フィンランド教育制度と日本の違いは?世界トップ学力の特徴

フィンランドは学力が世界でトップクラスであると有名な国です。それぞれの国によって教育システムは変わってきますが、成績優秀な子供たちが沢山いるフィンランドではどんな教育をしているのでしょうか。その特徴や日本との違いをご紹介していきます。

フィンランド教育制度と日本の違いは?世界トップ学力の特徴

目次

  1. フィンランドってどんな所?
  2. 何故フィンランドの子供たちの学力は高いの?
  3. フィンランド教育の特徴とは?
  4. 教育制度①小学校入学前にプレスクールがある
  5. 教育制度②高等教育まで学費は無償
  6. 教育制度③学力が低い子供には特別支援がある
  7. 教育制度④全国統一テストがない
  8. 教育制度⑤教員の質が高い
  9. 教育制度⑥勉強と遊びのメリハリがある
  10. 教育制度⑦個人を大切にする
  11. 日本とフィンランドの教育の違いは?
  12. 男女間に格差がないのも学力トップに繋がる?
  13. 日本がフィンランド教育を取り入れることは出来る?
  14. <おまけ>フィンランドは子育てがしやすい?
  15. まとめ

フィンランドってどんな所?

正確にはフィンランド共和国

フィンランドは北ヨーロッパに位置していて、西側にボスニア湾を挟んでスウェーデン、北側にノルウェー、東側にロシアが隣接しています。南側にはバルト海を挟んでエストニアがある自然豊かな国です。首都は南に位置するヘルシンキで、公用語はフィンランド語とスウェーデン語です。ちなみに、フィンランドを漢字で当てると「芬蘭」と書きます。

フィンランドには、タイムバンキング制度があり、忙しい時期に残業した分は暇の多い時期に休むことが出来るという制度があるため、女性も男性も働きやすい環境になりつつあるようです。20年前くらいは16.6%も失業率がありましたが、近年には7.7%程度まで下がりました。同時期の日本の失業率が4.3%だったので、かなりの失業率であることは間違いありません。

あの北欧デザインもフィンランド

北欧デザインで有名な「マリメッコ」はフィンランドのファッションブランドです。特に有名なのがあの花柄が特徴のウニッコ柄ですよね。マリメッコとは「小さなマリーのためのドレス」という意味だそうですよ。その他、ムーミン発祥の国であったり、携帯電話のメーカーであるノキアがあるのもフィンランドです。

何故フィンランドの子供たちの学力は高いの?

フィンランドでは子供に投資している

フィンランドは小さい国です。天然資源も少なかったのですが、国で人材が財産であることとし、教育に投資すると決断したそうです。幼い子供たちが大人になったら何になるか分からない、色んな可能性を秘めていると賭けて、男女や家族、財力などには関係せずにすべての子供に平等な教育をする、という方針になったそうです。

フィンランドでは、教師が人気のある職業だそうです。しかし、日本とは違ってフィンランドの場合は優秀な人材しか教師になることは出来ません。そうなると子供たちもそこへ向かって勉強をするので、自然と学力がついてきます。低学力の子供でもサポートをしてもらうことによって平均的な学力となるので、国の学力が上がるというわけです。

フィンランド教育の特徴とは?

フィンランドでは子供にとって勉強は嫌なものだと思うようなことはないそうです。日本にはない手厚いサポートのおかげで、すべての子供が教育を受けられる環境にあるのは素晴らしいですよね。それでは、フィンランドの教育の特徴はどのようなものがあるのかを詳しく見ていこうと思います。特に日本にはない教育の特徴を挙げてみました。

教育制度①小学校入学前にプレスクールがある

任意ではあるけどほとんどの子供が入学

まず1つ目の特徴は、保育所と小学校の間の過程にプレスクールがあるところです。日本の場合、保育園又は幼稚園の過程が終わったらすぐに小学校に上がる仕組みになっていますが、フィンランドの場合はプレスクールがあります。プレスクールとは、就学前教育のことを言い6歳児が対象になっています。

プレスクールはデイケアセンターで行われ、入学は任意ですが学費等は無償となっているのでほとんどの子供がプレスクールに通っています。6歳児というと幼稚園で言う年長さんに当たりますが、プレスクールでは小学校に入る前に国語と算数の基礎を学んでいきます。

小学校に入る前から基礎を学んでおくことでスムーズに基礎教育の過程に進めるようにしているようです。プレスクールに通うための送迎費用や給食、教科書なども無償となっています。何もかもが無償で通えるため、日本人からすると育児に関して優秀な部分だと思えてしまいますね。

教育制度②高等教育まで学費は無償

基礎教育までは教科書も給食も無償!

2つ目の特徴は授業料の無償化です。フィンランドの教育課程は、6歳の就学前教育、7~16歳までの基礎教育、高等教育(平均3年)、大学院とあります。16歳までの基礎教育まではすべて無償ですが、高等教育や職業学校に関しては授業料だけ無償で教材などは生徒側が負担するような形になっています。

義務教育期間や日本で言う高校生や職業訓練校の学生の授業料などが無料になっているのは、教育に力を入れている理由だけではありません。フィンランドは、実は消費税が23%と高い税率となっています。食品においては12%、所得税においても20%と高いので、国に財力もあります。この税金が、将来優秀な人材になるだろう子供たちに投資されているのです。

これだけ高い税率で消費税を取られているのであれば、学費や教材費、給食費、医療費が無償であるという理由も分かりますよね。日本の場合、所得税は低所得者で5%からと考えると、消費税もそうですがフィンランドの所得税は高いものと言えるでしょう。

教育制度③学力が低い子供には特別支援がある

落ちこぼれを作らないのがフィンランド教育

フィンランド教育としての3つ目の特徴は、低学力の子供でも置いていかないというところです。子供たちの学力に差が出にくい教育方法とは言えど、どうしても高学力の子供もいれば低学力の子供も出てしまいます。日本の場合、優秀な子供に合わせて授業が進んでしまうので、遅れてしまう子供は塾や教材で追いついていかなければなりません。

そう言ったことがないように、フィンランドの場合、クラスは20人前後と少人数で構成され、低学力の子供の場合は補習授業が行われ、補助の教員が入ったりと手厚いサポートで落ちこぼれを作らないようにしているのです。日本では育児の悩みの1つとして学力が追い付かない、というのがありますが、フィンランドの場合は学校でサポートしてもらえるので、親は安心して仕事をすることが出来るのでしょう。

教育制度④全国統一テストがない

学力の差を作らないため

4つ目の特徴は、基礎教育の過程での全国統一テストは行わないということです。日本の教育制度として、小学生や中学生の全国統一テストは任意ですが行われています。自分の子供が全国でどのくらいのレベルなのかを図るものさしになっていますが、それの結果よっては子供が勉強する意欲を失くしてしまう可能性もあります。

フィンランドの場合は、基本的なテストは存在しますが、基礎教育期間中は全国統一テストを行わないようにしています。子供たちの学習に対する意欲を下げないためにも必要なことなのでしょう。しかし、全国統一テストがない代わりに小学生のうちでも留年することがあります。能力が見合っていない場合には、たとえ低学年でも留年させることがあります。

ですが、フィンランドの場合は「留年」に対する抵抗感がほとんどないため、自分が行きたい高校教育に進むために中学3年生の時点で留年する子供が少なからずともいるようです。日本の義務教育期間は留年することはないので、行ける高校に行くしかないという風になってしまいますが、フィンランドの場合は将来のために基礎教育の時点で頑張る生徒が多いようですね。

教育制度⑤教員の質が高い

フィンランドでは優秀な人しか教員になれない

5つ目の特徴は、フィンランドでは教師になるには優秀な人材でないとなれないというところです。フィンランドにおける教師の給料は安いのですが、とても尊敬される職業の1つでもあります。教師になるためには、教員の養成学科に入学しなければなりません。筆記試験を受けることになるのですが、この試験で志願者が1/3程度までふるいにかけられます。

さらに小学校の担任や教科担任に分かれたコースで試験が行われ、また1/3程度まで絞られていきます。最終試験はグループディスカッションが行われ、ここでも数百人まで絞られてしまいます。晴れて入学しても、大学1年生から教育実習が行われ、5年生まで毎年子供たちと触れ合いながら学習していくことになります。この時にはすでにかなりの経験を積んでいることになります。

教員免許を取るには、5年以上大学に通って博士号を取らなければなりませんが、教員になった後も大学に通って研修を受けなければなりません。この時点でかなりの努力が必要なのですが、教員は最大で5年の契約になるので優秀な教員でなければ更新がされないそうです。仕事が出来ない教師はクビにされてしまうので、質の高い教員しかいない仕組みになっているのでしょう。

教育制度⑥勉強と遊びのメリハリがある

フィンランドの夏休みは2か月半

6つ目の特徴は、夏休みは2か月半あるのに宿題が出ないというところです。日本の場合は、長期休暇だとこれでもかというほど宿題が出ますが、フィンランドはそう言ったことがないのです。休む時はしっかり休んで、何も考えずに子供らしく遊ぶという考えなのだそうですよ。このメリハリのおかげで、子供たちは勉強を楽しいものだと思えるのだそうです。

教育制度⑦個人を大切にする

グループ学習でコミュニケーションを図る

7つ目の特徴は、全員が黒板に向かって席に座るわけではなく、グループに分かれて授業を受けるところです。各々一人で授業を受けているわけではないので、コミュニケーション能力を上げることが出来るそうです。さらに、教師が一方的に教えるのではなく生徒も教育制度の計画作りに携わっていくというのもあるそうです。

いずれにせよ、フィンランド教育の根本は学ぶことの楽しさを重視しているようです。日本のように学歴社会だと成績ばかりを重視して、義務的に勉強していて勉強が楽しいものだと思うことは難しいでしょう。勉強が楽しいと思えるようになると学ぶ意欲も上がってきます。育児がしやすいという風に言われているのは、そういった部分もあるのでしょう。

日本とフィンランドの教育の違いは?

学習塾はないけど家庭学習が多い

日本には沢山の学習塾がありますが、フィンランドには学習塾というものは存在しないようです。学力が高いのに学習塾がないとはどういうこと?と思われますが、普段の宿題が多いので家庭学習が増えます。宿題をやらなければ学校の勉強で遅れを取ってしまい、留年してしまうことも考えられます。そうならないように勉強することで学力が向上してくるのでしょう。

フィンランドには集団行動の教育がない

日本は協調性を大切にする教育をしています。周りと合わせることを重視しているので、横並びだともいたこともありました。フィンランドの場合、周りに助けられて生きていける日本とは違って、自分で考えて行動し、生きていく力を自分自身で身につけていかなければならない社会です。教師になることが厳しいと思うのも、そういった社会の仕組みならではだからでしょう。

集団行動の教育は、1人でも生きていける力を身につける能力を養うことは難しいでしょう。自立させるための力を育てるためのフィンランド流の教育方法の1つなのです。

男女間に格差がないのも学力トップに繋がる?

「仕事をすることは生きること」がモットー

フィンランドでは、国際男女格差レポートという調査で常に上位にいる国です。つまり、男女間に格差がほとんどないと言える国になっているのです。世界136か国ありますが、2016年の時はフィンランドは2位、日本は111位という結果が出ています。結果だけ見ても男女間の格差がよく分かります。

日本では、「男は働いて女は家を守る」という考え方が今でも残っています。女性の社会進出が増えてきたとは言えど、フルタイムで働いている人はそれほどではないでしょう。フィンランドの人々は、「仕事をすることイコール生きること」という考えがあるので、80%以上の女性がフルタイムで働いているのだと思います。

フィンランドでは、職に就くことは学力がなければなりません。教師になるのが困難なのも同じことです。憧れの教師を目指して勉強するということが男女関係なく学力が向上し、その結果女性も男性と同じように良い職に就くことが出来るのでしょう。平等に扱われることで、セクハラやパワハラなどもないというのも素晴らしいところですね。

日本がフィンランド教育を取り入れることは出来る?

難しいけど各家庭で出来ることはある

日本の社会ではフィンランド教育を取り入れることは難しいでしょう。税収のこともそうですが、個人や個性を大切にするという考えのあるフィンランドの教育方針は、協調性を大事にする日本には合わないと言えるでしょう。

しかし、各家庭で出来ることもあります。先ほども普段の宿題が多いと述べましたが、フィンランド流ではああしろこうしろと口を出さずに育児をするという特徴があります。つい、勉強しなさいと叱ってしまうこともあると思いますが、宿題やったの?と一言言ってあげるだけでも、自主的に勉強ができる子に成長するようですよ。フィンランド流の育児も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

<おまけ>フィンランドは子育てがしやすい?

フィンランドでは自治体から嬉しいプレゼントが

フィンランドは世界一幸せな育児ができる国と言われています。その理由は、育児休暇が男女問わず3年間取ることができ、先にも述べたように教育費が無償ですし、さらに日本で問題になっている待機児童問題も存在しません。フィンランドでは、赤ちゃんが産まれるという家に「マタニティ・パッケージ」と呼ばれるプレゼントが届きます。

マタニティ・パッケージの中身は、育児に役立つものが沢山入っています。おむつや洋服、下着、体温計、絵本、おもちゃ等が1年間同じアイテムですが届きます。あれもこれもと取り揃えなくても自治体で用意してくれるので、初めての育児でも安心して子育てが出来るのも魅力的な国です。同じ服を着ている子は同級生ということなので、ママ同士の会話も弾むそうです。

離婚率は高いけど子育ては両者で

フィンランドの離婚率は、何と50%。日本は0.2%以下なので驚きの数字でしょう。結婚した夫婦の半分が離婚しているということなのですが、それはフィンランドの人たちの考え方や環境によるものだと思います。日本の場合、父親は働きに出て、母親は家や子供を守る、という考え方がまだまだ根強いですが、フィンランドの場合はそんな考え方はありません。

共働きが当たり前で、夫婦の絆が強いというのが離婚の原因になっているのかもしれません。日本の場合、「子はかすがい」といって夫婦の関係は子供が中心にあるのが普通ですが、フィンランドの場合は、夫婦があって、その次に子供という考えなので、夫婦の絆が壊れれば例え子供が小さくても即離婚となってしまいます。両親ともフルタイムで働いているので金銭的な不安要素もないため、離婚に抵抗がないのでしょう。

しかし、離婚はしてもその子供は2人の子供です。日本は離婚した場合どちらかに親権が行きますが、フィンランドの場合は共同親権というものがあり、片方に責任を押し付けるのではなく2人で協力して育児をするのが主流となっているそうです。そう言ったこともあり、離婚のハードルを下げているのかもしれませんね。

まとめ

フィンランドの教育制度と日本との違いについてまとめてきましたが、いかがでしたでしょうか。育児や教育、労働に関する考え方も違うフィンランド。フィンランド教育は、日本にはない教育システムなので素晴らしいと感じますが、それはフィンランドの社会システムがあってこその教育制度だと言えます。

日本は協調性を大切にするので国や自治体単位での導入は難しいでしょう。ただ、各家庭で時間の流れをゆったりとさせ、ゆとりのある教育をしていくことは可能です。お子さんが勉強や学力に対する考え方が変われるように、親が先に変わらなくてはなりません。子供が幸せに成長していけるように、育児中のパパやママも今一度考えてみてはいかがでしょうか。

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