夏の俳句を紹介!有名なものや宿題の参考になる季語・作り方も解説

俳句は日本独自の文化です。この記事では、夏の有名な俳句を紹介するとともに、学生の宿題にも役立ちそうな俳句の作り方を紹介いたします。作り方のルールと季語を覚えれば、俳句は簡単に作れます。夏の出来事や気持ちを俳句にしたためましょう。

夏の俳句を紹介!有名なものや宿題の参考になる季語・作り方も解説

目次

  1. 俳句の基本は575の17字
  2. 俳句は海外にも進出している
  3. 川柳は俳句と違う?
  4. 俳句といえば松尾芭蕉が有名
  5. 松尾芭蕉の有名な夏の俳句を紹介
  6. 夏の俳句と思われがちな松尾芭蕉の有名な俳句
  7. 教科書にも載っている有名な夏の俳句
  8. 俳句の季語や手紙の挨拶にも使える夏の暦
  9. 夏の季語になるさまざまな行事
  10. 天候も夏の季語になる
  11. 夏の季語になる身の回りの物を紹介
  12. 食べ物も俳句の季語になる
  13. 小学生にも簡単な俳句の作り方
  14. 俳句を作る上で注意したいこと
  15. まとめ:季節の俳句を詠んでみよう!

俳句の基本は575の17字

日本人は古くから和歌を作ってきました。575の上の句と、77の下の句で構成されている和歌から、上の句の17字だけで成り立ったものが俳句です。松尾芭蕉の活躍によって江戸時代に流行した俳諧の句は、明治時代には略して俳句と呼ばれるようになりました。

日本の文化である俳句は、文字数が少なく作り方が簡単なので、学校の国語の授業で教えられているだけではなく、宿題に出されることもあります。

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俳句は海外にも進出している

飲料メーカーの伊藤園が行っている「伊藤園おーいお茶新俳句大賞」という俳句コンクールには、日本語俳句部門だけではなく英語俳句部門もあり、さまざまな年齢や国籍の人々が俳句を応募しています。俳句はHaikuあるいはHaiku poemと訳され、日本文化を学ぶ授業の宿題に出されるケースもあります。

日本語の俳句は17字ですが、英語のHaikuは17音節以下の3行詩が基本です。日本語の575の俳句は声に出して詠んだ時のリズムが違いますが、作り方が簡単なので世界中に広まり、俳句をユネスコの無形文化遺産に登録する運動も行われています。

川柳は俳句と違う?

第一生命では、世の中の流行やサラリーマンの姿をテーマにした「サラリーマン川柳」を募集しており、優秀な作品が新聞に載ることもあります。川柳も俳句と同じで、575が基本です。俳句には季節(新年と春夏秋冬)を表す季語を入れるというルールがありますが、川柳は季語を入れなくても構いません。

俳句は切れ字を重視する

学生時代に、古文の宿題で文法の活用形を暗記した人もいるかもしれませんが、俳句は「や」「かな」「けり」などの切れ字を使うのが特徴です。これらの言葉は文語(書き言葉)ですが、川柳は話し言葉である口語を使うので、切れ字を使わなくても構いません。

俳句には基本的に季語がつきもの

川柳が主に人間を題材にしているのに対して、俳句では自然や季節が題材になります。このため、俳句には季語がつきものですが、俳句の種類には、季語を入れない無季俳句というものもあります。切れ字の使用や、文語と口語の違いは、川柳と俳句を区別する材料になりますが、現代ではあまり堅苦しい決まりはありません。

俳句といえば松尾芭蕉が有名

松尾芭蕉は世界的に有名

俳句の存在と共に世界的に有名な人物が、江戸時代に活躍した松尾芭蕉です。彼は1644年に伊賀国(現代の三重県伊賀市)で産まれました。1689年に、彼は弟子の河合曾良とともに江戸から北関東や東北、北陸地方を旅します。その時の様子を記したものが紀行文「奥の細道」です。

「奥の細道」以外にも旅をした松尾芭蕉

1684年に江戸から伊賀に里帰りして、正月を迎えた後、木曽と甲斐(現代の長野県と山梨県)を経由して江戸に戻った様子を記した「野ざらし紀行」や、1690年に近江(現代の滋賀県)の幻住庵で暮らしていた頃の様子を記した随筆「幻住庵記」など、松尾芭蕉は「奥の細道」以外にも紀行文や随筆を著しています。

松尾芭蕉の正体にはこんな説も!

江戸時代には街道に関所が設けられており、通行手形がなければ関所を通過することができませんでした。そんな時代に旅ができたことや、1日あたりの移動距離が40km~50km(当時の成人男性の平均移動距離は約30km)であること、忍者の里として名高い伊賀の出身であることなどから、松尾芭蕉は幕府の使命を受けた忍者だったのではないかという説があります。

松尾芭蕉の有名な夏の俳句を紹介

夏草や兵どもが夢の跡

俳句の兵(つわもの)とは、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて奥州平泉(現代の岩手県)の有力者であった奥州藤原氏のことです。中尊寺金色堂に代表される勢力を誇った奥州藤原氏は1189年に源頼朝によって滅ぼされました。過去の栄華は失われ夏の草が生い茂る場所に、松尾芭蕉が思いを馳せて作ったのがこの俳句です。

閑かさや岩にしみ入る蝉の声

松尾芭蕉が山形県の立石寺(りっしゃくじ)で詠んだ俳句です。平安時代に創建された立石寺は山の上に位置する静かな寺院です。そんな静かな場所で蝉が鳴いている様子を詠んだのがこの俳句で、蝉は夏の季語です。

五月雨を集めて早し最上川

「奥の細道」に収録されている、松尾芭蕉の有名な俳句の一つです。最上川は山形県を流れる川で、日本三大急流の一つです。この俳句には、雨が降り注ぎ、水の流れが早くなった様子が詠まれています。五月雨(さみだれ)は旧暦の五月に降る長雨、いわゆる梅雨のことで、夏の季語です。

夏の俳句と思われがちな松尾芭蕉の有名な俳句

俳句の季語は暦に注意

1873年に太陽暦が導入されるまで、日本では太陰暦(旧暦)を使っていました。このために暦にズレが起き、夏の季語だと思っていたものが、春や秋の季語だったということもあります。小学生の宿題で俳句を作るならば、特に気にする必要はありませんが、受験などで有名な俳句の季語と季節を答える問題が出た時には注意が必要です。

古池や蛙飛びこむ水の音

この俳句は1686年に松尾芭蕉が作った有名な俳句です。蛙は冬眠から目覚めて活動する生物で、春の季語です。小林一茶の「やせ蛙負けるな一茶ここにあり」という俳句も、春の季語であるやせ蛙が使われていますが、梅雨の時期に鳴く雨蛙や青蛙は、夏の季語になります。

荒波や佐渡に横たふ天の河

佐渡という言葉からも分かるように、松尾芭蕉は越後(現代の新潟県)でこの俳句を詠みました。季語が天の河なので、現代の日本人は夏の俳句だと思いがちですが、太陰の7月7日は秋です。このため、七夕や天の河などの七夕に関する言葉は秋の季語として扱われます。

朝顔は下手の書くさへあはれなり

松尾芭蕉の多くの弟子の中で、特に有名なのが蕉門十哲です。その一人である服部嵐雪が描いた朝顔の絵について、下手な人が描いても朝顔にはあはれ(しみじみとした趣)があるいう感想の俳句です。夏休みの宿題で観察することもあり、朝顔には夏のイメージがありますが、秋の季語です。夏の花である紫陽花やヒマワリ、サルスベリなどは夏の季語です。

教科書にも載っている有名な夏の俳句

松尾芭蕉の弟子やその影響を受けた人々によって、俳句は時代と共に発展を遂げました。国語の教科書や資料集に載っている有名な俳句をご紹介します。

目には青葉山ほととぎす初鰹

この俳句は、松尾芭蕉と親交のあった山口素堂が作ったものです。青葉、ほととぎす、初鰹は、全て夏の季語です。現代の俳句では、季語の使い過ぎは季重なりと呼ばれて評価が低いですが、俳諧の句が発展しつつある江戸時代に作られた俳句なので、問題はありません。春から夏に移る季節を、目と耳と舌で感じて詠んだのがこの俳句です。

愁ひつつ岡にのぼれば花いばら

与謝蕪村は18世紀に活躍した人物で、多くの俳句や絵画を手掛けました。彼のこの俳句は、うち沈んだ気持ちで丘を登ったら、花イバラが咲いていたというものです。夏の季語である花イバラは野イバラともいい、白い小さな花と枝のトゲが特徴です。与謝蕪村は「花いばら故郷の路に似たるかな」という俳句も作っています。

故郷は蝿まで人を刺しにけり

この俳句は俳句集「おらが春」の作者小林一茶の作品です。産まれてすぐに実母を失い、家族との折り合いが悪かった彼にとって、故郷(ふるさと)は心安らぐ場所ではなかったようです。この俳句の季語は蝿です。蝿だけではなく、蚊や蚤、蟻、カタツムリ、クラゲなども夏の季語です。

俳句の季語や手紙の挨拶にも使える夏の暦

日本の暦には18種類の夏がある

日本の季節を春夏秋冬に分けたのが四季ですが、太陰暦では一年を24分割した二十四節気や、二十四節気を3つに分けた七十二候があります。二十四節気や七十二候は、手紙の季節の挨拶文として使えるだけでなく、俳句の季語としても用いられています。


麦秋や子を負ひながらいわし売り

小林一茶のこの俳句は、子どもを背負った行商の姿を詠んだものです。麦秋(むぎあき、ばくしゅう)は、七十二候の一つである麦秋至(むぎのときいたる)に由来する夏の季語です。小麦や大麦は初夏に収穫が行われ、金色の稲穂が畑に揺れます。麦刈や麦わら、麦茶なども夏の季語です。

梅雨晴や上野の鳶はいつも鳴く

明治時代の歌人にして文学者である正岡子規は、俳句雑誌「ホトトギス」を創刊したことでも知られています。鳥の鳶は冬の季語である言われていますが、この俳句の季語は梅雨です。正岡子規は梅雨を季語にした多くの俳句を詠んでいます。

土用は夏だけのものではない

土用は立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を示し、1年に4回訪れます。日本では丑の日には鰻を食べる習慣がある夏の土用が一般的で、俳句では夏の季語として扱われます。

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夏の季語になるさまざまな行事

日本には季節ごとに様々な行事があります。田植えや衣替えはもちろん、各地の有名な祭りも、俳句の季語に使われます。現代俳句では、メーデーや母の日、父の日なども夏の季語になります。

お手討ちの夫婦なりしを更衣

与謝蕪村の俳句です。江戸時代の不倫は、場合によっては手討ち(死刑)にされるほど罪が重い物でした。不倫をした男女が逃亡先で夫婦になり、更衣(衣替え)の季節を迎えることができたというのが、この俳句の内容です。更衣や衣替えは、夏の季語です。これに対して、夏の衣類を冬物に交換する衣替えは「後の更衣」と呼ばれ、秋の季語として使われます。

祇園会や真葛原の風かほる

祇園会(ぎおんえ)は、毎年7月に京都市で行われる祇園祭のことです。与謝蕪村が俳句に詠んだ真葛原は、現代の京都市東山区の円山公園周辺を指します。祇園祭そのものだけではなく、山鉾や船鉾、宵山などの祇園祭に関係する言葉も、夏の季語です。京都市で行われる葵祭(賀茂祭)や東京都の浅草寺境内で行われるほおずき市などの祭礼や行事も、夏の季語となります。

天候も夏の季語になる

虹に謝す妻よりほかに女知らず

20世紀に活躍した俳人中村草田男の俳句です。夕立の後に多く見られる虹は夏の季語ですが、虹の前に「春の」「秋の」「冬の」をつければ各季節の季語になります。虹は基本的に夏の季語だということを覚えておきましょう。

夕焼けて巌に湛ふる水も染む

高浜虚子の弟子だった俳人山口誓子の俳句です。この俳句は夏の情景を詠んだものですが、夕焼けが夏の季語になったのは現代に入ってからのことでした。江戸時代から昭和時代にかけて作られた俳句に夕焼けという言葉が入っていても、夏の俳句とは限らないので、学校の宿題やテストでは注意が必要です。

夏の季語になる身の回りの物を紹介

夏になると活躍する蚊帳や風鈴、浴衣などは夏の季語ですが、夏の季語には生活の中の意外な物が選ばれていることもあります。代表的な夏の俳句をご紹介いたします。

昼寝する人も見えけり須磨の里

この俳句は1898年の夏に正岡子規が作ったものです。日本の夏は蒸し暑いので、昼寝をして体を休めるのは珍しくはありません。そのため、昼寝や午睡、シエスタは夏の季語として俳句に用いられます。寝具の一つである布団は冬の季語です。

ナイターの光芒大河へだてけり

ナイターは夜に行われるスポーツの試合を意味する和製英語です。医師にして俳人でもある水原秋桜子(みずはらしゅうおうし)のこの俳句がきっかけで、ナイターは夏の季語になりました。野球やサッカーは季語ではありませんが、ラグビーは冬の季語に選ばれています。

食べ物も俳句の季語になる

夏の季語に使える旬の食べ物

日本人は古くから、食べ物で季節を感じてきました。そのため、野菜や果物、魚だけではなく、飲み物が季語に選ばれていることもあります。

清滝の水汲ませてやところてん

ところてんは心太と書き、酢醤油や三杯酢をかけて食べる地方もあれば、黒蜜やきなこをかけてスイーツとして食べる地方もあります。俳句の清滝は京都府を流れる清滝川のことで、ところてんは山水や井戸水で冷やして食べることから夏の季語です。この俳句は松尾芭蕉が京都で詠んだものですから、ところてんは京都風の味付けだったのかもしれません。

敗れたりきのふ残せしビール飲む

山口青邨(やまぐちせいそん)は19世紀から20世紀にかけて活躍した俳人で、東京大学で教鞭をとっていた工学博士でもあります。前の日の飲み残したビールは炭酸が抜けて美味しくはなかったことが想像できます。キンキンに冷えたビールという言葉からも想像できるように、ビールは夏の季語です。

小学生にも簡単な俳句の作り方

俳句は夏休みの宿題の定番

俳句は575の17字とシンプルなので、夏休みだけではなく、普段の授業でも俳句作りか宿題に出されることがあります。伊藤園の「伊藤園おーいお茶新俳句大賞」には小学生部門(幼児も可)がありますから、作り方が分かっていれば、小学生にも作れるのです。

俳句の作り方①575のリズムを意識する

俳句は575の17字が基本ですが、文字が17字を越えた状態を字余り、逆に17字よりも少ない状態を字足らずと呼びます。575の形式を使っていない自由律の俳句もありますが、基本の形は575です。声に出して読んだ時のリズムを意識して言葉を選びましょう。

俳句の作り方②季語を1つ入れる

俳句には季語が欠かせません。太陽暦と太陰暦の違いによる季語の区別に混乱するかもしれませんが、現代俳句では深く考える必要はありません。1句につき、入れる季語は1つまでです。1つの俳句に複数の季語を盛りこむのは、季重なりと呼ばれます。

俳句の作り方③感じたものを大事にする

俳句の宿題が出された時には、季語やテーマが指定されている場合があります。それらに沿って、感じたものを感じたままに俳句にしましょう。俳句の作り方で重要なのは、気軽に楽しむことです。

俳句を作る上で注意したいこと

盗作や代作は厳禁

有名なアニメや漫画では、夏休みの宿題が終わらずに家族に手伝ってもらうシーンが登場します。創作の世界で盗作は決して許されません。俳句に限らず、コンクールで入賞した作品が盗作だと判明して、入賞が取り消された例もあります。何よりも、宿題は自分の力でするものです。

俳句や和歌の「本歌取り」という技法

俳句や和歌には「本歌取り」という技法があります。これは有名な俳句や和歌から句を引用して歌を作るもので、現代風に言えばインターネット掲示板2ちゃんねる(5ちゃんねる)のコピペ改変のようなものです。本歌取りの是非については、多くの歌人が議論していますが、学校の宿題に出すことはお勧めできません。本歌取りではなく盗作と誤解される可能性があるからです。

まとめ:季節の俳句を詠んでみよう!

江戸時代に俳句が広まり、今では外国にまで知られるようになった理由の一つには、作り方が簡単だった事が挙げられます。この記事で紹介した作り方を参考にして、皆さんも俳句作りに挑戦してみてください。

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