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仮面夫婦の意味と特徴とは?離婚も修復もしない原因と子供への影響は?
仮面夫婦とは、お互い不満があるにも関わらず、それを隠して夫婦生活を続けている夫婦の特徴をさします。夫婦仲は、子供が人間関係を築く上で最も基本的なモデルとなります。仮面夫婦の意味や特徴、子供への影響を考えながら、改善策をご紹介します。

目次
仮面夫婦の意味とは?
仮面夫婦とはどんな意味でしょうか。お互いに、もしくはどちらか一方が不満を持ち、実際の二人の関係は冷えきっているにもかかわらず、形式上は夫婦を続け、まるで仮面をかぶったような夫婦のことを意味します。
年月がたつにつれて、夫婦の関係や夫婦であることの意味が変化していくのは当然です。ですが、相手への興味もなく、一緒にいても苦痛だといった特徴の仮面夫婦の関係は、いずれ問題が出てくるでしょう。
仮面夫婦の特徴
仮面夫婦とは、どのような特徴があるのでしょうか?・会話がない(要件だけ伝える)・お互いに関心がない・セックスレス・外では不仲を見せまいと努力する・夫婦二人でいるのが苦痛でたまらないなどの特徴が仮面夫婦の特徴としてあります。
仮面夫婦の割合
仮面夫婦はどの位の割合で存在しているのでしょうか。全国の20~49歳の既婚者200人(男女各100人)にアンケート調査をしたデーターを参考に見てみましょう。
「仮面夫婦だと思うか?」の問いに「とてもそう思う」と答えた人が10%、「どちらかといえばそう思う」と答えた人が17%。つまり3割近い人が「仮面夫婦」を自認していることになる。これは思いのほか高い印象だ。特に年齢が上がると「仮面夫婦」率は上がるようで、20~30代では23.5%だったのに対し、40代では29.5%に上る。
3割近い人が自分達夫婦を「仮面夫婦」と考えています。また「仮面夫婦」率は、年齢が上がる程高くなるという特徴が出ているようです。

仮面夫婦度チェック
仮面夫婦かもしれないと心配に思ったら、仮面夫婦度をチェックしてみましょう。会話がない(用件のみ伝達)、二人でいると苦痛だ、セックスレス、相手に不満があっても伝えずあきらめている、半年以上二人で笑いあっていない、家に帰るのが苦痛だ、触れられるのが嫌だと感じる、夫婦仲がうまくいっている様に過剰に他人に演出するなど、この様な特徴の中で5個以上当てはまっている人は仮面夫婦率が高いでしょう。

仮面夫婦になる原因は
結婚当初は、お互いに愛情いっぱいで、この生活がずっと続くと思っていたのに、何故この様な仮面夫婦になってしまうのでしょうか。
夫婦関係も年数がたつにつれて、妊娠・出産・子育てなど様々な状況が変化します。
特に子供が産まれると、夫婦が協力して育児をする必要性が出てきます。その為、独身だったころと、夫婦の意味も少しずつ変化してきます。子供を育てるという協力関係が夫婦である意味に加わるのです。関わりが密になり、価値観のずれを感じたり、お互いの嫌な面を見る機会も増えます。
そんな時、夫婦二人で話し合い、価値観をすり合わせていく作業が大切になってきます。ですが、仕事や家事・育児で疲れていたりすると、相手に向き合う事を億劫に感じ、相手と向き合う事を避けてしまう事もあるでしょう。
それが長い間続くと、相手への関心が薄れたり、相手へ何も求めなくなったりと夫婦としての絆が薄れていきます。そして形式上だけ夫婦という関係が残り、仮面夫婦を作り出します。

仮面夫婦であるのに修復しない理由
仮面夫婦を続けることは、夫婦にとっても、子供にとっても決して居心地の良い状態ではないはずです。なのにどうして、修復せずにその状態を続けているのでしょうか。
ここでは、理由として相手と向き合うのが負担だという事が挙げられます。夫婦関係を修復することは、日々の仕事や家事・育児などで疲れていると余計に、骨が折れる苦痛なことに感じるでしょう。また長年、仮面夫婦を続けていればいるほど、自分の気持ちを正直に話したり、相手を理解することは難しくなっていく為、なかなか修復する気持ちが起きないという理由があります。
仮面夫婦であるのに離婚しない理由
もう夫婦の関係は修復不可能だとわかっているにも関わらず、夫婦関係を続ける人には、いくつか理由があると考えられます。経済的理由、面倒くさいから、プライド、子供の為などここではいくつか理由を挙げてみます。
経済的理由
経済的理由は多くの人が考える理由でしょう。住居費や教育費、生活費など二人で今までまかなってきた夫婦にとって、今後一人でそれを負担していかなければならないとなると不安を感じるのも当然のことです。
面倒くさいから
離婚手続きや、周囲への報告など面倒な手続きや気が重くなることばかりだと考えると、新たな一歩を踏み出さず、そのままの状態にいたほうが楽だと思う人も多いでしょう。
プライド
離婚する事で会社や地域の人など、周囲からの評価が下がるのではないかと心配をしている場合も今の状態を変える事に積極的になれません。自分のプライドを守る為に、形式上だけの仮面夫婦を続ける事になります。
子供の為
離婚すると、子供はどちらかの親元を離れることになります。親にとってそれは辛い選択でしょうし、子供にとっても辛い選択となるでしょう。それを考えると離婚せず、このままの状態でいることが最善であると考え仮面夫婦を続けることとなります。
仮面夫婦を続けることで自分やパートナーへ与える影響
仮面夫婦を続ける事で、自分やパートナーにはどのような影響を与えているのでしょうか。これは自立する意思や人間関係を良好に築く自信、明日へ向かうエネルギーを失わせていると考えられます。それぞれの影響について考えてみましょう。
自立する意思を失う
自分はどのような人生を歩みたいのでしょうか。今の仮面夫婦を続けている状態は、自分の理想とする状態なのでしょうか?もし違うのであれば、自分の一度きりの人生をどう歩みたいのかを明確にし、夫婦関係を修復したり、離婚したりといった違うアプローチが必要となります。ですが、それをせずに、今の状態を続けている事は、自分の人生を自分自身の意思で歩むという自立する意思を失っている状態です。
人間関係を良好に築く自信を失う
夫婦関係は、人間関係の中で最も基本にある身近な関係です。その関係に問題があるにも関わらず、向き合わずに生活することは、他の人間関係を良好に築く自信を失う事に繋がります。
明日へ向かうエネルギーを失う
本来、家庭とは港のようなものです。港でエネルギーを蓄え、力をつけるからこそ外へ出港し元気に働いたり、家事や育児を前向きに行う事が出来ます。その港が常に不安定で、雰囲気の良くないものであったら、エネルギーを充電できる場所がありません。
仮面夫婦を続けることで、日々の生活を前向きにおくれなくなったりと明日へ向かうエネルギーを失ってしまいます。家族である事の本来の意味を満たしていない状態です。
仮面夫婦を続けることで子供へ与える影響
仮面夫婦を続ける事で、弱い立場にある子供には、どの様な影響を与えているのでしょうか。人と誠実に向き合う方法が分からない・安らげる場所がなく元気が出ない・信頼できる人間がおらず不安になる・自信を失うなどここでは子供の立場になって考えてみましょう。
人と誠実に向き合う方法が分からない
仮面夫婦は、お互いに誠実に向き合っていません。相手や自分の気持ちに対して知らない振りを続けたり、向き合う事をしないという特徴があります。そんな父親と母親をずっと見て育った子供は、人と誠実に向き合う意味や方法が分かりません。その様に育つと、友人関係や学校などでトラブルを起こしやすくなったり、子供自身、人間関係で悩む事が多くなるでしょう。
安らげる場所がなく元気がない
子供はまだ未熟であり、日々様々な問題に直面し自力で答えを見つけていく成長段階です。その様な時期に、家庭という安らげる場所がなければ、落ち着いて物事を考える事ができません。その様な日々を続けていくと子供は、精神的に疲れ、物事に立ち向かう元気がなくなっていきます。
信頼できる人間がおらず不安になる
仮面夫婦は、二人でいる時に心地よいと感じていません。会話やスキンシップがなかったりと、協力して良い空間を作り上げようとする事が出来ません。父親や母親が口に出さずとも、子供はその様なピリピリとした空気を感じています。そして父親、母親それぞれに気を遣います。そのような状態が続くと、信頼できる人間が身近におらず、不安な気持ちになります。
自信を失う
仮面夫婦の元で生活している子供は、ありのままの自分を出しにくい状況です。父親や母親の関係が良好ではないのを知っているので、トラブルを起こしたくないのです。その為、自分の気持ちに蓋をしめ、いい子を演じようとします。ありのままの自分を表現できずに育った子供は、このままの自分でいいのだという自己肯定観を持つことが出来ず自信を失います。
仮面夫婦を続ける人の根底にあるもの
仮面夫婦を続けるには、上記であげたとおり様々な理由がありますが、根底にあるものは何でしょうか。それは依存心です。夫婦関係が良好でないにも関わらず何のアプローチもしないというのは、様々な理由をつけ自ら行動を起こさないという選択を自らが下しているのです。
相手が変わらないから、相手がこんな事をするから、どんなアプローチをしても無駄だ、こういった理由は、全て相手のせいにして、自ら今のままの仮面夫婦の状態に依存しています。相手のせいにしながら、相手に依存した状態です。どんな結果になるとしても、自分はこんな夫婦になりたいという意思を持ち、今までの状況から一歩踏み出した自立した状態ではありません。
仮面夫婦を辞めるには
仮面夫婦を続ける事で、家族全員が様々な影響を受けます。心理的に受ける影響など見えないものへのマイナスの影響が強いのが特徴です。私達は、周囲の評価や、経済的な裕福さなど見えるものは守り、大切にしていこうとしますが、見えないものに対してはなおざりにしてしまいがちです。
ですが、人間の行動は、強い意志からスタートします。気持ちをなおざりにしたまま、生活することは、今は表面化していなくても、いずれ何らかの形で問題として表面化してきます。
仮面夫婦を辞めるには、今の状態が家族全員に、どのような影響を心理的に与えているかを考えましょう。そして、その影響が今見えなくても、将来どの様な形で問題となって表面化するかを挙げてみましょう。そうする事で、この様な好ましくない状態を辞める意思が芽生えます。仮面夫婦に依存している状態から、自らどの様な生き方をしたいかを考え歩みだし自立へと一歩踏み出すことが出来るのです。
仮面夫婦を辞めるアプローチ
自ら、より良い人生にしたいという自立心が芽生えたら、仮面夫婦を辞める為に行動を起こします。修復か離婚かのアプローチになりますが、その際は、後で後悔しない為にも、まずは修復する事から考えましょう。
結果、相手と意見が相容れなかったり、もう修復不可能だという事で離婚へと進む場合もあるでしょう。ですが、それはアプローチの失敗ではありません。自ら、より良い人生にしたいという自立心が芽生えた時点で、もう今までの自分ではないのです。自立心が芽生えた人は、より良い人生の為に自ら前へ進んでいくことが出来ます。
修復すると決めたら
仮面夫婦を辞める為に、夫婦の関係を修復すると決めたらどの様な方法があるか紹介します。修復しようとするとき、相手も自分と同じように二人の関係を良くしようと努力してくれるとは限りません。相手には、相手の考えやその時の状況があり、自分とは同じではないのですから当然のことです。焦らずに、相手も協力してくれるようになるまでじっくりと向き合い続けることが大切です。
この時に、相手の行動を良い悪いで評価するのはNGです。相手の感謝できる面を見つけそれを伝える事から始めましょう。
そうする事で相手も、夫婦で向き合う準備が出来てきます。また相手に感謝する事で自分自身も、相手から多くのものを実は受け取っていたのだと分かります。そして、よりこの夫婦関係を良くしていきたいという思いが強くなります。
離婚すると決めたら
仮面夫婦を辞める為に、離婚する事を選択した時、今後前向きに生活していく為には今回の事をどの様に捉えるのがいいのでしょうか。離婚という結論を出した場合、修復することが出来なかったという結果に落ち込む場合もあるかもしれません。
ですが、より良い自分の人生を生きる為に、仮面夫婦を辞めようと決意し一歩を踏み出したのですから、もう今までの自分ではありません。自ら人生を開拓していく力が芽生えています。より良い人生の為の一歩を踏み出せた自分を褒めてあげましょう。
子供にとって、はっきりさせる事は幸せなのか
離婚というはっきりとした結論を出した場合、子供も影響を受けます。その為、はっきりとさせることが幸せなのかを心配する人も多いでしょう。ですが、これは家族全員がより良い生活をおくる為にはどうすればいいかを前向きに考えた結果です。夫婦二人が出した結論を子供に話し、子供にも意見を言ってもらいましょう。そして皆が納得するまで話し合います。
子供もその様な話し合いの過程で、家族全員が誠実に向き合い出した結果だという事が理解できれば、たとえ初めから受け入れることが出来なくても徐々に受け入れる体制が整っていきます。
仮面夫婦から一歩踏み出してより良い人生をおくろう
ここまで仮面夫婦の意味や特徴、家族に与える影響などをご紹介しました。私達人間は、ずっと続けている事や、ずっと持ち続けている自分の感情を変える事を恐れます。それは今までのままでいた方が楽だからです。ですが、それらを続ける事で自分や家族に、どのような見えない影響があるのか、そして将来それがどの様に表面化するのか一度考えてみましょう。
すると今の状態を続けるべきか、変えるべきかが見えてきます。自分はより良い人生を生きることが出来る!そう自分を信じて一歩を踏み出してみましょう。そうする事でより意味のある夫婦関係や人生を歩む事が出来ます。