村上春樹の作品一覧!初心者におすすめは?本当に面白い傑作まとめ

ベストセラー作家である村上春樹氏は、デビュー以来数多くの作品を発表されています。たくさんの作品があるので、どれから読んでいいかわからない!という方もいらっしゃるかもしれません。これから村上春樹氏の作品を読んでみようという方へおすすめをご紹介しましょう。

村上春樹の作品一覧!初心者におすすめは?本当に面白い傑作まとめ

目次

  1. ベストセラー作家・村上春樹
  2. 村上春樹初心者におすすめの短編小説
  3. 通勤通学にもおすすめの短いお話『象工場のハッピーエンド』
  4. 謎解きに触れてみては?『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』
  5. 2つの世界が語られる『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』
  6. 15歳の少年が主人公『海辺のカフカ』
  7. 月が2つある世界のお話『1Q84』
  8. ベストセラー作家誕生のきっかけとなった『ノルウェイの森』
  9. 期待が高まる『騎士団長殺し』
  10. じっくり読みたい長編小説作品を一覧でご紹介!
  11. 手軽な短編小説のおすすめ作品一覧
  12. 一覧で見る超短編・ショートショート作品
  13. 紀行文・ノンフィクション作品の一覧はコチラ
  14. 対談集・インタビュー作品ならコチラの一覧を参考に
  15. 軽妙洒脱なエッセイも大人気
  16. 読まず嫌いはもったいない!

ベストセラー作家・村上春樹

デビューは1979年

作家・村上春樹氏の名前は、読書家ではない一般の人々の間でもメジャーです。ノーベル文学賞の時期になるとニュースにも取り上げられ、「賞に最も近い日本人作家」などと称されることも。新作が出ることもニュースになり、版を重ねるとそれもまたニュースになる。今回は、そんなベストセラー作家・村上春樹氏の作品をご紹介します。

海外でも高評価を得ている村上春樹

村上春樹氏の作品は、海外でも高い評価を得ています。現代日本文学の中でも最も有名な作家のお一人と言えるでしょう。海外の大学から招聘されたり講演会に招待される機会も多く、海外の文学賞をいくつも受賞されています。

幅広い執筆活動

1979年のデビュー以来、村上春樹氏は13の長編小説と13の短編小説集、そして5つの超短編集と22のエッセイ、さらに9つのノンフィクション(紀行文を含む)と6つのインタビュー集を出しています。インタビューの中で村上氏はご自身のことを長編作家と位置付けていらっしゃいますが、短編小説も定期的に発表。また、アメリカ文学の翻訳も多く手掛けています。

村上春樹は難しい?

「村上春樹の作品は難しそう」「敷居が高い」「一度読んでみたけれど挫折した」。そんな方もいらっしゃるでしょう。ご安心ください。たくさんの作品を執筆している村上氏の作品の中には、面白いものや傑作がいくつもあります。今回は村上春樹ビギナーの方にもお勧めできる作品をご紹介します。後半は作品一覧も用意していますので、ぜひチェックしてみてください。

村上春樹初心者におすすめの短編小説

通勤通学時に読める『レキシントンの幽霊』

村上春樹初心者の方に、まずおすすめしたいのは短編小説。上述のように村上氏はご自身のことを長編小説家と自認されていますが、短編小説もかなりたくさん書かれています。短い時間で読むことができるので、小説を読みなれていない方でも気軽に手に取ることができるのではないでしょうか。1996年に出版された『レキシントンの幽霊』は、"孤独"が通底したテーマになっています。

面白いと思えるお話を見つけたら

『レキシントンの幽霊』には全部で7つの短編小説が収録されています。面白いと思える作品が1つか2つ、見つけられるはず。『沈黙』を面白いと思った人は、長編の『ねじまき鳥クロニクル』を読んでみては?『七番目の男』を面白いと思った人には長編の『アフターダーク』や『1Q84』もおすすめです。

通勤通学にもおすすめの短いお話『象工場のハッピーエンド』

イラストレーター・安西水丸氏との共著

1983年に出版された村上春樹氏2冊目のショートショート集『象工場のハッピーエンド』。短編小説よりも短いお話が14本収録されています。さらっと読める作品が多いので、通勤や通学のお供にもおすすめ。イラストレーター・安西水丸氏との共著になっていて、大人の絵本といった趣も。この作品が春樹・水丸の初タッグとなりました。

超短編に見せる"面白い村上春樹"

『象工場のハッピーエンド』は1986年に文庫され、巻末に「画家と作家のハッピーエンド」という村上春樹氏と安西水丸氏との対談が新しく収録されました。さらに、1999年には単行本で新装版が出ています。こちらには新たに「にしんの話」とお二人によるそれぞれのあとがきがプラスされました。村上氏の超短編やエッセイは非常にユーモラス。どっしりとした長編とは全くトーンが異なります。

謎解きに触れてみては?『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

発売がニュースにもなった2013年の作品

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』は2013年に発表された長編小説。村上春樹氏の長編作品は上下巻や3冊にわたる長いものと、1冊に収まるものと2つのタイプがあり、こちらは後者。初めて村上作品の長編に挑戦しようという方にもおすすめです。

分析読みも楽しめる長編

ストーリーは高校時代中の良かった5人組が、突然苗字に色名を持たない主人公・多崎つくるを排斥したことの謎を解明していく、というもの。赤・白・黒・青の4色は色彩心理学的に分析しても楽しめます。友人に理由もわからぬまま避けられた主人公が死の淵に近づいたとき出会う謎の男や、大学で知り合った友人も苗字に色名がついていたりと村上ワールドも堪能できる作品です。

2つの世界が語られる『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』

1985年出版の傑作

続いてご紹介する『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』は文庫本で2冊になっている長編小説。雑誌の企画で、ピースの又吉直樹さんもおすすめしていた作品です。"世界の終わり"と"ハードボイルド・ワンダーランド"という2つの世界がパラレルに展開していくスタイルが斬新。結末の落としどころも含めて、村上作品の傑作と言えるでしょう。

30代で多少ひねくれていれば骨のある作品も読みたい。それならこれ。僕は“めちゃめちゃおもろい”って、興奮しながら読んだ。

雑誌『ダ・ヴィンチ』の企画「ピース又吉がセレクト! 初心者におすすめの村上春樹作品」にて、又吉直樹氏が村上春樹氏の作品をおすすめしています。

”村上春樹”ワールドは面白い

計算士として働く主人公がいる"ハードボイルド・ワンダーランド"には、「やみくろ」「ピンクの女の子」など、後の村上作品につながるキャラクターが登場します。壁に囲まれた静かな場所"世界の終わり"では、さらに村上ワールドでおなじみのメタファーが散りばめられ、幻想的な異世界が描かれます。1985年に出版された本作品を村上文学の最高傑作とするファンが多いことにも納得の一冊。

15歳の少年が主人公『海辺のカフカ』

カラスという意味の名を持つ少年

2002年に出版された10作目の長編小説『海辺のカフカ』。単行本でも上下2分冊とボリュームのあるお話です。ファンの間でニュースになったのは、主人公が15歳の少年であること。これまでの村上作品では20代から30代の「僕」が主人公だったので、大きな驚きとともに新たな村上ワールドの幕開けとして歓迎されました。主人公である田村カフカは、チェコ語でカラスという意味。もちろんチェコの偉大なる作家フランツ・カフカにもかかっています。

29もの言語に翻訳された傑作

『海辺のカフカ』は、上でご紹介した『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』のように、章ごとに中心人物が入れ替わっていく形式。主人公の1人が15歳の田村カフカ。もう1人の主人公は猫と話ができるナカタさんという老人です。2つのストーリーが少しずつ重なり合いながら結末へと向かっていくのですが、読み進めるうちにどんどん物語に引き込まれていくことでしょう。

月が2つある世界のお話『1Q84』

2009年年間ベストセラー総合1位がニュースに

2009年5月にBOOK1とBOOK2が出版され、翌2010年4月にBOOK3が出版された全3冊の長編小説『1Q84』。予約の段階で異例のベストセラーとなりニュースに取り上げられ、実際に出版されると2009年の総合1位と2010年の年間ベストセラー総合5位にランクインしたことでも話題となった作品です。冒頭に描かれたヤナーチェクの「シンフォニエッタ」も再び注目されました。また、本作は31の言語に翻訳されています。

出会い、離れ、探す

『1Q84』というタイトルから、読書家ならジョージ・オーウェルの『1984年』を連想するでしょう。オーウェルの「ビッグ・ブラザー」に対して本作では「リトル・ピープル」が登場するなど対比できるポイントがいくつもあります。また、ある宗教団体が重要な役割を果たしているので、地下鉄サリン事件の影を感じる方もいるかもしれません。

主人公の青豆と天吾が孤独だった10歳の頃の思い出をそれぞれ心に残しながら、月が2つある現実とは微妙にずれた世界に入り込む壮大なストーリーは、まさに傑作と言えるでしょう。2人が出会い、離れ離れとなり、再び探し求めるお話を軸に、さまざまな出来事が魅力的に描かれていきます。

ベストセラー作家誕生のきっかけとなった『ノルウェイの森』

ファンタジーが苦手な方には唯一のリアリズム小説がおすすめ

海外でも評価の高い村上春樹氏の作品は、ファンタジーの要素が強いものが目立ちます。異世界や人外のキャラクター、理屈では説明できない不思議なできごとなどが村上ワールドには欠かせません。けれど、そういったファンタジー要素がどうしても苦手、という方もいらっしゃることでしょう。

そんな方には、村上作品の中で唯一のリアリズム小説『ノルウェイの森』をおすすめします。爆発的ヒットとなり人気作家の地位を確立した記念碑的作品でもありますが、村上氏は本作以降、同じ傾向の作品を書いていないという点でも貴重な1作といえるでしょう。

2010年には映画化も

1987年に出版された『ノルウェイの森』。主人公の「僕」と高校時代の親友の恋人であった「直子」、大学で出会った「緑」の3人を中心にした恋愛小説です。2010年には松山ケンイチ氏が「僕」を演じ、「直子」を菊地凛子氏、「緑」を水原希子氏が演じ映画化もされました。

期待が高まる『騎士団長殺し』

村上春樹氏の7年ぶりの新作長編小説として話題になっているのが『騎士団長殺し』。第1部と第2部が2017年2月に出版予定。予約の段階ですでにベストセラーの兆しが見える新作に、期待が高まっています。

じっくり読みたい長編小説作品を一覧でご紹介!

すでに何度もご紹介していますが、村上春樹氏はご自身を長編小説作家と自認されています。村上氏の長編小説には、くりかえし同じモチーフが描かれる点もファンにはたまらない魅力の1つ。しかし、作品のテーマは作を重ねるにつれどんどん重厚になっていきます。ここからはまだご紹介していない長編小説を出版年順に一覧にしていきましょう。

デビュー作から時系列に読みたい方には『風の歌を聴け』

作家の小説は時系列に読みたい!という方は、デビュー作『風の歌を聴け』をどうぞ。1979年に出版された本作は第22回群像新人文学賞受賞作。この時点で、村上氏は学生時代に始めたジャズ・バー「ピーター・キャット」を経営中でした。深夜キッチンのテーブルで書き上げた作品です。

"青春三部作"の『1973年のピンボール』と『羊をめぐる冒険』

デビュー作の『風の歌を聴け』、翌1980年に出版された『1973年のピンボール』、そして1982年に出版された『羊をめぐる冒険』は、3冊合わせて"青春三部作""「僕」と鼠の三部作"などと称されている初期の作品。これらは、登場人物が共通し、ストーリーもリンクしています。それぞれ2016年にKindle版も登場しました。

初期の締めくくり『ダンス・ダンス・ダンス』

初期作品にも登場した"羊男"が本作にも登場します。そのため本作までを初期4部作とする場合も。そして、『ダンス・ダンス・ダンス』は村上作品にしては珍しくハッピーエンド。ここからまた、新たな作品へと力強く向かう村上氏の姿勢を感じます。

喪失からのコミットメント

初期の三部作では「喪失」がテーマになっていましたが、1988年出版の『ダンス・ダンス・ダンス』では、喪失してしまったものと再びつながりたいという意思が描かれています。その点で本作は村上春樹氏の転機とも称されているのです。

1992年『国境の南、太陽の西』

1992年に出版された『国境の南、太陽の西』の主人公は上品なジャズ・バーを経営しています。作者の村上氏自身も学生時代から10年ほどジャズ・バーを経営していました。何不自由ない暮らしをしている主人公が、孤独だった少年時代に唯一わかりあえた島本さんと偶然再会するところからストーリーが動き出します。

作中に流れる「Pretend」

作品中にはジャズのナンバーをはじめ、アメリカの懐かしきポップ・ソングが登場します。ナット・キング・コールの「Pretend」も「僕」と島本さんがたびたび聴く場面が描かれています。一度失ってしまった島本さんに対する「僕」の気持ちは、切なくも苦しいもの。それでも繰り返し読みなおす方が多い本作は、村上氏の傑作恋愛小説と言えるでしょう。

繰り返し描かれてきた巨悪な暴力との対峙『ねじまき鳥クロニクル』

1994年と1995年に続けて刊行された『ねじまき鳥クロニクル』は全3冊の大長編。それぞれに「泥棒かささぎ編」「予言する鳥編」「鳥刺し男編」とサブタイトルがつけられています。この作品の中で、村上氏は今までにもくりかえし取り上げてきた"悪"に迫ります。1997年には文庫され、2002年には単行本・文庫本合わせて227万部の売り上げに達したベストセラー。

いなくなった妻を探して

『ねじまき鳥クロニクル』のメイン・ストーリーは主夫である「僕」が失踪した妻を探す物語。そこには村上ワールドにおける"悪"の象徴的存在「綿谷ノボル」が絡んできます。これまでの作品に登場した「加納クレタ」や「トニー滝谷」なども出てくるので村上ファンにはたまらない1冊に。近現代史に関わるノモンハン事件もモチーフの1つになっていることが話題になりました。

2人の女性と1人の男性のラブストーリー『スプートニクの恋人』

1999年に出版された『スプートニクの恋人』は、22歳の「すみれ」が17歳年上の「ミュウ」と激しい恋に落ちるストーリー。大学で「すみれ」と出会った「僕」は、失踪した「すみれ」の手がかりをつかむため「ミュウ」に会うためギリシャの島へ行きます。一瞬の流れ星のように交差する人と人との関係、埋められない絶対的な孤独、深い喪失感。村上作品で繰り返し描かれてきたモチーフが美しく散りばめられています。

都会の一夜を描く『アフターダーク』

2004年に出版された『アフターダーク』は、23時56分から6時52分までの都会の一夜が描かれた長編小説。2006年に文庫化されています。この作品は視点が次々に変わっていくほか、第三者的カメラ・アイが「私たち」として描かれていく実験的手法がとられていることも話題になりました。1人の女の子が夜を潜り抜けていくストーリーは、海外でも高評価を得ています。

手軽な短編小説のおすすめ作品一覧

村上春樹氏は、短編を書くときに一気にまとめて書く手法を取ることが多いそうです。その中で、新しい文体やアプローチの実験を試みるのだそう。長編小説は書き下ろしが基本の村上氏ですが、短編小説は雑誌に掲載されたものなども含まれています。

キレキレな初期の短編集『中国行きのスロウ・ボート』

1983年に出版された村上春樹氏の処女短編集『中国行きのスロウ・ボート』。単行本の表紙は安西水丸氏が担当しました。都会的でおしゃれな文体や会話が楽しめる7つの作品が収録されています。『午後の最後の芝生』は特に人気の高い1作。

伊勢丹の会員誌に掲載された作品を収録『カンガルー日和』

1983年に出版された『カンガルー日和』。こちらの表紙はイラストレーター・佐々木マキ氏が担当。佐々木氏とのタッグも何冊もあり、よく知られていますね。全部で18の作品が収録されていますが、前週収録時に大幅に加筆改定されたものが多くあります。収録作『4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』は映画化もされました。

切ない7つの物語『螢・納屋を焼く・その他の短編』

1984年に出版された『螢・納屋を焼く・その他の短編』。収録されている『蛍』は後に長編小説『ノルウェイの森』へと展開しました。読み比べてみてもいいですね。

実際に見聞した話をスケッチした『回転木馬のデッド・ヒート』

1985年に出版された『回転木馬のデッド・ヒート』は9つの短編小説が収録された短編集。人生をメリーゴーランドになぞらえたスケッチが新鮮です。

長編への萌芽『パン屋再襲撃』

1986年に出版された『パン屋再襲撃』。すべて別々の雑誌に掲載された作品が6編収録されています。短編というにはやや長いボリュームであることや、後に長編になっていく作品もあり、興味深い1冊といえるでしょう。

1990年に出版された短編集『TVピープル』。6つの少し長めの作品が収録されています。村上春樹の新境地が描かれた意欲的な実験作です。

阪神大震災を経て書かれた『神の子どもたちはみな踊る』

2000年に出版された『神の子どもたちはみな踊る』には「地震の後で」というサブタイトル付きで雑誌に掲載された作品に書き下ろしを加えた全6作を収録。『タイランド』と『蜂蜜パイ』は女性の支持が高い作品です。

週に1本のペースで書かれた『東京奇譚集』

2005年に出版された『東京奇譚集』には5つの作品が収録されています。1週間に1本というハイペースで書かれたそうですが、どの作品もしっかりと村上ワールド。全体を貫くテーマは悪しきものや理不尽な運命を受け入れること。実直に生きる人々の姿が描かれています。

単純なようで奥が深い村上ワールド『女のいない男たち』

2014年に出版された『女のいない男たち』。全6作の主人公はみな男性で、さまざまな理由で妻や恋人に去られたり去られそうになったりしています。長編に比べると、物足りなさを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、テクニカルな文体とどこか不思議な異世界のムードが展開する村上ワールドは健在。特にラストの『木野』は一読をおすすめします。

一覧で見る超短編・ショートショート作品

糸井重里との共著『夢で会いましょう』

短編小説よりもさらに短い作品を「超短編」「ショートショート」「掌編小説」などと呼びます。村上春樹氏には何冊か、そうした短い作品をまとめた書籍がありますが、こちらの『夢で会いましょう』はコピーライター・糸井重里氏との共著。出版は1981年で、糸井氏が時代の寵児として活躍されていたころです。1986年に文庫化されるにあたり、村上氏のいくつかの作品の入れ替えがありました。

36の短い小説『夜のくもざる』

村上春樹氏とイラストレーター・安西水丸氏の共著となる超短編小説集『夜のくもざる』。アパレル・ブランドのプレスのために書いた文章と、万年筆メーカーのために雑誌に書いた文章が収録されています。シュールで不思議な世界がさらりと描かれ、時おりクスリと笑わされる……。リラックスタイムにおすすめの1冊です。

回文を集めた『またたび浴びたタマ』

2000年に出版された『またたび浴びたタマ』。タイトルからしておわかりのように、上から読んでも下から読んでも同じ"回文(かいぶん)"が集められた本です。それぞれの回文に短いお話がつき、魅力的な挿画はイラストレーターで漫画化でもある友沢ミミヨ氏の作品。村上氏がかなり熱中して作られたという回文がユニークです。

”村上かるた”として『うさぎおいしーフランス人』

2007年に出版された『うさぎおいしーフランス人』は、「犬も歩けば棒に当たる」でおなじみの”犬棒かるた”に対抗して”村上かるた”なるものを作りたいという村上春樹氏の野望が実現されたもの。かるたの句にショートショートがついています。安西水丸氏のイラストが華を添えて。

紀行文・ノンフィクション作品の一覧はコチラ

3年間の異国生活を描いた『遠い太鼓』

村上春樹氏は海外を旅する紀行文も手掛けています。1990年に出版された『遠い太鼓』に描かれているのは、上述した『ノルウェイの森』と『ダンス・ダンス・ダンス』を執筆していた3年間の異国生活。イタリアとギリシアを中心に、作家の孤独と自由を感じながらの生活を知ることができます。

ギリシャとトルコへの旅『雨天炎天』

1990年に出版された『雨天炎天―ギリシャ・トルコ辺境紀行』は村上春樹氏の2冊目の紀行文。こちらはギリシアとトルコの分冊ボックス版として出版されましたが、1991年の文庫化では1冊に。

7年間の7つの旅『辺境・近境』

3冊目の紀行文は、1990年から1997年の7つの旅の様子がつづられた『辺境・近境』。アメリカやモンゴルのほかに、山口県や香川県、神戸などの国内旅行も含まれています。

ウィスキーを巡る旅『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』

『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』に収められているのはウイスキーを巡るアイルランドの旅。アイルランドのウイスキー工場はもちろん、小さな町のパブやレストランについての描写が静かに落ち着いて語られています。

オリンピックのルポルタージュ『シドニー!』

2001年に出版されたシドニー・オリンピック観戦記『シドニー!』。2004年の文庫化で2冊に分冊されました。長年にわたり毎年フルマラソンを走り続けている村上氏がアトランタ・オリンピックの有森裕子選手の視点で描いた文章からはじまり、ニューヨーク・シティ・マラソンに出場した有森選手へのインタビューで終わる構成もお見事。

仲良し三人組の紀行文『東京するめクラブ 地球のはぐれ方』

編集者・都築恭一氏と元スタイリストの文筆家・吉元由美氏、そして作家・村上春樹氏の仲良し3人組が名古屋、熱海、江の島といった絶妙な観光地へ。特別編としてハワイとサハリンという対極の地へも旅しています。イラストはおなじみ安西水丸氏。

2015年に出版された『ラオスにいったい何があるというんですか?』

2015年に出版された『ラオスにいったい何があるというんですか?紀行文集』は、ボストン、アイスランド、ミコノス島、フィンランドとさまざまな土地への旅が描かれています。タイトルにもなったラオスはもちろん、国内では熊本への旅も収録。電子書籍版は写真が増えています。

対談集・インタビュー作品ならコチラの一覧を参考に

村上龍との対談集『ウォーク・ドント・ラン』

同時代の作家・村上龍氏との対談集『ウォーク・ドント・ラン』は1981年に出版されました。対談は1980年に2回にわたって行われたのですが、この年は龍氏の傑作長編『コインロッカー・ベイビーズ』が出た年。対談の中にも作品についての会話が収録されています。残念ながら現在は絶版中。古本屋さんなどで探してみては?

心理学者との対談集『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』

1996年に出版された『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』。村上春樹氏が日本を代表する心理学者・河合隼雄先生と対談しています。対談が行われたのは1995年の11月。1995年は、阪神淡路大震災とオウム真理教による地下鉄サリン事件が起こった年。この2つの出来事に村上氏が受けた衝撃や「物語」の持つ力などが語られています。

翻訳家・柴田元幸との対談集『翻訳夜話』

村上氏が”盟友”とも呼ぶ翻訳家の柴田元幸氏との対談集は新書になっています。東京大学で行われていた柴田氏の翻訳ワークショップ、翻訳学校の生徒を対象にした対談などが収録されています。2000年に出版されました。

3年後に続編も出版

2003年に出版された続編が、こちらの『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』。同年に村上氏がサリンジャーの不朽の名作『キャッチャー・イン・ザ・ライ(ライムギ畑でつかまえて)』を新しく翻訳したことが契機となっています。

村上春樹のインタビュー集『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』

2010年に出版された『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011』。タイトルにある通り、1997年から村上氏が受けた国内・国外のインタビュー記事をまとめたものです。2012年の文庫化に伴い、2011年のインタビューを加え全19本が収録されています。

世界的指揮者との対談『小澤征爾さんと、音楽について話をする』

2011年に出版された『小澤征爾さんと、音楽について話をする』は、世界的指揮者である小澤征爾氏と村上氏がクラシック音楽をテーマに対談されています。”マエストロ”と呼ばれる小澤氏の貴重な経験や、プロの音楽に対する姿勢などが語られている対談集です。

軽妙洒脱なエッセイも大人気

これまでフィクションとノンフィクション双方の村上作品をおすすめしてきましたが、村上氏はエッセイも多く手掛けています。フィクションとはまた違った軽妙洒脱な味わいが楽しめるエッセイも大人気。22冊のエッセイが出版されていますが、アメリカ生活を描いたものや趣味のジャズをテーマにしたもの、雑誌「an-an」の連載をまとめたものなど、それぞれ切り口語り口の違いも楽しめます。

エルサレム賞・受賞のあいさつが収録された『雑文集』

そんなライトな村上氏のエッセイの中で、2011年に出版された『村上春樹雑文集』には、2009年にエルサレム賞を受賞した際に行われたスピーチ「壁と卵」が掲載されています。雑誌『文芸春秋』でのインタビュー記事の中でも掲載されていたものですが、改めて読むと心に響きます。表紙は、村上作品の挿画を数多く手掛けた和田誠氏と安西水丸氏の共作。

読まず嫌いはもったいない!

村上春樹氏は新作が出るとニュースになる稀有な作家のお1人。ベストセラーを連発していることや社会現象にまでなっていることなどから、読まず嫌いの方もいるかもしれませんが、ぜひ手に取ってみてください。読書をあまりしない方はショートショートや短編からはじめてみませんか。深く豊かな村上ワールドを楽しめるはずです。

もっと村上春樹の情報を知りたいアナタに!

Thumb村上春樹の名言まとめ!ノルウェイの森や海辺のカフカの名セリフも!

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