メラニズムの動物がかっこいい!人間や日本人には実在するのか【画像】

メラニズムの動物はかっこいい存在です。日本人にとってはあまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、画像を見るとわかるようにメラニズムは色素が沈着し黒化した個体を指す言葉です。アルビノの対義語としても知られています。特徴や人間にはいるのかなどを検証します。

メラニズムの動物がかっこいい!人間や日本人には実在するのか【画像】

目次

  1. メラニズムとは
  2. メラニズムの動物画像まとめ【大型動物編】
  3. メラニズムの動物画像まとめ【小動物編】
  4. メラニズムの動物の特徴
  5. メラニズムの人間・日本人はいるの?
  6. メラニズムの人間は発見されていない!

メラニズムとは

メラニズム

メラニズムとは、英語で「melanism」といいます。先天的に、体の組織の中の色素(メラニン)が過剰に作られる体質や、そのために通常の個体よりも黒が強い姿になった個体のことをさします。「メラニン沈着症」と呼ばれる現象なのです。色素(メラニン)が過剰の黒化した例として、黒いジャガーや黒いヒョウなどがよくあげられます。

もともと、メラニズムは色素(メラニン)からきている言葉なのですが、このメラニンは「黒い色素」というギリシア語に由来しています。我々日本人は、黒髪・黒目・ベージュの肌を持つ人が多いと言われていますが、これはメラニン色素が体の中で正常に作られている状態なんだそうです。人間は、人種によってメラミン色素を作る量が異なるので、髪の毛や目、肌の色が異なるのです。

メラニズムはアルビノの逆?

メラニズムが、体の組織の中の色素が過剰に生産される「メラニン沈着症」であることに対し、先天的に色素が欠乏している個体を「アルビノ(albino)」と呼びます。アルビノは、「先天性白皮症(せんてんせいはくひしょう)」や「先天性色素欠乏症」、「白子症」などとも称されます。メラニズムとアルビノは、黒化と白化というように見た目にも対極にあります。

アルビノもメラニズムも、どちらも色素の量が過剰に多くなったり欠乏したりする突然変異といわれています。ですから、黒い体をしている生物がすべてメラニズムかというとそうではないのです。繁殖させることができるものは、黒い色素が多いという特徴がありますが、メラニズムとは別とされています。メラニズムを見分けることは、実は難しいことのようです。

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メラニズムの動物画像まとめ【大型動物編】

メラニズムのライオン

メラニズムが現れている大型動物の中には、ネコ科の動物が多く含まれています。ネコ科の大型動物といえば、百獣の王・ライオンですが、全身まっ黒な個体は存在しないようです。ただし、体毛が黒化したライオンは非常に希少ですが存在します。珍しいので、なかなか目にすることは難しいと言われています。ネット上には、画像を加工したものも多いようです。

メラニズムの豹

美しい斑点模様が特徴的なネコ科の大型動物ヒョウの中にも、メラニズムの個体が存在します。全身が真っ黒になるクロヒョウとは別に、斑点模様もうっすらと残した状態で黒化しているヒョウの姿は、まさにマジェスティックな雰囲気です。こちらの画像でも、額のあたりに斑点模様が見えています。

メラニズムのジャガー

ジャガーは、ネコ科ヒョウ目に属する大型動物です。南北アメリカ大陸に分布しているジャガーの中にも、メラニズムの個体が存在しています。本来の個体の体色は、淡い黄色や黄褐色です。斑点模様は、梅花紋と呼ばれるもので、黒い斑点の周りを黒い斑紋が囲む形になっています。100頭に6頭ほどの確率で出現するメラニズムのジャガーは、クールな印象です。

メラニズムの馬

メラニズムの馬は、漆黒のたてがみと艶のある体毛が優雅で高貴な印象を与えます。特に、フリージアン(Friesian)ホースと呼ばれる品種は、たてがみとしっぽの毛が長くたなびく姿が特徴的です。この品種は、いわゆる青毛(あおげ)と呼ばれる黒色の個体しか認められていません。馬の青毛は、過剰な黒色メラミンによる黒化した個体のことです。

メラニズムのペンギン

驚くべきことに、ペンギンの中にもメラニズムの個体が存在します。こちらはキングペンギンのメラニズム個体です。キングペンギンは、インド洋や南大西洋の島々に生息している品種で、南極大陸には分布していません。そのため、黒化したメラニズムの個体であっても、さほど目立たないのかもしれません。キングペンギンのメラニズム個体は、およそ3000羽に1羽の割合で存在するそうです。

メラニズムのキリン

メラニズムのキリンも非常に希少だと言われています。通常は黄褐色に茶褐色の斑点模様があるキリンですが、メラニズムの個体は、全体の色味が濃くなっていることが画像からもわかります。ただし、キリンの中には通常の個体であっても生後10年以上たつと斑点模様の色が少しずつ黒化していく種類もあるそうです。

メラニズムのオオカミ

オオカミの中にもメラニズムの個体が存在します。画像のように、冬の雪原ではメラニズムの黒化した個体は、かえって目立ってしまうようにも感じます。オオカミのほかに、コヨーテなどにもメラニズムの黒化した個体が出現するそうです。

メラニズムのヤギ

黒いヤギというと、パルプ・マガジンをベースにした架空の神話「クトゥルフ神話」の神様の眷属として黒い子ヤギが存在します。さらに、「サバトの黒山羊」など、黒いヤギのイメージは、黒魔術などの禍々しいものもあります。

メラニズムのアシカ

アシカ科アシカ属の総称でもあるアシカですが、厳密にはニホンアシカ、カリフォルニアアシカ、ガラパゴスアシカの3種なんだそうです。ほかに、アシカ科アシカ亜科となると種類が増えるのですが、なんと「毛が長い」ということ以外に共通項はないとのこと。さらに、オットセイやオタリア、トドを含む場合もあります。そんなアシカの中にもメラニズムの個体が存在します。

メラニズムの動物画像まとめ【小動物編】

メラニズムのトカゲ

大型動物にみられるメラニズム個体を画像を通じて見てきましたが、メラニズムは小さな動物や爬虫類の中にも出現します。こちらは「コモチカナヘビ(Zootoca vivipara)」という名前のトカゲです。本来の体色は、カーキ色やグレーですが、こちらの画像ではうろこの1つ1つがメラニズム特有の艶感のある黒で光っています。

メラニズムのヘビ

メラニズムのヘビも、上述のトカゲと同様に黒光りするボディがスタイリッシュな印象です。ヘビの持つクールな雰囲気も、黒化したメラニズムのヘビだとさらに強調されます。こちらの画像はクサリヘビ属のVipera seoanei。南ヨーロッパに分布し、強い毒性のあるヘビです。

メラニズムのスズメ

人間の暮らす住宅街でもよく目にするスズメの中にも、メラニズムの個体が発見されています。一見すると、ほこりなどで汚れているようにも見えますが、黒化したスズメはメラニズムの現れなのです。

メラニズムのリス

こちらの画像は、黒化したメラニズムのリスです。従来はグレーと白の体毛を持つ種類のリスですが、メラニズムの影響で爪の先まで真っ暗になっています。つぶらな瞳も真っ黒です。北米やヨーロッパなどでは、街中の公園にも生息している大きめサイズのリスですが、突然メラニズムの個体を目にすると驚くかもしれません。

メラニズムのにわとり

こちらの画像は、メラニズムのメンドリです。羽毛はもちろんのこと、脚やくちばし、とさかなどがすべて黒化しています。にわとりの品種はわかりませんでしたが、一般的ににわとりといえば白や茶色などの羽毛が多いようです。そうしたイメージと比べると、メラニズムのメンドリの黒化した姿が特別なものであることがよくわかります。

メラニズムのにわとりというと、こちらの画像が紹介されることも多いようですが、実はこちらはメラニズムの個体ではないそうです。こちらの画像のにわとりは、アヤム・セマニ( Ayam Cemani)というインドネシア原産のにわとりです。アヤムが「にわとり」、セマニが「完全な黒」という意味のジャワ語で、この種類のにわとりは内臓まで黒いそうです。

メラニズムの動物の特徴

天敵から身を守ることができる

メラニズムがどのようにして発生するのか、その理由はまだ解明されていません。けれど、メラニズムの個体の特性は少しずつ明らかになってきました。その1つが、メラニズムの個体は天敵から身を守ることができるというものです。環境に合わせたカモフラージュがしやすく、夜間の行動に対しても優性です。

獲物を捕獲しやすい

反対に、捕食者側がメラニズムだった場合を考えてみましょう。黒化した個体は、やはり周囲の環境に合わせたカモフラージュ力が高いので、ハンティングにも有利です。ヘビやトカゲなどは、物陰に身を潜め、暗い影の中に隠れて餌を狩ることができそうです。

免疫力が高く強い個体である

メラニズムの個体については、さまざまな研究が行われています。その中で、メラニズムの個体は免疫力が高く強い個体であるという説があります。黒い体毛や毛皮が、ほかの色の体毛に比べて熱を多く吸収するというのがその理由です。熱を吸収すると、ウィルスの感染に高い抵抗性を示すのではないかといわれているのです。

生活習慣病のリスクも低い

さらに、体毛の色だけでなくメラニン色素自体にも注目が集まっています。メラニン色素が免疫防御の機能を増強するという説もあるのです。こうした説は、突然変異で誕生するメラニズムの動物だけでなく、環境の変化によって出現するメラニズムの昆虫を研究している中で唱えられるようになりました。汚染された環境の中でメラニズムの個体が発生し生き延びるという傾向があるそうです。

メラニズムは動物の進化の証だった?

遺伝的な突然変異で誕生するメラニズムの個体について見てきましたが、メラニズムはウィルス感染や生活習慣病にも強いとされていることもわかりました。細胞の中のメラミン色素が過剰に生産され黒化するメラニズムは、実は動物の進化の証なのかもしれません。

メラニズムの人間・日本人はいるの?

メラニズムの人間はいる?

メラニズムは、人間の中にも出現するのでしょうか。上述のように、メラニズムは色素(メラミン)の過剰生産が引き起こす「メラニン沈着症」という現象です。人間の場合、色素(メラミン)は皮膚に色素沈着することで紫外線から体を保護していることが知られています。地球上には、肌が黒い民族も存在しますが彼らはメラニズムではありません。

日本人をはじめ、人間にはメラニズムの個体は存在しないと言われています。メラニンという色素自体は、日本人にもありますが、突然変異という形で黒化した人間は出現していないのです。傾向として、アフリカや南アジア、オーストラリアに暮らす先住民族など、赤道域から近いエリアに暮らす人間は、紫外線の強い環境に適合するように肌のメラニン色素が多くなったそうですが、彼らは突然変異ではありません。

アルビノには病名がついている

上述のように、メラニズムの対義語とされるのは、アルビノです。アルビノには「先天性白皮症」や「先天性色素欠乏症」、「白子症」といった病名がついています。つまり、アルビノはメラニンの生合成にかかわる部分の遺伝子疾患と考えられているのです。

先天的にメラミンが欠乏しているアルビノは、体毛や皮膚が白くなります。また、毛細血管が透過するため、瞳孔は赤くなります。良く知られているのは、赤目の白ウサギではないでしょうか。アルビノの動物の多くは、紫外線による皮膚のダメージが大きく、皮膚がんなどのリスクも通常の個体に比べて多くなるそうです。

アルビノの動物もメラニズムの動物と同じように数が少なく希少です。さらに、自然界の中では冬の雪に囲まれた場所以外では、白は体を守ってくれる色ではありません。緑の森の中でも、茶褐色のサバンナにおいても、白い個体は目立ってしまうので敵に見つかりやすいといわれています。その希少性や見た目の神秘性から、信仰の対象として畏敬の念を抱かれることもありました。

アルビノの人間を紹介!【画像あり】

アルビノは、動物や植物にだけ存在するわけではありません。上述した病名は、人間にあてはまるものです。古くは、異形のものとして差別の対象になったり凶兆とされたり、反対に神聖な存在とされたりとアルビノの人間は、時代や地域によってさまざまな軋轢をかんじてきたようです。現在でも、アフリカのある地域ではアルビノの人間が襲われるという事件がたびたび起きています。

アルビノは、人種にかかわらず発症する症状です。こちらの画像は、モデルであり俳優であり、DJとしても活躍されているJewell Jeffrey(ジュエル・ジェフリー)さんです。アフリカにルーツを持つジュエルさんですが、現在はパリをベースにして活動されています。

Nastya Zhidkova(ナスチャ・クマロヴァ)さんも、アルビノのモデルです。ロシアのモスクワをベースに活動をしているナスチャさんですが、幻想的な雰囲気の写真も多く美しくはかなげなイメージを与えています。ロシアの人は、日本人に比べるともともと肌の色が白い人も多いのですが、ナスチャさんの白さは際立っています。

上述のように、アルビノは人種に関係なく発症するため、日本人の中にもアルビノの症状が発症している方がいます。アルビノ・エンターテイナーとして活動されている粕谷幸司さんも、アルビノの日本人のお1人です。ご本人自らの経験をもとにさまざまなアプローチでアルビノという遺伝子疾患についての啓蒙活動を行っています。

こちらも日本人のアルビノの方です。CHIHIROさんは、アルビノの日本人であることを公表してモデルをされています。こちらの画像では、2人のアルビノのキッズモデルさんと共演されていますが、この子どもたちも日本人のアルビノです。

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メラニズムの人間は発見されていない!

体内の組織の中の色素(メラニン)が過剰に生産された突然変異であるメラニズムは、ネコ科の大型動物をはじめ、哺乳類や爬虫類、鳥類とさまざまな品種に誕生します。けれど、人間にメラニズムが発症したという事例は今のところ報告されていないそうです。色素が欠乏し白化するアルビノと同様にメラニズムは希少な存在です。

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2023-04-01 時点

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