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猫の集会の秘密に迫る!猫にまつわる不思議な話も紹介!
空き地や駐車場等で、たくさんの猫が集まってじっとしている様子を見たことがある方も多いのではないでしょうか。これは「猫の集会」と呼ばれています。今回は、婚活とも縄張り確認とも言われる猫の集会が開かれる理由や、猫同士の距離を保つマナーについて解説していきましょう。

猫の集会の気になる謎を解明!
駐車場や路地裏、空き地などに何匹物猫が集まってじっとしている光景に出会ったことはありませんか。これは「猫の集会」と呼ばれているものです。猫の集会で猫たちは一体何をしているのでしょうか。何のために猫の集会を開いているのでしょうか。こうした猫の集会に、一度は参加してみたいと思ったことがある猫好きさんも多いことでしょう。今回は、猫の集会の謎を解明していきます。
集まる理由やマナーも紹介
猫の集会の最大の謎は、何故猫は集まるのか、という点でしょう。一体全体、猫たちは猫の集会に集まって何をしているのでしょうか。また、猫の集会は猫同士暗黙の了解でマナーやルールを取り交わしているようでもあります。複数の猫が集まっているのですが、非常に秩序正しく落ち着いているのです。猫の集会には、どのようなマナーがあるかも気になります。

猫の集会①概要
それでは、まず最初に猫の集会の概要についてご紹介していくことにしましょう。実際に猫の集会を目にしたことがない方も、概要を知ればイメージしやすくなるはずです。これまで気が付いていなかっただけで、猫の集会はいろいろな場所で行われています。「ああ、あれは猫の集会だったのか」と思い当たる節がある方もいるかもしれません。
猫達が同じ場所に集まっている様子
そもそも、群れで暮らす習性がある犬に比べて、猫は単独行動を好むというイメージがありませんか。ペットとして飼っていても、犬が飼い主さんのコマンドには絶対服従の主従関係を結ぶのに対し、猫は自由気ままでマイペースといった印象が強いようです。そんな猫が、同じ場所に集まっているのが猫の集会です。
1973年にドイツの動物学者で「猫の帝王」と称されたパウル・ライハウゼンは、猫の集会を発見します。博士の報告によると、猫の集会には雄猫も雌猫も参加するそうです。たまにお互いを舐めあったり、グルーミングをしたりすることもあるようですが、基本的にはそれぞれがただ座っているだけとのこと。つまり、複数の猫たちが同じ場所にただ集まっているのが、猫の集会なのです。
夜に行われることが多い
猫の集会は、日中よりも夜に行われることが多いようです。「人間が寝静まった真夜中に開かれる猫の集会」というミステリアスな印象を抱くかもいらっしゃるかもしれません。実際には真夜中限定と言わけではなく、日中や夕方に開催される猫の集会もあります。また、時には夜通し続き朝方になって解散、という完徹オール型の猫の集会もあるようです。

猫の集会②目的
続いて、猫の集会が行われる目的について考えてみましょう。映画化もされた人気漫画『ねことじいちゃん』の中では、島に暮らす猫たちが古井戸の周りに集まって集会を開いていました。その様子を見た小学生は「井戸に封印している悪いものが出てこないように」猫が集まっていると言っています。実際に、猫の集会にはどんな目的があるのでしょうか。
縄張り内でのコミュニケーション
猫の集会の最大の目的は、縄張り内に暮らす猫同士のコミュニケーションを図ることだと言われています。完全室内外でない猫は、それぞれ自分の縄張りを持っています。その縄張りは、1匹の猫が独占しているわけではなく、緩やかに重なり合いながら複数の猫が暮らしているのです。その為、新入り猫の顔見せやお互いの生存確認、序列確認等が行われていると言われています。
お見合いや婚活
上述したドイツの動物学者ライハウゼン博士の報告にもあったように、猫の集会には雄猫も雌猫も参加しています。そのため、お見合いや婚活の要素もあるのではないかという説があります。同じ縄張りに暮らす猫同士で婚活をしていると考えると、微笑ましい気持ちになりますね。猫の集会には子猫がほとんど参加しないことからも、婚活説は信ぴょう性があるのではないでしょうか。
猫の集会は、イメージ的に野良猫や地域猫が参加すると思われるかもしれませんが、実はそうではありません。自由に外出ができる飼い猫も、猫の集会に参加する事が多いのです。猫の集会の目的の一つが婚活であるならば、飼い猫が婚活の対象になる事も十分考えられます。血統書付きの猫や避妊・去勢手術を受けていない猫飼っている場合は、気を配ってあげましょう。
情報交換
猫の集会が開かれる目的には、情報交換があるという説もあります。同じ縄張り内に暮らす猫たちにとって、縄張り内での出来事は共有しておきたい情報なのでしょう。猫だけでなく犬や人間の出入りについても、猫たちは猫の集会で情報交換をしているようです。これは、別の縄張りに暮らす猫たちからお互いを守るという理由もあるのでしょう。

猫の集会③マナー
続いては、猫の集会におけるマナーについてご紹介していきましょう。実際に猫の集会を見た事がある方ならイメージしやすいと思いますが、猫たちは猫の集会で非常に静かに過ごしています。そこには、ある一定の秩序が存在しているようです。猫の集会には、どんなマナーが求められているのでしょうか。
一定の距離を保つ
ドイツの動物学者ライハウゼンによると、猫の集会において猫たちは1.8mから4.5mほどの距離を取って座っていたそうです。日本では、同じく動物学者の山根明弘が1990年代に九州の小島で猫の集会についての調査を行い、猫たちが50cmから1m程の距離感を保っていることを記録しています。猫の集会において猫たちは、一定の距離を保っているのです。
何故猫たちが猫の集会で一定の距離を保って座っているのか、はっきりとした理由はわかりません。けれど、猫がお互いのパーソナルスペースを大切にしていることがその理由の1つに挙げられています。その為、親子や兄弟姉妹のように血縁関係にある猫や、普段から仲良くしている猫同士は距離を縮めてグルーミングしあうこともあるそうです。
昼間は知らないふりをする
猫の集会でのマナーには、昼間は知らないふりをするというものもあるようです。つまり、集会以外の場所で出会った場合に、猫たちは特に挨拶などをしないのです。これは、猫がそっけない性格だからというわけではありません。猫の本能、狩りをするときの行動習性によるものだと言われています。
集団で獲物を射詰めて狩りをする犬に対し、猫は単独で獲物を狙う習性を持っています。猫たちは音を立てずに獲物に近づき、タイミングを見計らって一撃で仕留めます。そうした猫の本能からすると、グループでの集団行動は騒々しさから仮に失敗し、エサにありつけない非常事態を招くかもしれません。そのため、猫は必要以上に挨拶をしないと言われています。
一つの集会に参加する
上述のように、猫の集会には、縄張り内での猫同士のコミュニケーションや婚活、情報交換などの理由があると言われています。そのため。猫の集会は同じ縄張り内の同じメンバーで開かれているのです。猫たちは、あちらこちらの集会に顔を出すということはありません。猫漫画の金字塔『綿の国星』では、満月になると開かれる猫の集会が描かれています。
知ってますか?猫の都市伝説!
最後に、猫にまつわる都市伝説をいくつかご紹介しておきましょう。猫は、ペットとして飼われてからも数千年という長い歴史があるため、人間にとって非常に身近な動物の1つです。だからこそ、いろいろな都市伝説が生まれたのでしょう。日本だけでなく世界各地にこうした都市伝説が存在しているようです。
死期が近づくと姿を消す
猫にまつわる都市伝説の中でも有名なものが「猫は死期が近づくと姿を消す」というものです。これは、野生動物にもよく言われていることですが、実際には病気やけがで弱った状態でいることは危険なので、敵に襲われない場所に身を隠して回復を待とうとします。回復できなかった場場合、そのまま姿を消すことになるのでこうした都市伝説が生まれたのではないでしょうか。
猫好きな人はNNNに見張られている
続いてご紹介するのは、「猫好きな人はNNNに見はられている」というものです。NNNはねこねこネットワークの意味で、ネット上でまことしやかに伝えられています。NNNは、「猫好きの元へ野良猫を送り込み、飼い猫にしてもらうため暗躍している組織」という設定があるそうです。そうとしか思えないほど、頻繁に捨て猫や野良猫に出会い、引き取ることが多いからでしょう。
猫には9つの命がある
「A cat has nine lives.」という英語の諺は、直訳すると「猫は9つの命を持っている」となります。これは「なかなか死なない・しぶとい」といった意味がある諺です。猫が多産である事や身体能力が高く怪我をしにくい事、生命力が強い事等がこの諺を生んだ理由と考えられます。『百万回生きた猫』という名作絵本がありますが、もちろん猫に命が9つあるわけではありません。
猫の集会は本当にあった!
猫の集会について、開催される理由やそこで見られるマナー、何故猫たちが一定の距離感を持って集会に参加しているのか等、気になる謎についてご紹介しました。空き地や駐車場のように、少し開けた場所で開催されることが多い猫の集会を、是非一度チェックしてみて下さい。特に何もせずに集まっている猫たちの姿に心が癒されるかもしれません。