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日本のもみじで代表的なのは3種類!見分け方や品種について解説!
日本の秋と言えば紅葉と書いて「もみじ」ですが、そのもみじに種類があるのはご存知ですか?また、よく似た品種である楓との見分け方は知っていますか?この記事ではそんなもみじの種類毎に名前と特徴を詳しく紹介し、種類毎の見分け方を紹介しています。

もみじの種類と品種を徹底解説!

暑く厳しい夏を超え、過ごし易い季節へと移り変わる時期に楽しめる「もみじ」。毎年人気スポットに出かけては「もみじ狩り」に精を出す人も多いのではないでしょうか?様々な楽しみ方の出来るもみじ狩りですが、もみじの種類や名前についてご存知ですか?毎年何気なく見ているもみじは本当にもみじでしょうか?

もみじは楓の仲間に分類され、楓ともみじの見分けが付かない人も少なくありません。また、もみじには種類があり、大きく分けて3種類に分類されます。そこで、もみじの種類の名前と種類毎の特徴を徹底解説し、見分け方のポイントを紹介しましょう。今年はもみじを何気なく見るのではなく、楓と見分けたり、種類を分別して楽しんでみませんか?
秋といえばもみじ

「食欲の秋」「読書の秋」「芸術の秋」など秋には様々な楽しみがありますが、日本の春と言えば「桜」と言うように、秋には紅葉「もみじ」が定番です。普段深緑の山々が紅く色付く様は、毎年人々の目を引き付けて放しません。遠方から紅葉を楽しむのは勿論、近くに言って真下から見上げる紅葉は絶景の一言に尽きます。
種類の見分け方や名前チェック
日本人の心を引き付けて止まないもみじですが、いくつかの種類や品種に分かれている事をご存知でしょうか?一概にもみじと言っても多くの種類があり、楓との違いさえ分かっていない人も少なくありません。今回は、もみじ狩りを数倍楽しめるようになる、もみじの種類の名前と見分け方を詳しく紹介して行きます。
楓ともみじは別種類?

日本人が愛して止まない秋の風物詩「もみじ」ですが、それと同様に紅葉する事で有名かつ、もみじとの見分けが付け辛い植物に「楓」が存在しています。両者とも紅葉し、落葉する落葉高木樹ですが、もみじと楓の違いとは何なのでしょうか?もみじの種類や品種について紹介する前に、楓ともみじの違いを説明しておきましょう。
どちらも「カエデ科」に属している
まず、楓ももみじも同じカエデ科に属する仲間に分類されていますが、異なる種類の植物です。と言うのも、もみじは種類によってはムクロジ科であったりフウ科であったりするため、一概に楓の仲間と言い切れないのです。ですが、楓ももみじも手の平のような形の葉が特徴的な種類となる事に違いありません。では、楓ともみじにはどのような違いがあるのでしょうか?
違いは「色」と「切れ込み」
まず、色の違いですが、色で見分けるには種類・品種毎に異なるため、一概にこの色が「楓」であの色は「もみじ」とは言い切れません。楓ともみじを見分けるには葉の切れ込みに注目しましょう。もみじは切れ込みが深く、葉先が6~7手に別れている物。葉先に向かって小さなギザギザが入っているのが特徴です。
一方楓は、葉の切れ込みが浅目で、もみじ同様葉先が6~7手に別れていますが、それぞれの葉先がもみじよりも大まかなギザギザになっています。楓については、カナダの国旗がイメージし易く、カナダの国旗中央に描かれている葉が「楓(メープル)」であり、その葉先に注目すると、葉先に向かって大きくギザギザしている事が分かるでしょう。
このように、些細な違いではありますが、葉先に向かうギザギザの大きさで楓ともみじは見分けられます。細かなギザギザが特徴のもみじなので、遠目に見れば一見ギザギザが無いように見られます。遠目で見てもギザギザが分かるようであれば、楓と思って間違いないでしょう。
人気のもみじ3種類を紹介

楓とももみじの違いについて分かった所で、日本人に人気のもみじ3種類の名前とその特徴、自生地などを詳しく紹介して行きましょう。もみじの種類毎の特徴をしっかりチェックしておけば、どのもみじがどの種類なのか判別出来るようになり、今年のもみじ狩りも数倍楽しくなる事でしょう。
種類①イロハモミジ
日本人に人気のもみじの種類1つ目の名前は、「イロハモミジ」です。日本で最も良く見られるもみじとして有名で、ムクロジ科カエデ属に属する落葉高木です。別名イロハカエデとも呼ばれるように、楓の仲間に分類されるもみじで、樹高15m、太さは80cm以上になり、雌雄同株と言う点も特徴的です。
本州以南に自生している点も見分け方のポイントとなるで覚えておくと良いでしょう。葉は長さ3.5~6cm、幅3~7cmと種類の中では小ぶりで、5~9つの葉先に分かれて伸びます。この葉先を「いろはにほへと…」と数えた事で「イロハモミジ」と言う名前になりました。
葉先に向かって不揃いなギザギザが並び、長く尾状に伸びて行きます。後に紹介する「ヤマモミジ」や「オオモミジ」に似ていますが、見分け方は、その2種類よりも一回り小さく、ギザギザが不揃いな点です。
種類②ヤマモミジ
日本人に人気のもみじの種類2つ目の名前は、「ヤマモミジ」です。カエデ科カエデ属に属するもみじで、先ほど紹介した「イロハモミジ」の変種と言われています。樹高5~10m、幹周りは20~100cmに成長します。本州の東北から中部にかけての日本海側に自生する点が見分け方のポイントとなります。
葉は5~10cmと大型で、手の平状に7~9つに別れて伸びて行きます。葉先が9つに分かれて伸びるのは「ヤマモミジ」最大の特徴で、葉の中に9つの葉先が見られれば「ヤマモミジ」と見て間違い無いでしょう。別れた葉先は卵状の丸みを帯びた形をしており、それぞれの葉の縁に細かなギザギザ(重鋸歯)が見られます。
10月頃に紅く色付き、4~5月にかけて直径5mmほどの淡紅色の花を付けるのが特徴的です。日本海側に多く自生していますが、潮風に弱いため、海から離れた山に自生している事が多いのが見分け方のポイントとなるでしょう。
種類③オオモミジ
日本人に人気のもみじの品種3つ目の名前は、「オオモミジ」です。「ヤマモミジ」と同じく「イロハモミジ」から自然派生した変種であり、北海道から九州まで日本全土の丘陵か山地に自生している点も見分け方のポイントです。ムクロジ科カエデ属で樹高は3~12mに成長し、その成長速度は3種類の中でダントツの早さを誇る品種です。
葉は長さ7~10cm、幅7~9cm程度、7つの尾状に別れて葉先が伸びて行きます。葉のサイズが「イロハモミジ」よりも格段に大きく、葉の割け目が大きいため「ヒロハモミジ」の異名を持つ品種でもあります。見分け方は、葉の大きさが3種類中最も大きい事と、葉先の短鋸歯で細かく均等である事が挙げられます。
個体差の大きい品種でもあるので、紅くならず黄色のまま落葉する場合もあります。一帯のもみじを広く観察して、黄色のまま落葉している固体があれば「オオモミジ」と見て間違いありません。
もみじの見分け方

ここまで、日本人に人気のある3種類のもみじの特徴を詳しく紹介しました。それらの特徴をしっかり押さえた上で、しっかり種類を見分けるために、見分け方のポイントを絞って改めて紹介して行きましょう。ここでは、先ほどよりも種類毎の特徴にスポットを当てて分析し、実際に種類を見分けられるような見分け方を紹介します。
葉のギザギザ部分をチェク
もみじの種類の見分け方1つ目は、「ギザギザ部分」での見分け方です。イロハモミジとヤマモミジは「重鋸葉」のため、大きめのギザギザの間に細かなギザギザが入っているのが特徴です。
オオモミジのギザギザは「短鋸歯」と言い、短目のギザギザのみが入っているのが特徴です。葉のギザギザ部分に注目すればイロハモミジ・ヤマモミジとオオモミジに分類出来、オオモミジはこれで見分けられます。
葉の切れ込みをチェック
葉のギザギザ部分に続いて、もみじの種類の見分け方2つ目は、「切れ込み」です。もみじの葉先は卵状で、中央がぷっくりとした形状が特徴的です。この葉の形状と切れ込みの根元部分を見比べると、卵部分の脹らみよりも根元の方から切れ込みが入っているのが、イロハモミジとオオモミジ。卵状の中央辺りで切れ込みが始まっているのがヤマモミジです。
先ほど紹介した見分け方で、重鋸葉がイロハモミジとヤマモミジ、短鋸歯がオオモミジであった事と重ねて考えると、重鋸葉で歯の切れ込みが深いのがイロハモミジ、重鋸葉で切れ込みが浅いのがヤマモミジ、短鋸歯で切れ込みが浅いのがオオモミジと、完璧に見分けられます。
葉の大きさをチェック
さらに、完璧に見分けるためのもみじの種類の見分け方3つ目は、葉の大きさによる見分け方です。それぞれの品種を紹介する上で葉の大きさを紹介して来ました。ここでもう一度、それぞれの葉の大きさに着目しておさらいしておきましょう。まず、3種類の品種の大元である「イロハモミジ」の葉の大きさは長さ3.5~6cm、幅3~7cmと品種の中で最も小さな葉を付けます。
「イロハモミジ」の変種である「ヤマモミジ」は長さ5~10cmと非常に大きく、葉先が最大で9つの尾状に別れて成長するのも特徴的です。最後に「オオモミジ」の葉は、長さ7~10cm、幅7~9cm程度で、最小の大きさでは品種中最大を誇ります。他の葉と比べて、大きさにあまり差が見受けられない場合は「オオモミジ」と見て良いでしょう。
庭でもみじを育ててみよう!

山に多く自生しているもみじですが、意外にも日本家屋の庭で簡単に育てられる品種であったりします。ある程度の日向と湿気を好むもみじは、多湿の日本の気候にマッチしている品種な上に、選定し過ぎると返って枝枯れを起こすので、選定も不要と、かなり育て易い品種なのです。そこで、庭でもみじを育てるためのポイントを簡単に紹介しておきましょう。
もみじは洋風庭園にもマッチする
日本の秋の風物詩として人気のもみじですが、意外にも洋風庭園にもマッチします。その場合は、葉の色が明るい品種を選ぶとよりマッチすると言われています。洋風庭園には、人気の品種であり、葉の色が明るいまま落葉する「オオモミジ」が言いでしょう。庭にもみじを植える利点は、もみじ狩りが出来る他、葉が横に広がって伸びるため、目隠しになる事が挙げられます。
日向もしくは半日陰で育てよう
ここで紹介した3種類のもみじは日向を好む品種ですが、乾燥を嫌う品種でもあります。日当たりを考えると日向が良いのですが、自然に自生しているもみじは川の近くに多く分布しており、土が湿り気を帯びている事が常。そのため、自宅でもみじを植えるなら、日向か、建物や塀の影が指すような半日向がベストです。
紅葉の条件を確認

もみじの紅葉が進む条件は、まず昼夜の寒暖差が大きい事が挙げられます。そのため、植木鉢でもみじを育てる場合は時期を問わず室外に置いておくのがベスト。さらに、直射日光が良く当たる事と適度な湿気も紅葉の条件に入って来るので、半日向で適度な直射日光と湿気が保てる場所に植えれば、綺麗に色付きます。
もみじを100%楽しむ方法

眺めて楽しい日本のもみじの種類を特定出来ればより楽しいものになる事は間違いありませんが、もみじをより楽しむための方法を紹介しておきましょう。今年のもみじ狩りの前の一準備として、もみじの多種多様な楽しみ方をしっかりチェックしておいてください。
眺めて楽しむ

もみじの楽しみ方1つ目は、オーソドックスに眺めて楽しむ事です。もみじを愛する日本人は、もみじの葉が色付く時期に様々なイベントを催しています。温泉宿であれば、もみじを眺めながら露天風呂に浸かったり、ロープウェイで俯瞰のもみじを楽しんだりと様々ですが、勿論テンプレートに下から見上げるのも醍醐味です。

紅葉が見物の人気スポットに行ってハイキングやバーぺキュー、気温の落ち始めた秋から初冬にかけてもみじを遠方に眺めながらキャンプなども人気ではないでしょうか。はたまた、近所の公園へ出かけてもみじを愛でるのも手軽で人気です。一口にもみじを眺めるにしても、様々な眺め方があるので、自分好みの観賞スタイルを見つけましょう。
天ぷらにして味わう
もみじの天ぷらと聞くと驚く人も多いでしょうが、実際にもみじを天ぷらにした物が販売されています。ただ、天ぷらと言っても天丼の上に乗っているような物ではなく、かりんとうのようなお菓子として楽しむ物とされています。簡単に天ぷらと言っても、調理過程はかなり気合の要る作業となっています。
まず、もみじの葉を水洗いにし、1年以上樽で塩漬けに、流水で塩抜きをしたら、小麦粉・砂糖・白ゴマを合わせて水で溶いて作った衣を纏わせて、油で揚げると言う物。1年以上樽で塩漬けにするので、家庭で再現するにはかなりの手間と労力が掛かる代物です。また、もみじの形を保ったまま揚げるのには熟練の技が必要と言う事で、家庭での再現はほぼ無理でしょう。
実際にお店で販売されているもみじの天ぷらを食した人の感想では、味と歯ごたえはほんのり甘いかりんとうで、ほとんど衣の味であってもみじの味は一切しないとの事。あくまでも形の愛らしさを楽しむお菓子として人気を集めているようです。目でもみじを楽しみ、食べてもみじのような物を楽しめる一品です。
押し花にする
家庭でもみじを楽しむなら、もみじを見に行ったついでに、キレイな葉を持ち帰って、押し花にする事でしょう。もみじを美しい押し花にする方法を紹介します。まず、準備する物は思い出の詰まったもみじ・新聞紙・ティッシュペーパー・ジップロック・重みのある本を用意します。
新聞紙→ティッシュペーパー→もみじ→ティッシュペーパー→新聞紙の順に置き、ジップロックに入れてしっかり密閉したら、重しになる分厚い本を上に置きます。持ち運びが出来るようにするなら本と本の間に挟むのがおすすめです。3~4日置いてもみじがパリッと乾燥したら押し花の完成です。
作った押し花は、フォトフレームに入れて飾ったり、プレゼントの包装の上に添えておしゃれな仕上げとして使ったり、ノートや日記に貼り付けて、もみじを拾った時の思い出と共に綴っておくのも良いでしょう。
美しいもみじを満喫しよう

ここまで、もみじと楓の見分け方、もみじの種類やその名前と詳しい特徴から、見分け方のポイントなどを紹介して来ました。もみじと楓もそうですが、もみじの種類を見分けるのはとても難しい事です。ですが、何も知らないで見るもみじと、予備知識を持って見るもみじは違って見える事でしょう。もみじの種類と名前、見分け方を覚えてもみじ狩りに出かけてみませんか?