血液型の遺伝とは何?遺伝子(SNP)の組み合わせや例外について調査!

子どもの血液型は親の持つ遺伝子によって決定されます。遺伝する血液型の歴史や、例外である稀血の情報、輸血時に使える血液型の組み合わせなど、ABO式血液型について調査してまとめました。自分の中を流れる血液型について詳しく学んで見ましょう。

血液型の遺伝とは何?遺伝子(SNP)の組み合わせや例外について調査!

目次

  1. 遺伝する血液型とその分類方法
  2. 血液型の正体と抗原遺伝子
  3. それぞれの血液型が持つ遺伝子と輸血
  4. 親から遺伝する血液型の組み合わせ
  5. メンデルの遺伝の法則と血液型
  6. 例外の血液型『稀血(まれけつ)』と遺伝する血液型
  7. 例外的な血液型「稀血」のリスク
  8. すべての血液型はO型が遺伝と変異を繰り返したものだった!?
  9. 遺伝する血液型と民族
  10. 血液型と遺伝に関するまとめ

遺伝する血液型とその分類方法

血液型とは人間の持つ血液を分類したものの呼び方。日本ではA、B、AB、O型の四つが知られていますが、これはABO式血液型と呼ばれる分類によるものです。この四種類しかないと思われがちな血液型ですが、実は個人個人で大きく異なり、同じ血液型の人間は一卵性双生児くらいしかいないといわれています。

血液型としてABO式血液型が広く採用されているのは、歴史が古く、輸血などの際にとても役立つからだとされています。四種類に分類できるABO式血液型ですが、稀血(まれけつ)といわれる例外もいくつか存在しているようです。

一般的には血液型というとABO式血液型しか想像されませんが、実は血液型の分類方法は300種類近くあります。そして研究機関や警察の鑑識では、場合によってはこうした細かい血液型分類を行って細かい情報を収集する場合もあるそうです。

今回は日本人にもっとも認知されているABO式血液型に関して、血液型の発生した理由や、親の遺伝子が子どもの血液型にどう関わって遺伝しているかなどについてご紹介していこうかと思います。

血液型の正体と抗原遺伝子

遺伝情報DNAの中にある塩基配列で、よくある違いの範囲で収まりながらも通常の配列とは異なっているものをSNP(スニップ:Single・Nucleotide・Polymorphism)と呼びます。この遺伝したSNPの違いによって血液型は異なる性質を現すようです。

血液型が親の遺伝子で決定付けられるということは多くの方が知っているかとは思いますが、血液型の何が遺伝して何が血液型を決めているのかはあまり知られていません。この血液型というものは遺伝子により遺伝した「血液内の血球がどんな抗原を持っているか」という情報により決定されています。

抗原というのは免疫反応を引き起こす物質のこと。血液内に存在する赤血球、白血球、血小板といったそれぞれに何百種類もの抗原が遺伝し存在していますが、きわめて簡単に言ってしまえば、血液型とは「身体が何を苦手だと感じるか」で分類されていると言い換えることができます。

特定の種類の血液を混ぜると、お互いが「苦手だ!」と感じて抗体が形成されます。その結果、固まってしまったり赤血球を破壊しあったりするのです。輸血をする場合に同じ血液型でなければならない理由はこういったことのようです。

それぞれの血液型が持つ遺伝子と輸血

A型血液型の赤血球表面にはA抗原を発現する遺伝子が、B型血液型の赤血球表面にはB抗原を発現する遺伝子があります。血液の55%を占める血漿中には反する血液型の遺伝子抗原を排除しようとする抗体が形成されるため、この二つの血液を混ぜるとお互いを除去しようと働きかけてしまいます。

その一方で遺伝子の祖ともいえるO型はA抗原を発現する遺伝子もB抗原を発現する遺伝子も持っていないのですが、A抗原とB抗原に対する抗体を血漿に持っています。そのためO型の血液がA型やB型に混じっても大きな問題はないのですが、A型やB型の血液がO型に混じると凝集してしまうようです。

AB型の血液型はO型とはまったくの逆。赤血球にA抗原を発現する遺伝子とB抗原を発現する遺伝子を持ちながら、血漿にはそれらに反応する抗体を持ちません。ですから理屈の上ではAB型の血液はAB型にしか輸血できず、他の血液型はAB型の人に輸血できることになります。

しかし現在の日本においては、よっぽどの例外的事情がない限りは、理論上は可能であったとしても同じABO式血液型の人同士でしか輸血をしません。そのため、日本人の人口比で10人に1人しかいないとされるAB型の血液はいつも不足しているようです。

親から遺伝する血液型の組み合わせ

日本人にはA型が最も多いといわれていますが、その割合はおよそ4割ほど。二番目に多いのはO型で3割、B型は2割ほどといわれ、AB型にいたっては1割しかいません。このように比率がだいぶ異なる血液型ですが、実は両親から遺伝する血液型の組み合わせで決められているようです。

親の遺伝子を受け継いで決定される血液型はA、B、O、ABの4つにわけられていますが、厳密にいえば両親から1つずつ遺伝していますので、「AO」、「AA」、「BO」などの組み合わせとして遺伝しています。しかしAとBは優勢遺伝子、Oは劣性遺伝子といわれ、優性遺伝子の方が性質として出てくることとなります。

そのため「AとA」、「AとO」の遺伝子を受け継いだ子どもは「A型」になり、「BとB」、「BとO」の遺伝子を受け継いだ子どもは「B型」になります。「OとO」や「AとB」といった優性遺伝子と劣勢遺伝子が重複した場合のみ、例外的にそれぞれO型、AB型が遺伝するわけです。

メンデルの遺伝の法則と血液型

こうした優勢・劣性遺伝子の性質は遺伝学の権威であるメンデルが発見した遺伝の法則に基づきます。両親ともにA型の遺伝子を持っていたとしても実は両方、あるいは片方が「AO型」の遺伝子を持っていた場合、生まれてくる子どもに「OO」型が遺伝、すなわちO型になる可能性もあるということです。

片親がA型、片親がO型の場合に生まれてくる子どもに遺伝する組み合わせとしてはA型とO型が考えられますが、もしもA型の親が「AA」型であった場合、生まれてくる子どもはA型の優性遺伝子を持ちますので、必ずA型が遺伝することになります。

また、A型の親の血液型は「AA」または「AO」と考えられるため、それぞれの遺伝する組み合わせを考えた場合、A型の親とO型の親の組み合わせはおよそ75%の確率で生まれた子どもにA型が遺伝すると考えることもできます。このように、血液型は遺伝子と遺伝学に基づいて明確なルールで決定されます。

例外の血液型『稀血(まれけつ)』と遺伝する血液型

ABO式血液型において、稀血(まれけつ)と呼ばれる例外的な血液型が存在します。稀血はその名の通り遺伝的にも大変珍しい血液型で、全人口の1%以下ともいわれています。特に有名なものは「ボンベイ型」や「シス型」などと呼ばれています。

日本では20種類以上の血液型が稀血として登録されています。1%~0.1%を稀血Ⅱ群、それよりもさらに例外的で少ない血液型をⅠ群と定めているほどですから、その血液型の少なさが伺えます。遺伝遺伝子検査などをしていないと、本人でさえ知らないこともあるようです。

この稀血には遺伝的に見てもまた特殊な性質があります。ボンベイ型やシスAB型の親から生まれた子どもは、通常だと遺伝するような優性遺伝子が表に出てこない場合があるそうです。つまり「シスAB型」と「A型」の親からO型の子どもが生まれたりするというわけです。

こうした例外的な遺伝のため、海外などでは「遺伝学的に見てこの血液型が遺伝するのはおかしい!」として訴訟に発展するケースもあったのだとか。こうした特殊な遺伝をすることも稀血の特徴のひとつといえます。

稀血のほとんどは劣性遺伝子なので子どもに遺伝する可能性は低いのですが、稀に突然変異などで遺伝以外の原因で稀血になるケースもあるそうです。

例外的な血液型「稀血」のリスク

稀血に認定された血液型の最大の問題点は、の希少性にあります。というのも、輸血において用いられるABO式血液型のなかでの例外、すなわち他の血からの輸血が望めません。希少な血液であるため、もしも輸血が必要になった際に手に入れられる期待が極めて薄い血液型こそ「稀血」なのです。

そのため、稀血の所持者は国際的に協力しあっています。献血患者の中に稀血が発見された場合には、本人に連絡して国際的な血液センターへの登録協力を依頼しているほどだとか。日本では10年を基準とした稀血の血液の凍結保存も行っているそうです。

すべての血液型はO型が遺伝と変異を繰り返したものだった!?

現在ではA型、B型、AB型、O型と大きく四種類にわけられる血液型ですが、実は最初から四種類もあったわけではありません。紀元前4万年頃の狩猟・肉食民族である人類の祖先「クロマニョン人」はO型であったといわれています。つまり最古の人類はみんなO型だったのです。

紀元前2万5千年ごろから1万5千年ごろ、獲物の不足から一部の人々は中東やアジア方面へと移動し農耕や牧畜を行うようになります。農耕民族は穀物、農作物への免疫力や消化能力が向上すると共に抗体が、つまりは血液型が変質していったそうです。それが今日でいうA型遺伝子の血液です。

紀元前1万年前後に、また別のグループは寒いヒマラヤ地方へと移動しました。A型と同じように牧畜を基盤とした遊牧民族の彼らは乳製品を主食とし、それに応じて抗体も変容していきます。それがやがてB型遺伝子の血液に至ったといわれています。

やがて時代が進み人々の交流が広がると、A型の人間とB型の人間が出会うようになります。この遺伝子の組み合わせで生まれたのがAB型です。農耕民族と牧畜民族という異なる性質を掛け合わせた遺伝子であるAB型はまた1000年と少しの歴史しかなく、比較的新しい血液型ということもできるようです。

つまりA型もB型もAB型も、もともとはすべてO型から遺伝して変容していった血液型。生活基盤や食糧事情によって適者生存(環境に適応したものだけが生き残れる)を繰り返した結果に生まれたのがA型、B型といえるようです。

環境が変わることで人間の体質が変容し、同時にSNPや抗体も変容し、血液型が変化してきたという歴史があるようです。血液型による性格診断は科学的根拠がないといますが、こうして血液型の歴史を辿ってみれば、一側面では信じる価値があるのかもしれません。

遺伝する血液型と民族

血液型の発生をご説明しましたが、O型から発生した血液型は親から子へと何世代もかけて遺伝し変容していきました。その遺伝する過程を各国や各民族の血液型分布を見ることで推定できるという説もあります。

最古の血液型であるO型は世界に広く分布しています。中国はO型の比率が高く、ブラジルやペルーに至ってはほぼ100%の人の血液型がO型であるようです。

次点に多いA型ですが、割合で言うとヨーロッパに多く、ソ連や日本もA型の人が多いようです。一方のB型はモンゴル人に極めて多く、ソ連やヨーロッパとは顕著に違う遺伝の歴史を見ることができるようです。

また日本の北方先住民族であるアイヌや朝鮮半島系の民族にはA型、B型、AB型の比率が極めて安定しています。国という概念が生まれるより遥か昔には、海に面したこの地方は人類の旅や遺伝子の旅の終点ともいえる立地だったのかもしれません。

血液型と遺伝に関するまとめ

血液型と親からの遺伝に関するまとめは以上となります。一般的な知識として必要なレベルのABO式血液型では大きく四種類に分類されていますが、さらに細分化していくと限りなく例外が存在しています。普段は意識をしていない血液ですが、本当はそれほど複雑な存在のようです。

遺伝子や個性、性格と同じように、血液型というのも百人いれば百人が違う形をしています。しかしそのすべての性質が両親から遺伝したものです。そうして考えてみると、親子の血の絆というものは想像よりはるかに強いのかもしれませんね。

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