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煮洗いでタオルがピカピカに?煮洗いの方法・専用鍋・効果を徹底検証!
皆さん「煮洗い」って知ってますか?毎日の暮らしに洗濯は付き物ですが、花粉・梅雨・寒さなどで外に干せなかったり臭いや汚れが取れなかったりという問題も付き物です。そんな問題を解決してくれるのが煮洗いです。古くからの知恵を借りて暮らしの問題をすっきりさせましょう!!

目次
洗っても臭うタオルや衣類は菌や洗濯槽の汚れが原因!!
私たちの暮らしと切っても切れないものが"洗濯"ですよね。そして日々暮らしている中で、タオルを使わない日なんてないと言うくらいタオルは身近な洗濯物です。湿気の多い季節や部屋干しが多くなる季節に気になるのが何と言っても洗濯物の嫌な臭いです。酵母菌やカビ菌、モラクセラ菌などの菌が洗ったはずのタオルがなぜか臭う原因となっているようです。
細菌の他にも洗濯槽の汚れが洗っても洗っても臭いが取れない原因になってしまうこともあるようです。なかなか気付けない暮らしの片隅に原因が潜んでいるんですね。洗濯槽の洗浄の仕方もきちんとあるようなので気になる方は調べてみてください。
効果抜群!!先人に倣う洗濯「煮洗い」!!
そんな現代の暮らしの困ったを先人の暮らしの知恵に倣い解決しましょう。知恵は万代の宝と言いますがまさにその通りの洗濯方法を今回はご紹介したいと思います。その名も「煮洗い」です。なかなか耳にしたことのない洗濯方法かもしれませんね。その名の通り洗濯物を鍋で煮ることで除菌や殺菌、漂白を行う洗濯法です。
先人の暮らしの知恵は斬新で衝撃的だと感じるかもしれませんが、この煮洗いかなり効果が抜群の様なんです。高温で煮ることで臭いの元となっていた細菌が除菌、殺菌され、さらには煮洗いしたタオルは購入した時のふわふわ感も戻ってくるらしいです。今回のまとめではその煮洗いに適した鍋や酸素系漂白剤、重曹などを使った煮洗い方法をご紹介していきたいと思います。
煮洗いに必要な道具
鍋
煮洗いに最も必要な道具「鍋」です。バスタオルなども煮洗いしたい場合はお湯がたっぷり入るような大きさに余裕のあるものを選んでください。後々説明していきますが、使える鍋の種類に限りがあるのでご注意ください。
粉石けん
液体洗剤でも煮洗いは可能ですが、液体洗剤よりも洗浄力が高く煮洗いに向いていると言われる粉石けんを今回はお勧めしたいと思います。粉石けんとは「シャボン玉スノール」「ミヨシそよ風」「ミヨシ無添加衣類のせっけん」「安心生活」などの洗濯洗剤のことです。粉末合成洗剤とはまた種類が違うので購入の際はご注意ください。
酸素系漂白剤
消臭、漂白、除菌などに役立つ粉末タイプの酸素系漂白剤もあると便利です。この漂白剤に関しては、粉石けんと漂白剤を一緒に使うと漂白剤の効果が薄れるという説もあるため入れるか入れないかは各人にお任せします。
菜箸orトング
漂白剤や洗剤を使いますし、沸騰したお湯等も使うので菜箸やトングがあると火傷や肌荒れなどを避けることができます。
煮洗い専用鍋がある!?
煮洗いをするにあたって、煮洗いには使える鍋と使えない鍋があることを覚えておいてください。煮洗い専用の鍋があるというわけではありませんが、ここでは煮洗いに使える鍋と使えない鍋をご紹介します。
煮洗いに使える鍋
まず煮洗いに最適なのがホーロー鍋と言われています。酸性に強く、密閉率が高く、熱が逃げにくいという特徴があります。
そしてもう一つ煮洗いに使える鍋としてステンレス鍋も挙げることができます。ステンレス鍋もホーロー鍋と同じく酸に強く、熱持ちがいいそうなんです。食事用の鍋と一緒にするのは衛生的に良くないので、ホーロー鍋でもステンレス鍋でも煮洗い専用の鍋として1つ用意しておくといいかもしれませんね。
煮洗いに適さない鍋
先程の煮洗いに適した鍋と違ってアルミ鍋は傷や変形に弱く、また酸やアルカリにも弱いため変色や腐食の恐れがあるため煮洗いの際の使用は避けてください。
煮洗い向きの素材
綿
綿は丈夫で汗や水分をよく吸収します。そして保温性、耐熱性、耐洗濯性も高く、アルカリにも強いため、洗濯や漂白がしやすい素材なんだそうです。
麻
麻は摩擦に弱いため毛羽立ちやすく、白化しやすい素材です。そして色落ちしやすく、しわもできやすいようです。そのため洗濯機でぐるぐる強烈に洗濯するよりも手洗いの方がいいと言われています。この麻を干すときは濡れ干し、つまり水が滴るくらいのまま干すと水を吸った生地の重みでしわができにくくなります。
煮洗いに適さない素材
シルク
シルクは毛よりも軽く、光沢、感触も上品で保温力も優れています。しかしその一方で他の繊維に比べ、この摩耗強度が弱いため普通に着用しているだけでも知らず知らずのうちに摩擦が生じ、生地が切れてしまうこともあります。そして汗や日光などで脱色を起こしやすく、日光で黄変することもあるデリケートな素材なので手洗いは避けた方がいいです。
ウール
私たちの暮らしに良く浸透しているウールですが、保温性、伸縮性、撥水性に優れている一方で、毛玉や虫食い、水の影響を受けやすく洗濯には注意が必要な素材の1つです。
ウールは羊の毛です。毛の表面は人間のキューティクルに似たスケールで覆われています。水に濡れるとそのスケールが開き水分を吸い、揉み洗いなどをしてしまうとスケール同士が絡み合い固く縮んでしまうので煮洗いには向きません。
化学繊維
価格が安く加工の幅も広い化学繊維ですが、洗濯機を使用する洗濯の場合シワにならなかったり、型崩れもあまりしません。しかし原料が石油ということもあり高温で煮ると繊維が変質してしまうそうです。そのため煮洗いには向きません。マイクロファイバーも避けてください。
その他
その他使われている素材が分からなかったり、おしゃれ着などの縮んでほしくない伸びてほしくないと思う衣類や下着等は煮洗いを避けるようにしましょう。綿や麻のシャツや下着であってもシワになったり縮む場合があるのでその点はご了承の上煮洗いしてください。
煮洗いの方法解説その1
煮洗いしたいタオルがきちんと入る大きさのホーロー鍋またはステンレス鍋に水を入れ火にかけます。粉石けんは水に溶けにくいため、ぬるま湯程度になったら粉石けんを入れて菜箸等でかき混ぜ溶かします。粉石けんは温度が高いお湯に混ぜた方が効果があると言われますが、おまり温度が高いと粉石けんを入れた瞬間に鍋から噴出して火傷する恐れがあるのでご注意ください。
煮洗いの方法解説その2
煮洗いしたいタオルを入れきちんと浸かるように菜箸でかき混ぜたら、酸素系漂白剤を投入します。吹きこぼれないように注意しながら汚れの具合に合わせて弱火で10~30分程度煮ていきます。水や洗剤等の量の目安は下記を参照してください。
直径20cm、高さ13cmの寸胴鍋に、水3~5リットルと粉末の洗剤&酸素系漂白剤を各大さじ1杯入れてグツグツ
煮洗いの方法解説その3
煮終わったらお湯が冷めるまで放置してください。冷めたら菜箸やトングでタオルを桶やバケツに移します。水を吸ったタオルは重みがあるので菜箸を使う時は折れないように注意してください。
煮洗いの方法解説その4
桶やバケツに移したタオルを丁寧に水で揉み洗いします。粉石けんが残らないように良く揉み洗いしてほしいので丁寧過ぎるくらいがちょうどいいです。手での揉み洗いの他に洗濯機で洗うとしっかりすすげるかもしれません。
煮洗いの方法解説その5
良くすすいだタオルを日当たりが良く風通りの良い場所に干せば煮洗い完了です。煮洗いで臭いの元が殺菌されているので、梅雨や花粉が気になるときは部屋干ししても臭いません。
これが煮洗いの効果だ!!
こまめに洗濯して綺麗そうに見えていたタオルや布巾も煮洗いしてみると見たくなかった汚れがドバっと出てきます。なかなか落ちない臭いの元が落ちているのが見れて快感です。
頑固な汚れが残り、嫌な臭いもするから買い替えや捨てるしかないかなと悩んでいたタオルだってこの通りです。汚れてしまったタオルや布巾の買い替えや捨てることを検討する前に煮洗いを実践してみてください。その爽快感にハマってしまうかもしれませんよ。
赤ちゃん用のスタイや肌着なども、ものによっては煮洗いすることができます。知り合いからお祝いで頂いて気に入っていたものや意外と高い赤ちゃん用品もこれで長持ちさせられますね。
よだれや食べこぼし、おむつからはみ出てしまった排泄物などの汚れも煮洗いで解決できるかもしれません。煮洗いすることで衛生的にもなるので一度試してみてください。
布巾を重曹で煮洗いすると汚れがすごい落ちると聞いてやってみたら、煮たあとのお湯が濁ってた…Σ(-∀-;)効果スゲー!
— 空ぱんだ🐼 (@panda_olo) 2017年1月6日
布巾の白さと煮終わった後の水の汚さに思わず「スゲー!」の一言です。自分の家のタオルや布巾は大丈夫と思う前に一度煮洗いをしてみてその感動を味わってみてください。
重曹だけでも煮洗いできる!?
軽い黄ばみや汚れなら洗剤も漂白剤も使わず重曹だけの煮洗いでも効果があります。食用でも業務用でも重曹の種類は問いません。煮洗いの方法は粉石けんの時と同じです。量は水1ℓに対し大さじ1杯を目安にしてみてください。
重曹は温度の高いお湯に入れた方が効果が増すようですが、だからといってあまり高い温度のお湯に入れてしまうと、一気に泡が立ち火傷に繋がるのでご注意ください。また重曹は洗剤ではないので煮洗いとはいっても洗濯とは違うなと気になる方は重曹で煮洗いした後に再度洗濯することをお勧めします。
もっと重曹の使い方を知りたいアナタへ!!


煮洗いにはなぜ粉末タイプを使うの?
煮洗いで粉石けんや粉末タイプの酸素系漂白剤が使われているのにはそれなりの理由があるようです。液体タイプの合成洗剤や酸素系漂白剤は主に「酸性」、それに対し粉末タイプの洗剤や酸素系漂白剤は主に「アルカリ性」なんだそうです。ここがポイントらしいですよ。
タオルや衣類に付く油汚れや皮脂汚れ、食べこぼしや血液などのタンパク質汚れを良く落としてくれるのは「アルカリ性」なんだそうです。そしてお分かりの通り、液体洗剤と粉末タイプの酸素系漂白剤を混ぜると言うことは酸性とアルカリ性を混ぜていると言うこと。
酸性とアルカリ性を混ぜればお互いが効果を消し合ってしまいます。煮洗いの効果を十分に実感したいからこそ粉末タイプの石けんや酸素系漂白剤なんですね。
煮洗いをする上での注意点!!
先人の暮らしの知恵を実践する前に重要な注意点を覚えておいてください。ここではこのまとめで紹介してきた注意点、その他気に留めておいて欲しい注意点をまとめました。
煮洗いは余裕のある鍋でお湯は多めで!!
煮洗いする時は煮洗いするものに対し余裕のある鍋で、たっぷりのお湯で行ってください。ぎゅぎゅうに詰めて煮てしまったり、少ないお湯で煮てしまったりすると焦げや火災の危険がりますので十分に注意してください。
白一択!!色移りに気を付ける!!
洗濯の基本として洗濯機で行う洗濯の場合もそうですが、白いタオルと色物のタオルを一緒に煮ることは避けましょう。白くしたかったタオルがピンクになってるなんて悲劇は避けたいですよね。煮洗いは生地へのダメージが大きい分、色抜けや色移りもしやすいようです。
粉石けんはぬるま湯で投入!!煮る時おの火加減も注意!!
粉石けんや重曹を入れる時はぬるめのお湯に入れるようにしましょう。温度が高い方が効果があるからと言って沸騰しているところに入れてしまうと吹き出したり、一気に泡が立ったりして火傷や余計な掃除の手間になってしまいます。また煮ている最中も吹きこぼれない温度を調整しながら行ってください。
すすぎは丁寧に念入りに!!
煮洗いの際には粉石けんを使っています。良くすすがないと粉石けんのすすぎ残りが今度は黄ばみや臭いの原因になってしまうので充分にすすいでください。できるなら手洗いですすいだ後に洗濯機でよくすすぐことをお勧めします。
鍋の種類、煮洗いする素材に注意!!
鍋はホーロー鍋かステンレス鍋で行うことを厳守してください。アルミ鍋は厳禁です。そして煮洗いする素材も綿や麻のものにしてください。それ以外のものは型崩れや伸び、縮み、しわ、破損の原因になってしまうので十分注意してください。不安に感じる素材はひとまず煮洗いは避け漬け置きで対応してみてください。
ボタンや装飾品に注意!!
煮洗いは大変高い温度で煮続けるため、赤ちゃん用の洋服や綿、麻生地のシャツに実行したいと思う場合は注意が必要です。プラスチック製のボタンが変形してしまったり、付いていたワッペンや飾りが熱によってはがれてしまうなんてこともあるみたいです。その旨踏まえて実行してください。
肌が弱い人は手袋を!!
漂白剤や粉石けんを使っているので肌の弱い方や肌荒れ、傷、湿疹などがある方は手袋を必ず着用するようにしてください。
タオル以外の消臭・除菌・漂白は漬け置きで解決!!!
煮洗いは効果がすごいものの生地への負担も大きいようです。そのため頑固過ぎてなす術無しのタオルや綿、麻生地以外のものにはなるべく行わない方がいいようです。シャツや下着など一般的な衣類にはあまりお勧めできない方法です。タオル以外で除菌、殺菌、漂白をして煮洗いに近い効果を得たいと思う場合は下記のやり方を試してみてください。
洗濯機で洗う前に、粉末の洗剤と粉末の酸素系漂白剤を溶かした40~60℃のお湯に浸け込むといいですよ。煮洗いも同じ原理ですが、水温を上げることで洗剤や漂白剤の成分が活性化し、効果が高まるんです。この方法なら、素材も問いません
この漬け置きの方法で除菌、殺菌、漂白する場合せかっく漬け置きにしても意味がなくなってしまうので、すすぐ時に揉み洗いではなく押し洗いですすぐよう注意してください。
煮洗いについて調べてみて……
私も最初タオルを煮ると聞いた時は思わず耳を疑ってしまいましたが、その効果は抜群で本当に嫌な臭いも汚れも落ちると知り驚きました。鍋や煮洗いできる素材に限りがあったり、すすぎを念入りに行ったりと注意点もいくつかありましたが現代の暮らしの中で使える先人の暮らしの知恵を知れて感激しました。
皆さんも頑固な汚れや何度洗っても気になる臭いのあるタオルを煮洗いしてすっきりしてみてください。