こころ』中の要約&解説!父親に近づく死と向き合う私
  7. 夏目漱石『こころ』のあらすじ「下・先生と遺書」
  8. 夏目漱石『こころ』下の要約&解説!謎に包まれた先生の過去が手紙によって明かされる
  9. 夏目漱石の『こころ』未だに議論される謎!Kの自殺の理由とは
  10. 一度は読んでみてほしい名作!夏目漱石の『こころ』

『こころ』は夏目漱石の集大成?夏目漱石の名作を解説!

夏目漱石の『こころ』は高校の教科書にも載っているので一度は読んだことのある人も多いかもしれません。『こころ』は夏目漱石の晩年の作品で、『彼岸過迄』『行人』に続く後期三部作の終作ということもあり夏目漱石の集大成とも言える作品です。

夏目漱石の作品は当て字や難しい熟語が使われていることが多いので、現在の小説と比べるとどうしても読みにくいと感じてしまう人もいるかもしれません。そこで今回は夏目漱石の代表作でもある『こころ』のあらすじを分かりやすく解説していきたいと思います。

『こころ』の主要な登場人物を解説

まずは『こころ』に登場する登場人物を解説していきたいと思います。

登場人物解説「私」

『こころ』は「上・先生と私」「中・両親と私」「下・先生と遺書」の3つの構成で作られています。そのうちの上と中の語り手として登場するのが学生の「私」です。

登場人物解説「先生」

東京で隠居生活のような暮らしをしている人物で、「私」から「先生」と呼ばれています。先生の本名は最後まで明らかにはされません。下では「先生」が語り手となって「私」として登場します。下では先生の過去が明らかにされていきます。

登場人物解説「奥さん(静)/お嬢さん」

先生の妻で、先生からは静と呼ばれています。下では「お嬢さん」と呼ばれている人物です。上・中では学生の「私」から奥さんと呼ばれています。

登場人物解説「未亡人/奥さん(お嬢さんの母親)」

先生の奥さんの母親にあたる人物です。未亡人で、一人娘と暮らしていましたが不用心ということで学生の先生を下宿させるようになります。下では先生視点で「奥さん」と呼ばれています。

登場人物解説「K」

下に登場する先生と同じ大学に通う友人です。真面目で頑固な性格の人物です。お寺の次男坊ですが医者の家に養子に入り、養父はKを医者にするつもりで大学に通わせていました。しかしKは医者になるつもりがなく、そのことで養父と対立してしまいます。困っているKに先生が一緒に下宿できるようにと奥さん(お嬢さんの母親)に相談し、一緒に暮らすようになります。

夏目漱石『こころ』のあらすじ「上・先生と私」

上章あらすじ「先生と私の出会い」

学生である「私」は夏休みに友人と一緒に鎌倉の海水浴に来ていました。そこで同じように海水浴に来ていた「先生」と知り合います。そこで交流を深めた二人は、東京に戻ってからも会おうと約束をします。

上章あらすじ「先生の不在」

約束通り、私は東京に戻ってから先生の家を訪問します。しかし自宅に先生は留守のようで会うことができませんでした。後日、再び自宅に行ってみても、やはり先生は不在だったことに不満に感じた私は玄関先で少し待っていました。すると先生の奥さんが出てきて雑司ヶ谷の墓地に先生はいると教えられます。

上章あらすじ「先生の向かった墓とは誰のものなのか」

私が墓地に行くとそこには先生の姿がありました。先生は私に気付くとひどく驚いた様子でした。私は誰の墓なのか先生に尋ねますが、先生は気まずそうにしてはっきりとは答えてくれません。

上章あらすじ「先生の抱える闇とは」

先生は謎多き人物です。私は先生を研究するつもりでたびたび先生の自宅を訪れます。しかし先生は私に対してどこか心を閉ざしているような態度をとります。先生は自分のことを「淋しい人間」だと言い、私がそのうち先生の元から離れることを予期しているような口ぶりを見せます。

上章あらすじ「先生と奥さん」

私から見て、先生と奥さんの関係はとても良好に見えていました。しかし、実際には先生は私だけでなく、奥さんに対しても心を開いているようではありませんでした。奥さんはそのことでずっと悩んでいる様子でした。

私は奥さんと二人きりで話す機会があったときに先生がなぜ今のように誰も信じられなくなってしまったのか尋ねるシーンがあります。奥さんにも検討がつかないようでしたが、もしかしたら先生の親友の死が関わっているのかもしれないと聞かされます。私は詳しく話を聞こうとしますが、奥さんは先生に叱られるからと、曖昧に話すだけでした。

上章あらすじ「故郷への帰省」

私は病気を患っている父親の調子があまり良くないという知らせを受けて、一度故郷に帰ることになります。父親の様子は思っていたよりも元気そうで、私はすぐに東京に戻ってきます。東京に戻ってきた私に先生は財産があるならば今のうちに整理しておきなさいと助言します。人間はいざという時に誰でも悪人になると私に忠告しながら、自分も昔に親戚に欺かれた経験があることを告白します。

上章あらすじ「先生の過去」

私は先生の思想をもっと理解するために、その過程にある先生の過去も知りたいと訴えかけます。そんな私に先生は「よろしい」と言いながら、今はまだ話せないと言い、話すべき時期がくるまで待てと言われます。

夏目漱石『こころ』上章の要約&解説!謎多き先生と私のやりとりに注目

夏目漱石の『こころ』という作品は様々な謎や解釈が多いことで有名な作品でもあります。夏目漱石が『こころ』を発表してからすでに百年以上経っているにも関わらず、『こころ』という作品にどのようなテーマが込められているのか未だに議論されています。

「上・先生と私」では主に語り手としての私と先生のやりとりが書かれています。『こころ』では「下・先生と遺書」の部分が取り上げられることが多いですが、下章を読み解いていくためのヒントが私と先生のやりとりの中にたくさん隠されています。

上章の内容を要約すると私が先生という人間に興味を持っていく中で、先生の過去を知ろうとしますが、先生は頑なに自分の過去を語ろうとはしません。しかし、上の最後で先生はいつか時がくれば全てを話すと私に約束します。先生が墓参りしている人物とは誰なのか、先生が人を信じられなくなってしまった原因とは何なのか、先生と奥さんの不思議な関係はどこからきているのか、そういった謎もこの先を読んでいくうちに少しずつ明かされていきます。

夏目漱石『こころ』のあらすじ「中・両親と私」

中章あらすじ「再びの帰省」

大学を卒業した私は再び故郷に帰省します。帰省した私は両親と何気ない日々を過ごします。父親は以前に帰省したときと一見変わらない様子でしたが自分の死後について考えている様子でした。そんな中、父親の元気は次第に衰えていき、両親は私の将来を心配しだします。

中章あらすじ「私から先生への手紙」

大学を卒業したのに就職先の決まっていない私は先生に就職の口利きをしてもらうように手紙を出しなさいと母親にしつこく言われます。私は先生が就職の面倒を見てくれるとは思っていませんが、両親を安心させるために家の事情と仕事を何か見つけてもらえないか相談する内容の手紙を書きます。

私は仕事の口利きの申し出は断られるだろうとは思っていましたが、几帳面な先生のことだから返事の手紙がすぐに届くと思っていました。しかし待っても先生からの返事は一向に届きません。

中章あらすじ「先生からの手紙」

先生からの返事が来ないこともあり、私は東京に一度戻ろうとします。いざ家を出ようとした間際に父親の容態が急に悪化します。そんな父親の様子に私は東京に向かうのを延期します。その後も父親の状態は良くならず、医者からも危険な状態だと言われてしまいます。そんな中、先生から大量の分量の手紙が届きます。手紙に目を通していくと先生の死を予感させるような文章に私は慌てて家を飛び出します。

夏目漱石『こころ』中の要約&解説!父親に近づく死と向き合う私

『こころ』の中では、私の父親の病状が悪化していく過程が描かれています。中章の内容を要約すると父親の死と共に明治天皇の崩御が近づいていることが描かれているので、明治という一つの時代が終わろうとしていることが分かります。夏目漱石自信、『こころ』を執筆しだした背景に陸軍の乃木大将の殉死に影響を受けていると言われています。

中章では私と両親の何気ないやりとりが描かれているだけのように思えますが、実は時代が変わろうとしていることが描かれている重要な章です。夏目漱石は明治の精神が終わろうとしていることを先生の死という形で表現しています。

夏目漱石『こころ』のあらすじ「下・先生と遺書」

下章あらすじ「明かされる先生の過去」

下章では先生が私に向けた手紙の内容が語られています。そのため先生の視点で描かれているので、下では先生が「私」となって語り手として登場します。手紙の最初には私の手紙にすぐに返事ができなかったことについての謝罪が書かれています。そしてこの手紙を書きだした理由とともに少しずつ先生の過去が明かされていきます。

下章あらすじ「叔父の裏切り」

先生が以前、私に財産についてしつこく忠告してきたのには、過去に自分が経験した裏切りが原因でした。先生の家はもともと財産家でしたが先生が学生のうちに両親を亡くしていました。その後、先生は叔父を頼って生活をするようになり、面倒を見てくれる叔父のこと。を信頼していました。しかし、信頼していた叔父は先生を裏切り、両親の財産を密かに奪っていました。これをきっかけに先生はお金が関わると誰でも悪人になると疑うようになってしまいます。

下章あらすじ「お嬢さんとの出会い」

先生は東京に戻ると新しい下宿先を探し始めます。下宿先を探している中で軍人の未亡人の家を紹介され、そこに下宿をお願いしに行きます。挨拶をしに行ったその日に未亡人の奥さんから下宿の許可を得た先生はさっそくその家へ引っ越します。そこで後に先生の奥さんとなるお嬢さんと出会います。下宿を始めると、すぐに先生は未亡人の奥さんやお嬢さんと打ち解けていきます。先生は徐々にお嬢さんに惹かれるようになっていきます。

下章あらすじ「先生の親友、K」

先生にはKという友人がいました。お寺の息子でしたが、医者の家に養子にだされて、本来なら医者になることを望まれていました。それにもかかわらず、Kは自分の信念から養父を欺いて医者になる大学とは別の大学に通っていました。それを知った養父はKとの縁組を解消してしまい、Kは生活に困っていました。Kが医者にならないことへの決心を後押ししていた先生は責任感から未亡人の奥さんにKも一緒に下宿させてもらえないか頼みこみます。

下章あらすじ「Kへの嫉妬」

最初は未亡人の奥さんはKがやってくることに反対していました。しかし先生が根気よく説得したことによって、未亡人も結局はKが一緒に下宿することを認めてくれます。真面目で頑固な性格のKは最初のうちはなかなか馴染めずにいますが、先生が未亡人の奥さんとお嬢さんになるべくKと話してやって欲しいと頼んだ甲斐もあって徐々にKも打ち解けていきます。しかし、いざKがお嬢さんと二人で仲良く話す姿を目撃すると先生はKに嫉妬してしまいます。

下章あらすじ「Kの告白」

先生はKがお嬢さんのことをどう思っているのか気にするようになります。先生がお嬢さんについての話題を振っても、Kの口から出てくる言葉は学業のことばかりで実際にどう思っているのかは分かりませんでした。しかし、ある日突然にKの口からお嬢さんに対する恋心を告白されます。先生はKの告白を受けても何も答えることができずにいました。

下章あらすじ「未亡人との密約」

Kの告白に焦りを感じた先生はKのいない間に密かに未亡人の奥さんにお嬢さんをくださいとお願いします。未亡人は先生のお願いに、その場で結婚を認めてくれます。

下章あらすじ「Kの突然の死」

未亡人からお嬢さんとの結婚の許しを得た先生は、そのことをKに言えないままでいました。先生がどうやってKに伝えようか悩んでいるうちに未亡人がそのことをKに伝えてしまいます。Kは未亡人から先生とお嬢さんの結婚の話を聞かされた数日後、Kは自殺してしまいます。

下章あらすじ「先生の遺書」

Kはなぜ死んでしまったのか、それはきっと自分のせいだと先生はその後もずっと後悔し続けます。望んでいたお嬢さんとの結婚を果たした後もその苦悩は続きました。先生はKの死因について繰り返し考えていました。

先生は自分の苦悩を誰にも打ち明けることができずにどんどん孤独になっていく中で、Kも同じように一人淋しくなって自殺を図ったのではないかと疑うようになりました。そう思った瞬間に、先生もまた自分がKと同じ道を辿っていることにぞっとします。

そして先生は明治天皇の後を追って乃木大将が殉死したことを知ると、自分もまた明治の精神とともに殉死しようと決断します。先生は「私」宛に長い自叙伝を書き残して、そして最後にこっそりとこの世から去ることを選びます。

夏目漱石『こころ』下の要約&解説!謎に包まれた先生の過去が手紙によって明かされる

夏目漱石の『こころ』で「下・先生と遺書」では先生が私宛に書いた長い手紙がそのまま本文となっています。そのため先生の視点で先生のそれまでの過去が明かされていきます。下章の内容を要約すると、先生とKとお嬢さんの三角関係による先生の葛藤が描かれています。夏目漱石の作品には1人に女性をめぐる男性のやりとりが良くでてきます。

夏目漱石の『こころ』未だに議論される謎!Kの自殺の理由とは

『こころ』は夏目漱石の代表作の一つであり、現在でも一番読まれている作品でもあります。教科書に載るほどの作品でありながら、『こころ』には多くの謎があり、未だに議論され続けています。その中でも最も議論されているものがKはなぜ自殺してしまったのかについてです。

先生はKのお嬢さんに対する恋心を知るとKを出し抜く形でお嬢さんとの結婚の約束を取り付けます。そしてそのことを知ったKは数日後、自ら命を絶ってしまいます。あらすじだけを読んで、素直に考えると、信頼していた先生の裏切りに傷ついて命を絶ったように思えます。しかしKが自殺したはっきりとした理由は作品の中では語られていません。先生自信その理由をずっと考え続け、苦しんできたことが描かれています。

一度は読んでみてほしい名作!夏目漱石の『こころ』

今回の記事で夏目漱石の『こころ』のあらすじや要約を交えて解説してきましたが、やはり本当の魅力を感じるためにはあらすじだけでなく実際に夏目漱石の『こころ』を読んでみることをおすすめします。あらすじをある程度理解していると、夏目漱石の難しい文章もあまり気にならずに内容が入ってくると思います。

夏目漱石の作品は読み返す度に発見があります。そのため、あらすじを知っていた上で読んでも十分の楽しめると思います。今回の記事であらすじや解説を読んで、日本を代表する作家である夏目漱石の作品を一つでも読んでみたいと思ってもらえれば光栄です。

もっと夏目漱石について知りたいアナタへ!

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