別居中の生活費の相場!いくら請求可能?婚姻費用分担義務って?

パートナーとの同居に耐えきれなくなったら、別居が検討の対象に。しかし、感情のおもむくままに家を飛び出してしまうのはダメ。特にパートナーの収入に頼って来た方にとっては別居中の生活費をどう賄うかは重要な問題です。そこで今回は別居中の生活費を徹底分析します。

別居中の生活費の相場!いくら請求可能?婚姻費用分担義務って?

目次

  1. 別居に追い込まれた夫婦…生活費はどうする?
  2. 別居後の生活費が心配で泣き寝入りしてきた人も…
  3. 子どもがいると別居後の生活費はより深刻に…
  4. 別居するなら生活費(婚姻費用分担)を請求できる!
  5. 別居中の生活費=婚姻費用分担請求とは
  6. 別居中であっても遠慮なく生活費を請求しよう!
  7. 別居中の生活費「婚姻費用分担」の相場は?
  8. 別居中の生活費はいつまで請求できるの?
  9. 婚姻費用算定表で別居中の生活費を計算しよう
  10. 【まとめ】婚姻費用の分担は義務であり権利です!

別居に追い込まれた夫婦…生活費はどうする?

芸能界ではゲス不倫がたびたび取り上げられていますが、一般人の結婚生活も順風満帆というわけにはいきません。不貞行為はもちろんのこと、様々な理由で距離を置きたくなることが出てきます。

パートナーとの性格の不一致や、体の相性が合わなくなる、金銭感覚が受け入れられないなどその理由は様々です。家庭内別居ですませられるならそのほうがお互いに負担は少なくて済むのですが…

不貞行為などが発覚すれば「相手の顔を見たくない」「相手と同じ空気を吸いたくない」など嫌悪感が出てきます。そうなれば「別居」を選択することになります。

別居後の生活費が心配で泣き寝入りしてきた人も…

別居を選択すると問題になるのが生活費です。自分が家計を支えていて、それで別居するなら、生活費の不足で困ることはありません。しかし、それが逆なら問題です。

夫婦の結婚生活のスタイルによっては一方が稼ぎ、一方が家事をすることもあるはず。家事専業であった貴女が家を出たら、途端に経済的に苦しくなってしまいます。

生活費不足が心配でパートナーの専横やDV、モラハラに耐えている人も少なくありません。家計を支えているという一点において、稼いでいる側の不貞行為などは耐えるべきなのでしょうか?

子どもがいると別居後の生活費はより深刻に…

「別居しても自分一人が生活するぐらいならパートでも何とかなるのではないか…」と思う人もいるかもしれません。確かに、一人暮らしをする程度であれば、パートのお給料も何とかなるでしょう。

しかし、子どもがいれば話は別です。子どもの塾代をどうするか、子どもの教育費をどう賄うか、子どもの食費・学用品費…経済的な心配は後から後から出てきます。

子どもとは離れたくない…だけど別居後の生活費が心配……という心の葛藤の中で、別居を諦め、同居に耐えている人も世の中にはたくさんいることと推察します。

しかし、本当に子どもがいれば、同居を続けなければならないのでしょうか?パートナーの不貞行為や不本意な性行為の強制、金銭感覚の欠如に耐えなければならないのでしょうか?

別居するなら生活費(婚姻費用分担)を請求できる!

そんなことはありません。夫婦には同居の義務がありますが、それはあくまでも建前上のこと。パートナーが相互扶助の義務を果たさないのであれば、別居もやむを得ません。

「勝手に自分から別居を申し出たのだから、相手に生活費なんか請求できないのでは…」と思う方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。

主として家計を支えてきたのがパートナーであれば、別居後であっても、相手に生活費を請求することができるのです。そして相手はこの生活費を支払わなければならないのです。

以下では、別居後の生活費である「婚姻費用分担」について詳しくご説明します。請求できる生活費の相場はいくらなのか、婚姻費用分担はどのように申し出れば良いのかなどをご説明します。

別居中の生活費=婚姻費用分担請求とは

離婚をしていない限り別居をしたとしても夫婦は夫婦です。夫婦が共働きで生活費を同レベルの収入を得ているなら、別居に伴う経済問題は発生しません。問題が発生するのは、夫が生活費を稼ぎ、妻が家事を担っていた夫婦の別居です。

「片働き夫婦」が別居してしまった場合、一般的には妻が経済的に苦しくなります。「別居=生活苦」を恐れて、夫の横暴に耐え、別居を躊躇する女性が後を断ちません。しかし、そのような我慢をする必要はないのです。離婚をしない限り、夫婦は夫婦だからです。

夫婦である限り、生活費を稼いでいる夫は別居した妻に一定額の生活費を支払わなければなりません。なぜなら妻の生活費を賄うのが、片働き夫婦における夫の責務だからです。もちろん、妻は家事を放棄していますので、半額を渡してくれることはありません。

しかし、過去の判例などから別居中であっても、妻は一定額を夫に請求する権利があるのです。これを婚姻費用分担請求といいます。もし子連れで別居したなら、子どもの分も含めて別居中に夫に生活費、教育費、医療費などを請求することができます。安心して別居に踏み切りましょう。

別居中であっても遠慮なく生活費を請求しよう!

婚姻費用の分担について夫が冷静に理解し、必要性に同意し、ガイドラインに沿った金額を負担してくれれば問題なく別居生活を送れます。しかし、そんな別居夫婦は稀です。ほとんどの夫は家を飛び出した妻に怒り狂っているからです。

感情的になっている夫から婚姻費用を円滑に徴収することは困難です。しかし、婚姻費用が支払われないと専業主婦だった妻は生活が成り立ちません。特に子連れ別居の場合、その影響は深刻です。早急に事態を解決しなければなりません。

解決手段として妻が取れる行動は「婚姻費用分担請求」です。地元の家庭裁判所に赴き、調停の申立を行いましょう。必要書類は家庭裁判所に準備されています。書き方がわからない場合は、裁判所の事務員が丁寧に教えてくれますので安心してください。

「調停を起こしたらさらに夫が逆上するのではないか…」と思う必要はありません。婚姻費用を分担したくなければ、夫が離婚を申し出れば良いだけです(妻は財産なども分与してもらいますが)。離婚に同意しないのであれば、夫は婚姻費用を支払わなければならないのです。

申し立てを行う自信がなければ、弁護士を代理人として申し立てることもできます。しかし、調停は裁判と異なり、申立人である貴女が裁判所に出向く必要があることは記憶しておいてください。ただし、夫とは顔を合わせることはありませんので安心してください。(最終回だけは顔を合わせますが…)

調停はどうしても時間がかかる手続きです。半年から1年ほどかかる可能性があります。そんなに生活費を止められたら命に関わるというほど逼迫している場合は、仮処分の申請を行ってください。これは調停結果が確定する前に、生活費を仮払いさせるよう、調停委員に求めるための手続きです。

調停前の仮処分申請は、残念ながら、裁判の判決のように、強制力のあるものではありません。しかし、正当な理由もなく支払わなければ、過料(罰金のよなもの)の支払いを夫は命じられますし、調停上の心証もこちらに有利に働きます。実効性の有無は別にしても、申し立てる意義はあります。

別居中の生活費「婚姻費用分担」の相場は?

婚姻費用分担の額は法律的にいくらと決まっているわけではありませんが、家庭裁判所の統計によれば月額4~15万円が相場のようです。婚姻費用分担の決定要素にはいくつかのポイントがあります。

相場の決定要因:婚姻関係の破綻の有責割合

どれだけの婚姻費用が認められるかについては、夫婦ごとに異なり一概には言えません。最も大きな影響を及ぼすのは、夫婦の収入差ですが、ここでは妻の収入がゼロという前提で考えていきましょう。

夫が全ての生活費を稼いでいるわけですが、別居した妻が家事などの生活扶助義務を放棄していますので、その点は減額要因であると考えてください。したがって、夫の収入の半額を手に入れることは不可能です。

また、婚姻費用の算定に大きな影響を及ぼすのが婚姻関係の破綻原因をつくったのがどちらにあるかです。夫の不貞行為や暴力が破綻原因なら増額要因になります。逆に夫に特別な落ち度がなく、妻の不貞行為などが明らかな場合は大幅に減額されることを覚悟しましょう。

相場の決定要因:当事者の収入バランス

上でも述べたように、婚姻費用の決定要因として重要なのは夫婦の収入のバランスです。例えば夫が浪費家で、自分の収入のほとんどを使い尽くしているとしましょう。残っているお金はほとんどありません。とても婚姻費用を支払う余裕がないとします。

婚姻費用の分担額を決定する際、そのような事情は全く考慮されません。考慮されるのは夫の収入がいくらで、妻の収入がいくらか、ということです。夫に余裕がなくても、妻に収入がない場合、夫には婚姻費用を分担する必要があります。

相場の決定要因:就労や家事労働

もちろん、別居したのの妻の意志であれば、妻にも生活費を稼ぐ努力が求められます。子どもが保育が必要な小さい子どもだったら話は別ですが、子どもが小学校高学年以上であれば、妻にも労働が求められます。

別居して夫の家事は全くしない上に、子どもが大きいのに働きもしないようであれば、「努力不足」と判断され、婚姻費用が減額される可能性があります。別居した妻は権利があることだけに執着するのではなく、自活に向けた自助努力を求められるということです。

別居中の生活費はいつまで請求できるの?

夫婦の間に出来た溝の深さにもよりますが、妻が「別居を解消してもいいかな…」と思えるまでにかなりの時間を要する場合があります。例えば不貞行為が原因で妻が別居した場合、夫が悔悛の姿勢を示し、以後は妻がGPSで追尾できるようにしていい…などの反省の姿勢を示せば、別居は早めに解消するかもしれません。

しかし、夫が自分の非を認めない場合は、別居は長期間に及びます。別居期間が長引いたとしても、婚姻費用は婚姻関係が修復し、同居が再開されるまで、もうしくは婚姻関係が破綻し、完全に離婚するまで夫は支払わなければなりませんし、妻は請求することが可能です。

婚姻費用算定表で別居中の生活費を計算しよう

婚姻費用の金額は様々な事情の影響を受けて決定されるので、「これぐらいもらえますよ」ということがはっきりと断言できないというのが実情です。しかし、別居する妻の「目安がわからないと、別居に踏み切れない」という気持ちもわかります。

そこで東京と大阪の裁判官が過去の判例などを元に作成したのが「婚姻費用算定表」です。これは夫婦の収入差と、妻が別居した場合、妻が連れ出した子どもの年齢と数によって婚姻費用を算定するものです。その他の条件(婚姻関係破綻の原因など)を無視していますので、正確な金額とはなりえませんが、ある程度の目安になります。参照し、参考にしてください。

■裁判所|養育費・婚姻費用算定表

【まとめ】婚姻費用の分担は義務であり権利です!

いくら婚姻費用の分担が相手にとって義務であり、自分にとって権利であるとはいっても、顔も見たくないパートナーと交渉し、請求するのは嫌なものです。

もちろん子どももいなくて、相手に生理的嫌悪感を抱いている場合、自活できる見込みがあるなら婚姻費用の分担は請求しなくても良いかもしれません。

しかし、大切な子どもを連れて出た場合、いくら嫌なパートナーであっても、子どものために婚姻費用の分担を請求しましょう。夫婦の不和は子どもには罪のないことです。

子どもの生育に支障を来さないためにはどうすれば良いか、を第一に考えて行動してくださいね!

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