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地域猫の耳カットの本当の意味は?保護して大丈夫な理由も解説!
外を歩いていると、片耳がカットされて欠けたような形の猫がいます。この耳カットには大切な意味があります。こちらでは、地域猫の耳カットの本当の意味をご紹介していきます。また、猫を保護した時にすべき行動についてもチェックしていきましょう。

地域猫に耳カットする意味や保護について
片耳をカットされた猫を外で初めて見かけた方は虐待を疑ったり、痛々しいと思うかもしれません。ですが、この耳カットをされた猫は誰かが1度保護して、猫の安全のために手を施した証拠です。こういった猫は地域猫と呼ばれ、飼い主はいなくとも地域で見守られている猫です。こちらでは、まず地域猫と野良猫の違いについてご紹介していきます。
地域猫とは?野良猫と同じ?

地域猫という言葉を初めて聞く方もいるかもしれません。地域猫は野良猫同様に飼い主がおらず、外で暮らしている猫です。野良猫との違いは、地域のボランティアの方に保護されて避妊手術済みだったり、エサなどの世話をしてもらって地域で見守られているという点です。
昔ほど野良猫を見かけないのは、こういったボランティアの方が避妊手術をして猫の繁殖を防いだりしているからかもしれません。地域猫をお世話をしているうちに愛着が湧いて家猫になるケースも多いようです。
地域猫の耳カットは不妊去勢済みの証

片耳をカットされた地域猫は一見痛々しそうに見えるかもしれませんが、この耳カットはボランティアの方が世話をしたり、地域の人たちに見守られている証です。こちらでは、地域猫の耳カットの意味やボランティアの方の活動などをご紹介していきます。耳カットに痛みがあるかどうかなどもチェックしていきましょう。
不妊去勢手術は重要

猫は生後7ヶ月から妊娠が可能で、1回の出産で2〜8頭の子猫を産みます。人間と違って妊娠期間も短いので、暖かい地域だと年に3回出産することもあるようです。猫は繁殖力がとても強い生き物のため、不妊去勢手術をしていない野良猫が数匹いるだけであっという間に数が増えてしまいます。
野良猫に関してはうまく保護されて家猫になったり、エサを貰える家を見つけたりする子もいますが、保健所に連れていかれて殺処分になってしまう可哀想な子もいます。殺処分されてしまう猫を増やさないためにも、野良猫を保護して不妊去勢手術をして地域猫として見守ることは重要なのです。
不妊去勢手術はTNR活動の一環

日本各地の猫のボランティア団体が行なっている活動にTNR活動というものがあります。これは、「Trap Neuter Return」の略称で、野良猫を保護して不妊去勢手術し、元の場所にかえす活動です。不妊去勢手術をした証に、片耳をV字にカットします。
不妊去勢手術をすることによって繁殖を防ぎ、地域で見守られる猫となるのです。不妊去勢手術に関しては、自治体から手術費用を一部助成してくれるところも多いです。また、野良猫を見かけても1人で保護するのが難しい場合は、地域の猫のボランティア団体に相談すると手伝ってくれるケースもあるようです。
痛み等の心配は無用

地域猫の耳カットを見ると痛々しいと感じる方もいるかもしれません。この耳カットは不妊去勢手術の麻酔が効いている時に行うので痛み自体はありません。また、猫の耳は通っている血が少ないので出血も少なく、しっかりと止血や消毒も行うので安全です。
以前はTNR活動が行われた証拠にピアスや首輪などが検討されたこともあったようですが、身につけるもには取れてしまったり、首輪があることによって家猫になるチャンスを失うと考えられて、現在の耳カットが定着していったようです。
一見、痛々しそうに見えるV字の耳カットですが見方によっては桜の花びらのように見えて可愛いです。一部では地域猫のことを「さくらねこ」とも呼ぶようです。耳カットされた地域猫は、地域の優しさによって支えられている猫なので、暖かい目で見守ってあげましょう。
耳カットされた地域猫の保護はOK?

耳カットされた地域猫が家に来てエサを与えているうちに懐いた場合、家猫にしたいと考える方もいるかもしれませんが、耳カットされているということは他の誰かが世話をしていると考えて、家猫として迎えるのを躊躇してしまう方もいます。こちらでは、耳カットされた地域猫を保護すべきかどうかをご紹介していきます。
地域猫の生活は過酷

地域猫のエサの世話をする人はいるかもしれませんが、家猫として迎えられなければ野良猫に変わりありません。野良猫の生活は人間が思う以上に過酷です。台風や雪、真夏の暑さなどの天候によって体力を消耗したり、交通事故の危険性もあります。
野良猫同士の喧嘩で怪我をしたり、動物虐待の手にかかって命を落としてしまう猫もいます。こういった面を考えると、家猫として保護されたほうが猫の安全面を確保出来るので幸せかもしれません。
地域でも保護を望んでいる

誰かが世話をしている地域猫を家猫として迎えた場合、エサを貰いにこなくなるので心配するのではと考える方もいるかもしれません。ですが、地域の猫ボランティアの方々も地域猫が家猫として迎えられることを望んでいます。
ボランティア団体で地域猫を保護して里親を探すことも多いです。地域猫から家猫として保護されることが猫の幸せだと考えるからです。首輪などをしておらず、耳カットをした猫が家にいついた場合は、家猫として迎えてあげることが一番でしょう。
耳カットされた地域猫を保護したら

耳カットされていない野良猫のTNRや、耳カットされた地域猫を飼う意思がある時は猫を保護しましょう。既に猫が懐いている場合は捕獲が簡単かもしれませんが、野良猫気質が強い場合は簡単に捕まえられないかもしれません。地域の猫ボランティアの方に応援を頼むとスムーズに猫を保護できるかもしれません。捕獲機などをレンタルしてくれる動物病院や団体もあります。
猫を保護する際には猫をおびき出すエサやおやつ、捕獲器、捕獲後に猫を運ぶためのキャリーケース、猫を落ち着かせるためにキャリーケースにかけるタオルなどを準備するといいでしょう。捕獲機を私有地などに設置する場合は、事前に許可を貰うことも忘れないようにしましょう。
捕獲機の中にエサを入れて猫をおびき出すのですが、猫がエサを確認して捕獲機に入るまでは数日かかる場合もあります。猫の安全面を考慮して人の気配が少なく、日陰で安全な場所に設置することが大切です。猫を無事に保護出来たら、キャリーケースに移して病院に連れていきましょう。こちらでは、捕獲後の猫を保護する際の一連の流れをご紹介していきます。
①病院で健康状態をチェック

野良猫や地域猫を保護したら、まずはキャリーケースに移して動物病院で健康状態をチェックしましょう。野良生活をしている猫は感染症にかかっていたり、ノミやダニで皮膚の状態が良くない場合があります。動物病院で外傷や血液検査、身体の状態を診察してもらう場合の費用の相場は5000円~15000円くらいです。
診察費用は動物病院によって違うので、事前に問い合わせたり、猫ボランティア団体に相談してみるのもいいかもしれません。動物病院で健康状態をチェックしてもらうことで、今後のお世話がしやすくなるので必ず受診しましょう。また、既に猫を飼っている方は、動物病院で受診することで病気の感染などを防ぐことが出来ます。
②保健所・警察署に問い合わせを

猫を保護する際に注意したいのが、野良猫ではなく迷い猫である可能性です。迷い猫の場合は保健所や警察署に届けが出されている可能性があるので、問い合わせして確認してみるといいでしょう。最近はSNSやネットの迷い猫掲示板などに迷い猫情報を出している場合もあるので、こちらも確認してみましょう。迷い猫で飼い主がいる場合は、一時保護として預かります。
③飼育環境の準備

飼い主などがおらず、家猫として迎える場合は、飼育環境を整えましょう。野良猫として生活していた猫の場合、新しい環境になれず不安定な状態の場合もあります。まずは、静かで落ち着ける場所を用意し、猫にストレスを与えないようにしましょう。先住猫がいる場合は、しばらくは別の部屋に隔離してお世話するといいでしょう。
飼育グッズとして、まずはゲージ、毛布、トイレ、フード、ミルク、エサ入れを準備しましょう。おもちゃやグルーミング用品、おやつなどもあると完璧です。まずは、最低限の生活用品を揃えて、徐々に猫グッズを増やしていくといいでしょう。猫グッズの初期費用は20000円くらいと考えておきましょう。
耳カットされた地域猫を大切に

地域猫の耳カットの意味、猫の保護の仕方をご紹介しました。地域猫は地域に見守られた猫ですが、野良生活をしていることに変わりはありません。地域猫を家猫として受け入れられるのであれば、家に迎えて幸せにしてあげましょう。
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