妊娠・育児
離乳食のトマトはいつから?初めてでも簡単な調理法&保存方法
栄養たっぷりで、生でも食べられ、調理のしやすいトマトは離乳食を始めたら食べさせたい食材のひとつです。でも、トマトはいつから食べさせられるのかも気になるところです。そこで、離乳食に使いたいトマトの調理法や保存法などをまとめていきますので参考にしてください。

目次
トマトは離乳食におすすめな優秀食材
赤ちゃんが5ヶ月ごろになると、そろそろ離乳食を始めようと考えますが、離乳食が初めての赤ちゃんの場合、ちゃんと食べてくれるのかや、何を食べさせればいいのかなどで悩んでしまいます。また、赤ちゃんが離乳食で食べられる食材は初期のころはあまり多くないので、レシピで悩むママもいるのではないでしょうか。
離乳食で野菜はレシピに使いやすいこともあり、離乳食レシピもたくさんありますが、その中でもトマトはそのままでも加熱調理でも使いやすいため、離乳食に登場する機会が多い野菜です。栄養も豊富でたくさん食べさせてあげたいですが、どのくらいの期間から離乳食で使えるのかが気になります。

そこで、トマトを使った離乳食レシピや、食べさせるときの注意点などをご紹介します。
トマトに含まれるリコピンの効果
最近、スーパーの店頭を覗くと、いろいろな種類のトマトがあり、黄色やオレンジなど鮮やかなトマトから、黒いトマト、さらには緑のトマトまで並んでいます。それぞれに効能の違いがあり、体の余分な塩分を排出してくれるカリウムや疲労回復の効果が期待できるクエン酸の他、ビタミンも豊富に含まれています。
ですが、離乳食レシピに使いたいのは、リコピンの豊富な赤いトマトです。リコピンはダイエットに効果が期待できることもよく知られ、トマトダイエットも流行りましたが他にもいろいろな効能があります。
抗酸化作用
トマトのリコピンで一番に上げられるのは抗酸化作用です。呼吸によって体内に取り込んだ酸素の内、約2%は酸化力の強い活性酸素になり、体に入ってきた細菌やウイルスを退治する働きが期待できるといわれているため、活性酸素は決して悪者ではありませんが、食品添加物の摂り過ぎや、大気汚染、紫外線などのせいで活性酸素が増えすぎてしまうことがあります。
活性酸素は体をサビさせるため、体中の老化を早めてしまうことがあります。トマトに含まれるリコピンは、そんな活性酸素の力を抑える働きが期待できるため、大人が食べるのはもちろんですが、抵抗力の低い赤ちゃんにもトマトのリコピンの抗酸化力は必要です。
抗アレルギー作用
活性酸素は、現代人に多いアレルギーやアトピーの発症にも関係しているため、離乳食でトマトを積極的に使うことで、アレルギーの症状を抑えたり、改善したりする効果も期待できます。リコピンを使用した実験で、ハウスダストや花粉症の症状にある一定の効果が認められた結果も報告されているそうです。
美白作用
紫外線を浴びると、シミやシワの原因になるメラニンが肌の内側で作られてしまうことはよく知られてしますが、トマトに含まれるリコピンは、メラニンの生成を抑える働きも期待できます。紫外線は、強い日差しがあるときだけでなく、今は一年中気を付けなければならず、日焼け止めクリームなどが手放せません。
さらに、紫外線はシミやシワだけでなく、皮膚がんの原因になることもあるため、クリームや帽子だけでなく、離乳食でトマトを継続的に食べさせて、体の中からも紫外線の対策に役立てるようにしましょう。離乳食レシピに使うだけでなくママも一緒にトマトを食べて、きれいな肌を目指しましょう。

離乳食でトマトが使えるのはいつから?
体のためにも肌のためにも積極的に離乳食レシピに取り入れたいトマトですが、実際にいつから赤ちゃんに食べさせられるのでしょうか。答えは、離乳食初期からトマトは使えます。他にもそのまま使える野菜はありますが、トマトの良い点は、手に入れやすく、離乳食で必要な裏ごしも簡単にでき、生でも加熱しても使えるところです。
離乳食のトマトを食べさせるときの注意点
離乳食でトマトを赤ちゃんに食べさせたとき、口の周りが赤くなってしまうことがあります。食物アレルギーのように見えますが、これはヒスタミンによる中毒です。中毒と聞くと、二度とトマトを食べさせてはいけないように感じてしまいますが、ヒスタミンによる症状は「仮性アレルギー」と呼ばれるもので、食物アレルギーのように重篤な症状になることはほとんどありません。
赤ちゃんの体調が悪かったり、食べ過ぎてしまったり、古いものを食べてしまったりすると起こることが多いようで、万が一症状が出た場合は、しばらく様子を見て離乳食でトマトを食べさせることを控えるようにしましょう。ヒスタミンは、トマト以外の野菜では、ほうれん草やナス、じゃが芋にも含まれていますので、離乳食で初めて使うときは1種類ずつレシピで使うようにしましょう。
それでも心配な場合は、トマトを離乳食で食べさせるタイミングを午前中にして、何か気になることや心配なときは、すぐに医師へ相談に行くようにしてください。
離乳食におすすめなトマトの選び方
赤ちゃんの味蕾の数は、大人と比べると約1.3倍も多いそうです。そのため、大人が食べると無味に感じるほど薄味でも、赤ちゃんにとっては丁度よい味付けになります。とはいえ、赤ちゃんがしっかり感じる味は「甘味」「旨味」「塩味」の3種類だけといわれていますので、酸味のあるトマトの離乳食は「食べてはいけない味」と感じる赤ちゃんもいます。
そのため、赤ちゃんに喜んで離乳食のトマトを食べてもらうためには、甘いトマトを選ぶ必要があります。なら赤いトマトを選べば間違いない…というわけではなく、甘いトマトを選ぶためには、お尻から放射線にのびる「維管束」という白い線の長さを確認する必要があります。
維管束が長ければ長いほど甘いトマトといえ、短ければ酸味の強いトマトといえます。また、ミニトマトは、維管束が2本しかないので維管束がしっかり確認できれば甘いトマトといえそうです。

トマトを離乳食で使うときの皮や種は?
赤ちゃんが離乳食のトマトを少しでも食べやすくするためは、薄くても皮をむいたり、種を取る必要があります。、皮や種は、赤ちゃんが飲み込むときに邪魔になるだけでなく、消化が悪いため便秘の原因になる可能性もあります。トマトによっては皮が厚いものもあり、離乳食で使う場合は他の野菜や果物と同じように包丁で皮をむき、種はスプーンなどで取り除いてください。
ただし、新鮮なトマトが無いときや裏ごしなどの下処理が面倒なときは、缶詰のトマトやトマトピューレを離乳食レシピに代用してもOKです。

離乳食で使うトマトの皮むき方法
トマトの皮むきにはいくつかやり方があります。一番オーソドックスなやり方は、適当な鍋にお湯を沸かし、お尻に十字に切り込みを入れたトマトを皮がめくれるまで入れ、後は冷水に取れば皮がむける「湯むき」か、トマトのヘタの近くにフォークを刺し、皮がめくれてくるまでコンロの火で直接あぶる「直火むき」の調理法があります。
離乳食だけにトマトを使うのであれば、直火むきは1個ずつ皮むきができるのでおすすめです。ただし、あまり火であぶり過ぎるとフォークが熱くなってくるので、火傷などに気を付けてください。ミニトマトはヘタを取り、熱湯で軽く茹で、冷水か流水で冷やすと皮が簡単にむけます。
冷凍トマトは離乳食に便利
トマトを離乳食レシピで使う場合、皮むきしたり、種を取ったり、裏ごしをしたりなどの下処理が不可欠ですが、時間の無いときや、その都度下処理をしてから調理となると面倒に感じてしまうことがあります。トマトは大きいままでも、ミニトマトでもそのまま冷凍できます。
ミニトマトは、凍ったまま流水で洗うだけで皮がはじけて簡単にむくことができます。大きなトマトは、レンジで解凍すると皮がむきやすくなります。忙しくてトマトの下処理が面倒なときは冷凍してしまいましょう。

離乳食初期用【トマトピューレ】
そのまま食べさせたり、おかゆに混ぜたりと便利に使いまわしができる離乳食用トマトピューレのレシピです。トマトは調理しやすい方法で皮をむき、横半分に切りスプーンで種を取り除きます。ブレンダーやミキサーなどにかけ、裏ごしすればOKです。
トマトにはもともと塩味がうっすらあるので、特に味付けの必要はありません。動画ではくし型にカットして種を取っていますが、調理方法に決まりはありません。やりやすい方法で行ってください。さらに、動画のようにカットしたトマトを直接裏ごししても構いません。
裏ごししたトマトは、蓋ができる製氷皿に小分けに入れ冷凍しておくと、離乳食で使うときに1個ずつ取り出せて便利です。粉ミルクと混ぜたり、ドレッシング代わりに使ったりなどいろいろと工夫してください。
離乳食初期用【トマトスープ】
トマトスープは、離乳食初期だけでなく離乳食後期までずっと使うことができるレシピです。離乳食初期は、ニンジン、玉ねぎ、キャベツで作る基本の野菜スープとトマトをすりおろしたり、裏ごしして作るトマトペーストを1:1の割合で混ぜてトマトスープにし、離乳食中期に入ったら野菜の種類を増やして作った野菜スープとトマトペーストを合わせます。
トマトペーストは、トマトを横にカットして種を取り、後はすりおろすだけでOKですが、裏ごししてあげるとさらに口当たりがなめらかになります。野菜スープは、野菜を適当な大きさにカットして鍋に入れ、ひたる程度に水を加えて玉ねぎが透き通るまで煮たらザルでこします。

トマトペーストと野菜スープを別々に小分けにして冷凍しておき、離乳食を作るときに必要な量を合わせてレンジで加熱すればスープにできます。冷凍保存の期間の目安は1週間です。
離乳食中期用【ベビートマトソース】
離乳食中期はモグモグ期ともいい、裏ごししたペースト状のものだけでなく、舌と上あごを使って粒状のものをつぶしながら食べる練習が必要な時期です。野菜を裏ごししたものに粒状のものを混ぜ合わせたり、おかゆも10倍粥から徐々に7倍粥や5倍粥などに変えていきます。離乳食に使うトマトソースは、今まで裏ごしして使っていたトマトも細かく刻んで加熱する作り方に変わります。
トマト1個は皮をむいて種を取り角切りにしたら鍋に入れ、ニンジン約5cm、玉ねぎ1/4~1/2個、ピーマン1個などの野菜はすべてみじん切りにし、レンジ加熱である程度火を通したらトマトを入れた鍋に加え、鶏ひき肉100gも混ぜたら火を付けて混ぜながら炒めます。ケチャップ小さじ1を加えてふたをし、弱火で5~10分汁気が少なくなったら火をとめます。

出来上がったトマトソースは、粗熱が取れたら保存容器に小分けにします。離乳食のおかゆに混ぜたり、柔らかく茹でたじゃが芋と混ぜてチーズを乗せてオーブンで焼いたりなどいろいろと使えて便利です。
離乳食中期用【トマトとツナのリゾット】
離乳食におかゆやリゾットは欠かせませんが、鍋で少しだけ作るのは面倒なときもあります。そんなときは炊飯器のおかゆモードを利用して少し多めに作り、製氷皿に小分けに入れて冷凍保存してしまいましょう。ツナ缶を離乳食に使う場合は、食塩とオイル不使用のものを選ぶようにしましょう。
お米0.5合分を研ぎ、炊飯器のおかゆモードの分量の水を入れます。トマト1個は皮をむき種を取って適当に切り、ブロッコリー1/3房は花蕾の部分を切ってほぐし、ニンジン1/4本、玉ねぎ1/6個はみじん切り、じゃが芋小1個は1㎝角程度に切ります。ツナ1缶とケチャップ大さじ1と野菜全てを炊飯器に加えておかゆモードで炊き、炊き上がったらトマトとツナをほぐすように混ぜます。
野菜とツナの風味でケチャップを入れなくてもおいしく作れます。トマトも小さくカットしたり裏ごしする手間もないので簡単です。
離乳食後期用【トマトの卵炒め】
離乳食後期のメニューはバナナくらいの硬さに変わり、自分で食べようとする意志も出てくるので、手づかみで食べられる離乳食を用意してあげることも必要です。大人と一緒に食事をするようになるので、赤ちゃんの分を大人のメニューから薄味にして調理してあげてもOKです。
ミニトマト2~3個、小松菜1束は食べやすい大きさに切ります。フライパンでオリーブオイル少量を温めたら弱火で野菜とツナ缶1/2缶を炒め、野菜がしんなりしたら卵1個を入れてかき混ぜ、全体に火が通ったら完成です。冷めたら冷凍保存も可能です。小松菜をほうれん草に変えたり、温める前にチーズを加えたり、食べるときに少しケチャップを入れてもおいしいです。
大人も一緒に食べられる離乳食レシピですが、物足りない場合は塩などを少し加えてください。ツナ缶は、できれば食塩とオイルが不使用のものを選ぶようにしましょう。ミニトマトの皮が気になる場合は取り除いてください。

離乳食後期用【食パントマトキッシュ】
離乳食用のキッシュは食パンを使えば簡単です。小さく取り分けてあげれば、赤ちゃんが手づかみで食べることもできます。乗せる野菜は赤ちゃんの好きなものに変えたり、缶詰のトマトに変えたりなどアレンジも自由です。
食パン6枚切り1/2枚を押しつぶし、適当な大きさにカットしてオーブン皿に広げます。卵1/2個、玉ねぎみじん切り20g、ミックスベジタブル、豆乳各大さじ2、塩コショウ少々を混ぜパンを並べた皿に流します。ミニトマト1個を6等分に切って並べ、粉チーズ少々をふり、レンジで1分加熱したら、トースターで7分焼きます。


離乳食初期から後期まで大活躍のトマト
栄養たっぷりで離乳食のレシピにたくさん使いたいトマトですが、食べさせ過ぎは体によくありません。離乳食を始めたばかりは、何かと気を使い過ぎてしまい、あれもこれもと頑張りすぎてしまうこともあります。ですが、どんなに頑張って離乳食を調理しても、まったく食べてくれないときもあります。

また、離乳食初期のころはトマトの味に慣れずに食べてくれなくても、月齢が変われば食べてくれるようになることもあります。離乳食の初期から後期まで気軽に調理ができるトマトは、調理方法もいろいろなので、一度赤ちゃんにそっぽを向かれてもあきらめずに使ってください。トマトは調味料としても使えますので、ぜひ、離乳食に活用してください。
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