ファットスプレッドは健康に良い食品?バターやマーガリンとの違いとは

バターやマーガリンよりも油脂分カットで、一見健康に良いと思われがちなファットスプレッド。値段も比較的お手頃で家計には優しいのですが、実は多くの消費者がその実態を解っていません。今回はファットスプレッドとは何か?バターやマーガリンとの違いを含めてご紹介します。

ファットスプレッドは健康に良い食品?バターやマーガリンとの違いとは

目次

  1. バターとマーガリンの違いは何?
  2. ファットスプレッドとは何?
  3. 不飽和脂肪酸には2種類ある
  4. トランス型脂肪酸が健康に及ぼす悪影響
  5. 悪玉コレステロールが増えるとどうなる?
  6. ファットスプレッドは食べない方がいい?
  7. もう一度バター・マーガリン・ファットスプレッドを比較
  8. 手作りお菓子にファットスプレッドを使うとどうなる?
  9. 摂取量注意はトランス脂肪酸だけではない!
  10. ファットスプレッドは健康に良いか/まとめ

バターとマーガリンの違いは何?

バターとは

牛乳の乳脂肪を濃縮し乳脂肪分40%以上となった生クリームを撹拌することによって、水分を取り除いた固形の状態がバターとなります。冷蔵庫では硬い固形で、室温で溶け始め、40度で液体になります。主にパンや料理に使用される有塩バターや、スイーツ等に使用する食塩不使用バターの他、乳酸発酵させて作った発酵バター等の種類があります。

マーガリンの定義

100%動物性脂肪から作られたバターに対して、植物性油脂を主体として作られているのがマーガリンです。植物性油脂とは主にとうもろこしから採れるコーン油や大豆から採れる大豆油、紅花から採れる紅花油などがあります。これらの植物性油脂に水などを加えて撹拌し、乳化させて作ったのがマーガリンとなり、油脂含有率は80%以上となります。

ファットスプレッドとは何?

ファットスプレッドとは

ファットスプレッドとはマーガリンの種類の一つですが、その違いは油脂含有量が80%以下であるということです。油脂含有量が少ないのでバターやマーガリンと比較しても、あっさりと食べれる低カロリーであることがわかります。しかし油脂を減らし添加物を増やして作られるファットスプレッドには、不安定なトランス脂肪酸が発生していることが問題視されています。

ファットスプレッド名前の由来

ファットスプレッドのファットは英語で「Fat 」脂肪のことです。スプレッドは「spread」普及や広げるという意味です。なのでファットスプレッドとは直訳で「脂肪を広げる」となります。バターやマーガリンと比較してファットスプレッドは油脂含有率が低いにも関わらず、脂肪を広げると言う名前なのは、トランス脂肪酸という油脂の種類に関係があります。

不飽和脂肪酸には2種類ある

天然のシス型不飽和脂肪酸

脂肪酸には飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があり、どちらも人間のエネルギー源となる脂肪酸です。不飽和脂肪酸のうち天然で存在するのが、シス型不飽和脂肪酸です。炭素結合に水素が規則正しく付いているのがシス型不飽和脂肪酸です。リノール酸やオレイン酸などがシス型不飽和脂肪酸の種類で、魚や木の実などにも含まれています。

油脂の加工のトランス型脂肪酸

シス型不飽和脂肪酸に対して、水素の付き方が不規則なのがトランス型脂肪酸となります。トランス型脂肪酸には動物の胃中の微生物により作られる天然のものと、油脂に水素添加をして作られる人口のものとがあります。マーガリンやファットスプレッドはトランス型脂肪酸の代表的なものだと言えます。トランス型脂肪酸は健康面でいうと、あえて摂取する必要はありません。

トランス型脂肪酸が健康に及ぼす悪影響

悪玉コレステロールの増加

トランス脂肪酸を過剰に摂取すると血中LDLコレステロールが増加します。血中LDLコレステロールは「悪玉コレステロール」とも呼ばれ、細胞に取り込まれず血管内に溢れ出てしまったコレステロールのことです。血中LDLコレステロールが増加することにより血管壁の硬化や老化が進み、血液の流れが悪くなり動脈硬化の原因となります。

善玉コレステロールの減少

トランス脂肪酸の過剰摂取では、血中LDLコレステロールの増加と共にHDLコレステロールが減少してしまいます。HDLコレステロールとは「善玉コレステロール」と呼ばれ、体内に溜まった古いコレステロールを回収し送り出す役目をしています。HDLコレステロールが減少することで、LDLコレステロールによる動脈硬化が加速する可能性が高くなります。

悪玉コレステロールが増えるとどうなる?

動脈硬化

悪玉コレステロールが増えて血液の流れが悪くなると、動脈硬化を引き起こします。動脈硬化は、全身に酸素や栄養を運ぶ動脈が硬くなる病気です。動脈の硬くなった部分にこぶができたり、こぶが剥がれて血管を詰まらせたりします。そうなると必要な酸素や栄養は全身に行き渡らず、臓器不全や臓器壊死に繋がります。心筋梗塞や脳梗塞なども、動脈硬化が原因です。

心筋梗塞

悪玉コレステロールが増えて血液の流れが悪くなることによって、心筋梗塞を引き起こす可能性が高くなります。心筋梗塞とは、心臓に繋がる血管が狭くなったり塞いでしまうことによって、充分な酸素や栄養が心臓に行き渡らず、心臓が壊死してしまう病気です。心筋梗塞は高齢や糖尿病などの場合、胸の痛みもなく意識不明や死に至る危険な病気です。

ファットスプレッドは食べない方がいい?

トランス脂肪酸の摂取量

ファットスプレッドとはバターやマーガリンと比較するとあまり聞きなれない名前ですが、最近ではよくメディアなどにも取り上げられています。そこでスーパーなどの店頭に並んでいるマーガリンだと思っていた商品のパッケージをよく見てみると、ほとんどがファットスプレッドとなっています。ファットスプレッドによるトランス脂肪酸の摂取量は、知らない間に増えているのです。

世界基準と日本基準

世界では既に多くの国がトランス脂肪酸含有量の表示を義務化したり、トランス脂肪酸含有量を減らす規制をしています。しかし日本ではまだトランス脂肪酸に対する危機意識が低く、「WHO(世界保健機関)の基準値より低い」という理由で、JAS規格で油脂含有量80%以下のものを「ファットスプレッド」と表記するという規定にとどまっています。

もう一度バター・マーガリン・ファットスプレッドを比較

バターの特徴

それではもう一度、バターとマガーリンとファットスプレッドの違いを比較してみましょう。バターは牛乳を濃縮させて作ったクリームを撹拌して、水分を取り除いたものです。動物性の天然由来油脂で、飽和脂肪酸に属します。保存性を高めるために食塩を加えたものもありますが、お菓子作りなどには食塩を加えない食塩不使用バターを使用します。

マーガリンの特徴

動物性油脂で作られるバターに対してマーガリンは、主にコーンや紅花などの植物から採れた植物性油脂でできています。植物性油脂に水などの添加物を加える、人口的加工によってできたものです。加工することによってバターより油脂含有率は80%と低くなりますが、同時に天然ではないことからバランスを崩したトランス脂肪酸の一つです。

ファットスプレッドの特徴

油脂含有率80%のマーガリンに対して、油脂含有率80%以下のものをファットスプレッドといいます。バターやマーガリンと比較すると、油脂分が少なく低カロリーで健康に良いように思われます。人工的に加工したものなので天然ではなく、低価格で提供できるとあって、一般のスーパーなどで市販されている多くのものがファットスプレッドです。

手作りお菓子にファットスプレッドを使うとどうなる?

クッキー作りの場合

手作りクッキーなどを作る場合、本来ならバターを使用します。バターは少し加熱して溶かしバターにしてから使用します。一方、ファットスプレッドは冷蔵でも柔らかく薄力粉や砂糖に馴染みやすいので、加熱して溶かす必要がありません。薄力粉や砂糖と一緒にそのまま切るように混ざ合わせればよいだけです。手間がかからないのもファットスプレッドの特徴と言えます。

ファットスプレッドを使ったクッキーの特徴

ファットスプレッドを使用して作ったクッキーと、マーガリンを使用して作ったクッキーとでは、食感や風味にあまり違いはありません。しかし、バターを使用して作ったクッキーよりも油脂分が少ない為、バタークッキーよりサクサクしたクッキーに仕上がります。コストも手間もかかりませんが風味よく仕上げるには、やはりバターを使用するのが良いでしょう。

摂取量注意はトランス脂肪酸だけではない!

飽和脂肪酸を含む脂質

トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させ、健康に良くないことは解りました。しかしそれだけではなく、動物性の天然由来油脂である飽和脂肪酸についても同様で、摂取量が多いと健康に良くありません。飽和脂肪酸は固まりやすいので、血液中で固まってドロドロの血液になる可能性が高くなります。飽和脂肪酸もトランス脂肪酸も脂質には違いなく、摂取量には注意が必要です。

塩分

脂質の他にも健康の為に摂取量に気を付けたいのが、塩分です。日本では直接的な食塩以外に、味噌や醤油など塩分を多く使用している調味料での味付けが主流です。そのため厚生労働省から発表されている1日の塩分摂取量を平均2g~3gオーバーしていると言われています。塩分の過剰摂取は高血圧などの成人病のみならず、癌・脳梗塞・腎疾患などの病気のリスクを高めます。

ファットスプレッドは健康に良いか/まとめ

ファットスプレッドとはバターやマーガリンとは違い、油脂含有量が少ない代わりにトランス脂肪酸による悪玉コレステロール増加という健康リスクを伴う食品です。バターやマーガリンと比較すると、低価格であるうえに冷蔵でも柔らかいという使い勝手の良さから、一般的に使用されることが多いようです。ファットスプレッドとは健康のため摂取量に注意したい食品です。

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