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ジーンズのリペア方法まとめ!補修の仕方・コツやカスタム例を紹介
ジーンズが傷んでしまい、穴が開いたり切れてしまったりしたことはありませんか?ダメージジーンズとして履いてもいいですが、やぶれた場所によってはリペアしないと履けない場合もあります。自分でリペアするのは難しそうですが、簡単な方法もありますので挑戦してみませんか?

目次
お気に入りのジーンズならリペアしよう
性別も年代も問わず、ジーンズは誰もが1着は持っているファッションアイテムです。デニム素材はフランスで生まれ、イギリスの織物技術の発展と共に進化し、アメリカでジーンズの原型が完成したといわれています。他のアイテムではあまり好まれませんがジーンズだけは「汚れ」「色落ち」「やぶれ」までファッションとなり、マニアの間では高額で取引されるほどです。

ですが、ファッションとして認められているとはいえ、あまりにひどいダメージの場合、補修しなければ着続けることが難しいものもあります。また、ダメージジーンズとして着用するつもりがなければ、早い段階で補修したいと考える人もいます。

そこで今回は、お気に入りのジーンズや大切にしたいと考えているジーンズを少しでも長く着用できるように、自分でできるリペア方法を紹介します。手縫いで行う少し手間の掛かる補修方法もありますが、アッという間にできる補修方法もありますので、自分に合った方法でリペアしてください。
ジーンズのリペアの前に準備するもの
ジーンズのリペアの方法を紹介する前に、必要な道具を知っておきましょう。まず、ジーンズのクセを直すためのアイロンが必要です。手芸用のアイロンもありますが、補修材料に使うこともあるため、家庭用アイロンの方が使い勝手がよくおすすめです。

次にあると便利なのがミシンです。家庭用のミシンでも十分ですが、厚物にも対応できるミシンならジーンズでも安心して縫うことができます。ミシンがなければ針と糸だけでも対応できます。今は100均でも色々な針の種類があり、太い針から細い針までセットになっているものもあります。

ジーンズをリペアするときの針について
針には洋針と和針があるのですが、和針と洋針では針先の形が違い、和針は針先の細い部分が洋針よりも長く作られているため、洋裁で使用する布で使うと針先が折れてしまう可能性があります。洋針はメリケン針とも呼ばれ、No.〇と数字が表記され、数字が小さいものが太く、大きいものが細くなります。
厚手の生地を縫うなら、数字の小さい針、もしくは「厚地用」と表記のある針を選ぶ方にしましょう。ミシンで縫う場合もミシン針に「デニム用」と表記されているもの、もしくは一番太いミシン針を選ぶと針折れの心配がありません。
ミシンでジーンズをリペアする方法
ジーンズのリペアをミシンで行う方法は、どの箇所でもほぼ同じです。ここでは、一番切れやすいヒザの辺りのリペア方法を紹介します。この方法なら、大きく切れてしまった箇所もきれいに補修することができ、仕上がりはほどよいダメージ感を残しつつ、違和感なくリペアすることができます。
やり方は①補修したい箇所のサイドの縫い目をリッパーなどを利用してミシンがかけやすくなるように開きます。②ベージュ系の薄手の布を用意し、リペアしたい箇所の下にあてます。③布がずれないように仮止めしたら、直線縫いで縦に細かく前後に縫っていきます。
動画では粗めに縫い上げていますが、穴が大きくない場合はなるべく縫い目を細かくすることと、糸の色をグレーにすると補修部分を目立たせなくするコツになります。このリペア方法は「たたき縫い」と呼ばれる縫い方で、プロも同じ方法でリペアしています。
手縫いでもできる!ジーンズのリペア
ジーンズを手縫いでリペアするのはミシンと比べると時間はかかりますが、味のある仕上がりとなり、やり方によってはおしゃれに見せることもできます。手縫いのコツは縫い目をどう見せるかですが、焦らずにコツコツと仕上げることが一番のポイントです。

やり方は①リペアしたい箇所に合わせて下から布を当て、ずれないように周囲を手縫いします。②穴の開いている箇所を通過するように縦に縫い合わせます。縫い目の長さは枠に合わせて揃えたりわざと長さをかえたり、縫い目と縫い目の幅も自由に変えてください。
裏にあてた布は、布端を内側に折り込んだり、穴をふさいだ後で余分な部分を切り取ったりしてください。もしあて布に厚手のものを選んだ場合、ミシンのように細かい幅で縫うとあて布の形がそのまま表に浮き出てしまうこともありますので、あて布に合わせて縫い幅を変えるのもコツです。
股部分がやぶれたジーンズをリペアする方法
ジーンズの股の部分も切れやすい箇所です。補修の方法はヒザやモモの部分とほぼ同じですが、履いた時に違和感を感じにくくするため、あて布のあて方にコツがいります。使う布はあまり厚手のものではなく、綿シャツのような肌ざわりのよいものを選ぶようにしましょう。
内側へ折り込めるようにしるしよりも大きめにカットしたあて布を補修したい箇所にあて、周囲を丁寧に手縫いで縫い上げ、補修箇所の周囲も細かく手縫いで縫い、ダメージが広がらないように仕上げています。動画では玉結びで糸を留めていますが、返し縫いをするとほどけにくくなり、より仕上がりがきれいになります。
10分でできる簡単なジーンズのリペア方法
手芸店などで手に入る、アイロン接着テープを利用するリペア方法です。破れたり穴が開いた箇所をふさぐように接着テープであて布をアイロンで接着するだけなので、10分もかからずに簡単にリペアできてしまいます。ジーンズの破れ口にはみ出る織り糸が気になることもありますが、気にならなければそのままでもOKです。
詳しいやり方は①ジーンズを裏返しあて布の位置を決めます。②空いた穴の周囲を接着テープで囲み、テープがはみ出ないようにあて布を置いたらアイロンで圧着しながらジーンズに接着していきます。接着テープをうまく使うコツは、アイロンは滑らせず同じ箇所に20秒ほど置くようにし、ハンカチなどを掛けた上からあてるようにするとやりやすくなります。

アイロンの設定温度は接着テープに表記されていますので、それを守るようにしましょう。さらに、ジーンズのような厚手の生地を接着させるコツは、テープを2枚重ねにすることです。アイロンで接着させてジーンズなどを補修するアイテムは他にも別の名称で販売されていますので、探してみるとサイズなどピッタリなものが見つかります。
糸も針も要らないジーンズのリペア方法
スティック状の接着剤を熱で溶かして使うため「ホットメルト接着剤」または「ホットボンド」と呼ばれますが、その接着剤をセットして使う道具が銃のような形をしているためグルーガンといい、100均ショップでも購入できるので持っている人もいるのではないでしょうか。
グルーガンは、ハンドメイドやDIYよく利用されますが、ジーンズのリペアにも使えます。グルーガンはボンドなどと違い、冷えるとすぐに固まってしまう特徴があるため、うまくリペアするコツはグルーガンを一気に塗らず、貼りつけては塗るを繰り返し、余分な布をカットした後もはがれてくるのを防ぐためにさらに塗り足すようにするとうまくできます。
グルーガンについて
グルーガンには低温用と高温用があり、家庭用のグルーガンは火傷防止もかねて低温用のものが主流ですが、中には切り替えが可能のタイプもあります。そのため、グルースティックも高温用と低温用のものがあるため、低温用グルーガンで高温用のグルースティックを使用すると接着強度が落ちるので確認が必要です。
100均ショップで販売されているグルーガンに関しては、軽量で使いやすさの点ではおすすめですが、耐久性に関しては不安がありますので、グルーガンで色々カスタムしたり、使用するシーンが多かったりする人なら11mmのグルースティックが使える一般的なグルーガンがおすすめです。

ジーンズのリペアは100均グッズでもできる
100円均一のお店には洋服の補修におすすめなグッズや布用ボンドも販売されています。そういったグッズを利用することで、ジーンズのリペアを簡単にすることもできます。手芸コーナーにはデニム生地のハギレもありますので、補修したい箇所に合わせてカットして利用できます。
やり方は①ジーンズを裏返し、リペアしたい箇所の大きさよりもやや大きめにデニム生地をカットします。②手芸用ボンドを開いている穴の周囲に塗り、カットした生地を貼りつけたらしっかり乾くまで待ちます。③乾いたことが確認できたら余分な部分を切り落とします。
④表に返して穴の周囲のほつれ糸が気になるならキレイに切り取り、自然な感じに仕上げたい場合は穴の周囲を手縫いで縫い目を見せるように直線縫いで好みの線を入れてください。

ワッペンでジーンズをリペアする
好みのデザインのワッペンでやぶれた箇所や穴が開いた部分を隠してしまうリペア方法です。リペアのためだけに付けるのではなく、色々なワッペンを組み合わせればジーンズをカスタムしたように見えてかっこよくなります。MA-1ジャケットもワッペンでカスタムしますが、ジーンズも同じようにカスタムすれば注目を集めそうです。
ワッペンは自分で作ることもできます。作り方は洗えるフェルトに直接図案を書く、もしくは下絵を描いた紙を重ねて裁断し、あとは絵の面を刺しゅう糸で埋めるように刺していきます。好きな図案で作れますので市販では手に入らないワッペンも作れます。
リペアした部分をデザインに見せる
色々な縫い方ができるミシンがあれば、基本のたたき縫いではなく、縫い目そのものをデザインのように見せるカスタム方法もおすすめです。大きく空いた穴をふさぐあて布を同系色にし、縫い糸をジーンズ本体の色と合わせれば、縫い目模様を全て変えてもうるさい感じではなくなります。
ジーンズのポケット口もやぶれやすい箇所ですが、好みの生地をバイアスにカットして使ったり、バイアステープを利用したりすればポケットにアクセントができるパイピングリメイクでカスタムできます。画像のような同系色にしたり、和柄の生地でもおもしろいです。
パッチワークのようにジーンズをリペアする
色の濃淡に違いのあるデニム生地や、あまりに古くなりすぎて履けなくなってしまったジーンズなどを適当な大きさにカットし、リペアしながら生地を組み合わせてパッチワークのようにジーンズに縫い付けていけば、誰にも真似できないオリジナルなジーンズにカスタムできます。
生地をジーンズに縫い付けていくだけなので、パーツ用の生地の布端の処理は必要なく、とにかく重ねて縫い付けていくだけなので、ミシンでも手縫いでもOKですが、味わいがでるのは手縫いの縫い目です。また、ジーンズは上部などでカットしてバッグにカスタムするのもおすすめです。

プロのジーンズリペア方法も知りたい
小さなやぶれや穴なら自分でリペアすることも簡単ですが、やぶれた箇所が多かったり、長年履き続けたりしたジーンズは逆に傷めてしまい、せっかくリペアしてもすぐに履けなくなってしまうこともあります。そんなときは思い切ってプロにお願いしましょう。
ジーンズ修理料金は基本的に何㎝四方なのかで料金が変わります。店舗にもよりますが、標準的なやぶれなら\1,000~\2,000でリペアでき、特殊なケースになるとどの店舗でも要相談となります。大切なジーンズなら諦めて処分する前に一度問い合わせてみましょう。
傷み防ぐジーンズの洗濯方法
ジーンズマニアの間で「色落ちする」「型崩れする」などの理由で「ジーンズは洗わない」ことが当たり前とされたことがありましたが、着用したものを洗わないことは当然ながら不潔で、ジーンズのためにもよくありません。洗わない=長持ちすると考える人もいますがそれも間違いで、履いているときに付いた汗や皮脂が原因で生地を傷めて弱くすることが知られています。
ジーンズ専門メーカーでは、スポンジやブラシなどを使い、部分洗いで手洗いし、洗濯機は極力使用しないことをすすめていますが、洗濯機でも洗い方に気を付ければ大丈夫です。方法は、ジーンズを裏返し、標準モードではなく短時間で洗うコースを選び、水で洗ってください。
干し方は、縦横に軽く引っ張ってからウエスト部分が下になるようにし、風通しのよいところで陰干しします。コツは洗濯時から干し終わるまで裏返しのままにすることで、色落ちや表地のこすれを防いでジーンズを長持ちさせることができます。

穴のあいたジーンズをあえて生かす方法
ジーンズのダメージをミシンや手縫いでリペアしたり、ワッペンでカスタムしたりするのもいいですが、ダメージそのものをデザインとして利用したいこともあります。ですが、そのまま履くのではなく素肌を隠すように履けば、ワンランクアップした大人女子向けの着こなしが楽しめます。
さらに、下の画像のようにコードやハトメやリボンを利用したジーンズのリペアなら、リボンの色を変えたり、結び方を変えたりなどで表情を変える事ができ注目を集めそうです。付け方はカスタムしたい箇所の左右にコードを縫い付け、ハトメを付けたら靴紐を通すイメージでリボンなどを通します。
下の動画は、ハトメの付け方の参考になる動画です。うまくハトメを付けるコツは、生地に穴を開けた後、ハトメを通したときにほつれた糸をきちんと処理し、金づちなどで打つときは時々確認して、斜めにならないようにすることです。

ジーンズのリペア方法に正解はない
洋服の補修やカスタム方法は色々あり、仕上がりも元通りにするやり方が正解なリペア方法もありますが、ジーンズの場合は少し考え方が違い、ダメージ感を残しながら仕上げる方がいいといわれています。ですが、それも正解というわけではなく、ジーンズはどんな仕上げ方でも履く人が「それでいい」と考えればそれが正しいリペア方法になります。
使う道具もミシンでひたすら縫う方法でも。針と糸を使い手縫いで刺し子や刺しゅうのようにする方法でもOKです。もし、リペアしたいジーンズがあるなら、これを機会にオリジナルを目指して、好きな方法で蘇らせてみませんか?お気に入りのジーンズに生まれ変わるかも知れません。