結婚祝い【のし】のマナー!名前の書き方やのし紙・結びきりについて

贈り物に付けるのしや水引には、使い方にルールがあります。結婚祝いで間違ったものを選ぶと、送った人と受け取った人の両方が恥をかくだけではなく、おめでたい席に水を差しかねません。結婚祝いの贈り物に付けるのしや名前の書き方と、つける水引についてご紹介いたします。

結婚祝い【のし】のマナー!名前の書き方やのし紙・結びきりについて

目次

  1. 結婚祝いなどの祝い事に付けるのしは、本来アワビのことだった
  2. 結婚祝い用ののしの表書きの書き方
  3. 結婚祝いののしには、結びきりの水引を
  4. 結婚祝いの水引には、あわじ結びを使うことも
  5. 結婚祝いののしに、10本の水引が使われている理由
  6. 結婚祝い用のしの名前の書き方①個人の場合
  7. 結婚祝い用のしの名前の書き方②団体の場合
  8. 結婚祝いののしを付ける位置
  9. 分からなければ人に聞きましょう
  10. 結婚祝いののしと水引のマナー・まとめ

結婚祝いなどの祝い事に付けるのしは、本来アワビのことだった

のしは漢字で熨斗と書きます。中国語で熨斗はアイロンのことですが、古来の日本では、アワビを意味していました。薄く切り、干して延ばしたアワビはのしアワビと呼ばれ、朝廷や神社に献上されたほか、贈り物に添えられていたのです。

アワビは打ちアワビ(敵に打ち勝つ)として、戦国時代の武士に重宝されただけでなく、「のす」が「命を延ばす」ことから長寿も意味します。そのため、束ねたのしを描いた熨斗模様はおめでたいものとして扱われ、振袖や留袖に描かれています。

現在、のしは簡略化され、のし紙と呼ばれる紙が、贈り物には使われています。のし紙に描かれている六角形の包み紙は、黄色いのしアワビを包んでいます。のしは魚介類の代用品だったため、元来、魚介類を贈る際にはつけませんでしたが、その習慣は廃れつつあります。

香典返しや粗供養などの仏事に用いるかけ紙には、のしアワビは描かれていません。のしアワビはおめでたいことに添えるものだからです。また、仏教では肉や魚を食べることが禁止されていたからだという説もあります。

のしとリボンは使い分ける

のしが日本古来の習慣であるのに対して、プレゼントにリボンをつけるのは西洋由来の習慣です。そのため、一つの贈り物に、のしとリボンを一緒に付けることはありません。もちろん、親しい友人への結婚祝いにのしをつける代わりに、リボンと包装紙でラッピングするのは問題ありません。のしとリボンは、贈り物の種類や相手によって使い分けましょう。

結婚祝い用ののしの表書きの書き方

結婚祝いの贈り物には、のしを印刷したのし紙か、のしを貼りつけた紙と水引をかけます。その品物がどのような名目で贈られたのかを示す部分を表書きと言います。結婚祝いの表書きの書き方は、「御結婚御祝」や「寿」です。寿の旧字である壽と書く場合もあります。あらかじめ表書きが印刷されているのし紙には、御祝という文字の右に「御結婚」と書き入れます。

地方によっては、結婚祝いの表書きに「祝御結婚」と書くところもあります。4文字は死に通じ、縁起が悪いという考え方もあるので、「祝」の字をやや大きめに書くか、「御結婚」との間に空白を作ります。

結婚祝いののしには、結びきりの水引を

結婚祝いの贈り物には、のし紙に御祝とだけ書く場合もあります。表書きに書かなくても、水引の結び方と本数を見れば、結婚祝いだと分かるからです。水引は、贈り物を包んだり、和紙を結んだりするのに使っていた紐が起源です。現代の水引は、のし紙に直接印刷されていることが多いです。

祝い事で結びきりを使うのは、結婚だけ

出産祝いや誕生祝い、季節の挨拶などは、何度繰り返してもめでたいことなので、簡単にほどいて結び直せる蝶結び(別名:花結び)の水引を使います。ですが結婚は、基本的に人生に一度きりで、繰り返すようなことではありません。そのため、固くてほどけない結びきりの水引を使います。結婚祝いに使う水引は10本で、色の組み合わせは赤と白か、金と銀です。

お見舞いや快気祝いにも、紅白の結びきりを使う

病気や怪我、災害のお見舞いにも、紅白の水引を描いたのし紙を使うことがあります。回復や退院の際には快気祝いを用意しますが、結婚祝い用ののし紙とは違い、結びきりの水引が5本しか描かれていません。間違って使わないように注意が必要です。

結婚祝いの水引には、あわじ結びを使うことも

結びきりの一種に、あわじ結びと呼ばれる結び方があります。結んだ形が鳴門の渦潮やアワビに似ていることが、名前の由来だと言われていますが、定かではありません。結婚祝いのほか、仏事などの繰り返して欲しくないことに使われます。

贈答品全般にあわじ結びを使う地方も

あわじ結びは結びきりの一種なので、繰り返さないのが良いとされる結婚や、仏事などに使いますが、繰り返すことの良し悪しや、祝い事・弔事を問わず、贈り物にあわじ結びにした水引を使う地方もあります。結婚祝いに蝶結びの水引を使うのはマナー違反にあたりますが、出産祝いにあわじ結びの水引を使ったからと言って、失礼とは限らない地域もあるのです。

結婚祝いには鶴の水引もオススメ

あわじ結びを応用して、水引を鶴の形に結ぶことができます。鶴は長寿や夫婦円満を意味する、縁起の良い生き物です。水引を印刷したのし紙ではなく、本物の水引を使う場合は、鶴がめでたさを強調してくれます。結婚祝いを入れるご祝儀袋にも、鶴の水引を使ったものが販売されています。

結婚祝いののしに、10本の水引が使われている理由

一般的なのしに使われている水引の本数は5本です。この数字は指の数や陰陽五行説に由来しているという説がありますが、定かではありません。水引には3本の物や7本の物もありますが「苦」につながる9本の物はありません。結婚祝いには、10本の水引を使います。

10は偶数で割り切れるから、結婚祝いにはふさわしくないのでは思われる方もいるかもしれません。一般的な水引の本数は奇数ですが、結婚祝いの水引は、5の倍と考えます。また、10本の水引には、十分に満ち足りる、家と家が結びつくなどという考え方もあります。

結婚祝い用のしの名前の書き方①個人の場合

結婚祝いの贈り物には、黒い筆や筆ペンで贈り主の名前をフルネームで記入します。お祝い事なので、万年筆やボールペンは相応しくありません。会社名を書く場合は、名前の右側に小さめの文字で記入します。

結婚祝いを受け取る側にとって、親戚などの同じ苗字の人間から贈り物をいただくことも珍しくありません。ですが、誰から何を頂いたのか把握しておかなければ、礼状や内祝の手配漏れにもつながりかねません。受け取る側の立場を考えて、贈り主の名前は必ず書いておきましょう。

筆を使い慣れていない人や、きれいに名前を書く自信がない人には、のし紙のテンプレートやフォントが無料でダウンロードできるサイトがオススメです。プリンタで結婚祝いののし紙を印刷する場合、表書きと名前は黒で印刷します。フォントは行書体や楷書体を使いましょう。

結婚祝い用のしの名前の書き方②団体の場合

のしに全員の名前を書く

職場や学校などで複数の人間がまとめて結婚祝いを贈る場合も、のしに名前は必要です。ただし、名前には書き方があり、向かって右から、役職や立場、年齢が上の人間の名前から順に書き入れます。上下関係のない友人同士の場合は、右から五十音順に名前を書きます。

一同でまとめる

結婚祝いの贈り主が多く(一般的には4人以上)、のし紙に名前が書ききれない場合は、職場や学校などの団体名を記入し、一同でまとめる書き方もあります。結婚祝いには「一同」のフルネームと連絡先が分かるリストを添えておきましょう。

結婚祝いののしを付ける位置

内のしと外のし

贈答品につけるのしの位置には、重要な意味があります。箱や袋にのしをつけた後に包装する「内のし」と、包装済の贈り物にのしをかける「外のし」があります。贈答品の種類や地方によって、のしの位置は異なります。

のしのかけ方①贈り物には外のし、内祝いには内のし

見えるようにのしを付けておくと、表書きや贈り主の名前が分かりやすいので、贈り物には「外のし」をかけ、内祝には「内のし」をかける地方があります。祝い事のお裾分けである内祝や、慎ましく贈り物をしたい時には、包装を外して、ようやくのしが見える「内のし」の方が向いているという考え方に基づいています。

のしのかけ方②祝い事には内のし、弔事には外のし

関西地方では、結婚式や出産などの祝い事には「内のし」を使い、弔事には「外のし」を使うことが多いとされています。また、関西では仏事に黄と白の水引を使うこともあります。このように、冠婚葬祭の習慣は地方によって異なります。

のしのかけ方③配送は内のし、持参する場合は外のし

デパートなどで買った結婚祝いを相手の家に配送する場合は、のしが破れないように内のしにする場合があります。相手に直接渡す場合は、外のしにして、風呂敷などに包んで持って行きます。配送の場合、大安の日に到着日を指定することもありますが、手渡しの場合と同じく、相手先の都合を考えることが何よりも重要です。

分からなければ人に聞きましょう

のしと水引は種類が多く、地方による使い方の違いもあるので、混乱する方もおられるのではないでしょうか。ですが、品物にこめた気持ちを台無しにしないためにも、祝い事のマナーは守りたいものです。

自信がなければ、デパートやギフトコーナーの店員に相談しましょう。店によっては、のしや水引に加えて、結婚祝い用の包装紙を置いている所もあります。

結婚祝いののしと水引のマナー・まとめ

結婚祝いののしと水引、表書きと名前の書き方についてまとめましたが、いかがでしたか。結婚祝いや、結婚の内祝には、結びきりにした10本の水引や、水引を印刷したのし紙を使います。決して蝶結びは使いません。品物を店で買う時は、結婚祝いであることを必ず店員に伝えましょう。

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