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犬が仰向けに寝る5つの理由!その他愛犬が見せる行動の意味も紹介!
犬が仰向けに寝るのはリラックスしているだけでなく様々な理由があります。今回は犬が仰向けに寝る5つの理由を挙げ、犬が見せる行動の意味をご紹介します。犬が仰向けに寝る意味を知って、愛犬とより良いコミュニケーションを取りましょう。

犬が仰向けに寝るときの気持ちを紹介
犬を飼っていると、お腹を見せて仰向けの状態でリラックスしている姿をよく目にします。ヘソを上に見せる行動は「ヘソ天」とも呼ばれますが、「ヘソ天」にはどんな理由があるのかをまとめました。また、「ヘソ天」をしながら別のしぐさを見せる意味についてもご紹介します。犬が仰向けに寝るときの気持ちを理解して、愛犬との絆を深めましょう。
仰向けは好意の表れ?
犬が飼い主さんの前で仰向けで寝るのは、一般的に好意の表れと言われます。犬が野生の動物として生きていた頃や警戒心の強い犬は、仰向けになることはあまりありません。お腹は肋骨がないので、襲われた時に傷が内臓が到達すると命にかかわることがあります。仰向けになると首も無防備になりますが、神経や太い血管が通ってる首を押さえつけられても致命傷になります。
また、仰向けになることで手足も襲われやすくなります。本来、動物たちは急所を守るような体制を取るものですが、愛犬がお腹を見せてリラックスしていることも珍しくありません。それは、飼い主さんといると安心出来ること、信頼関係があることの表れでもあります。

犬が仰向けで寝るときの意味
犬が仰向けに寝る理由には、飼い主さんに好意があるだけでなく、その他にも色々な理由があります。その理由や意味を知った上で愛犬を観察すると、愛犬の気持ちが理解しやすくなります。ここでは、犬が仰向けで寝る時の理由と意味を読み取ってみましょう。
リラックスしているから
犬は警戒している時には、お腹を床に充て伏せた状態で身構えている様子が多く見られます。これは、危険が差し迫った時にすぐに逃げたり、敵が攻撃した時に早急に対応出来るようにするためで、野生の頃の習性が残っていると言われます。また、体を伏せることで直接お腹への攻撃の危険を避けることも出来ます。
室内飼いの犬では、そんな警戒心を全く感じさせないほど、お腹を全開にしてリラックスした様子を見かけることが良くあります。家の中は敵による攻撃の心配もなく、信頼する飼い主さんと家族が一緒なので、安心してリラックス出来る環境であることを意味しています。
おねだりしているから
愛犬が構ってほしい時や嬉しい時にお腹を見せることがないでしょうか。例えば、飼い主さんが外から帰って来て、「ただいま」のスキンシップを一通りした後も、もっと構ってと言わんばかりに、ゴロンと寝転がって仰向けになることがあります。また、散歩の準備を始めると喜んで動き回ったり、早くしてと仰向けになったりします。
このように犬は構ってほしい時や嬉しい時に、おねだりをするようにお腹を見せながら仰向けになります。おねだりの意味で仰向けになった後、おやつをもらったり遊んでもらった経験がある犬は、それを学習してお願い事があると「ヘソ天」をしておねだりするようになります。
愛情表現のため
犬と寄り添って体を撫でてあげると、お腹を見せて仰向けになることがあります。これは、撫でてもらうのが気持ち良いのもありますが、飼い主さんのことが大好きと愛情表現をしています。そのしぐさがとても可愛く、更にお腹をやさしく撫でてあげると、仰向けになったまま目を閉じてうっとりした表情を見せてくれます。
その表情の可愛いさに心を打たれる飼い主さんも多いでしょう。犬の方も飼い主さんが喜んでいるのが分かり、それを学習して、愛情表現をしたい時に仰向けになることがあります。犬から大好きというメッセージを受け取ったら、同じように飼い主さんからも愛情を注いであげましょう。
恐怖を感じているから
急所であるお腹を見せるしぐさは、気を許している時ばかりではありません。恐怖を感じていることが理由で仰向けになることもあります。例えば、ドッグランで他の犬たちと交流している時など、自分よりも大きい犬に出会うと、お腹を見せて仰向きになることがあります。これは、犬が相手の犬に対して恐怖を感じている表れです。
急所となるお腹を相手に見せながら「私はあなたを攻撃する意思はありません」というメッセージを送っています。犬は群れの中で生きて来た歴史があり、上下関係を構築する本能が残っていると言われます。仰向けになり抵抗しない意思を見せることは、犬の社会で上下関係を決めるための一つの行為になります。
服従を示すため
野生の頃には群れで生きて来た犬ですが、飼い犬にとっては、飼い主さんを含む人間の家族を群れのような存在とみなします。そして犬自身はその家族(群れ)の一員であると認識し、行動するようになります。先に述べたように、犬は群れの中では常に順位争いをする習性があります。
その群れには必ずリーダー的存在がいて、犬はそのリーダーに従って行動する服従本能があります。犬が飼い主にお腹を見せる行為は、飼い主さんがリーダー的な存在であることを認め、飼い主さんに服従する意思を示しています。急所であるお腹を仰向けになって見せることで、敵意がないことも同時にアピールしています。
犬が仰向けになってとる行動の意味
犬が仰向けに寝る理由は、リラックスや愛情表現、服従関係、恐怖を感じているなどが挙げられます。それでは、同じ仰向けになっている状態でこれらの意思の違いが分かるには、どのような行動に着目すればいいのでしょうか。ここでは、犬が仰向けになって取る行動から、それらの意味を見ていきましょう。
くねくね動く
仰向けになった犬が体を左右にくねくねと動かして見せることがあります。この行動は、飼い主さんと遊んでいたり、他の犬とじゃれ合ったりする時に見られます。また、気持ちの良い時やリラックスしてる時にもソファなどの上でくねくねと動きます。このように、犬が仰向けになって体をくねくねして見せる時には、楽しかったり気持ち良い意味を表していると考えられます。
犬は、背中が痒い時にも仰向けになってくねくねすることもあります。犬は痒い時に後ろ足を使って掻くしぐさをしますが、痒い場所に足が届かない場合は、床や地面に背中をこすりつけて痒みを抑えます。身体に付いた匂いを取ろうと地面や床に体をこすりつけることがあります。シャンプーの後にこの行動を見せるのは、シャンプーの匂いを消そうとしていると考えられます。
また、服を着せた時にもくねくねと背中を床にこすりつけることがあります。犬にとって身体の匂いは、他の犬たちに自分の存在をアピールするために必要な情報になります。シャンプーや服などで自分の匂いが弱まらないために体をこすりつけて匂いを取ろうとすると言われています。
じっとしている
犬がイタズラをした時に、飼い主さんが叱ると、ゴロンと仰向けになってお腹を見せることがないでしょうか。その時、仰向けになったままじっとして動かない様子を見せる場合は、「反省しています」という意思表示です。時には叱る前に、叱られることを察知して先に足元にゴロンと仰向けになることがあります。
これは、飼い主さんに服従している意味もあり、「あなたには逆らいません。だから、叱らないでください」というメッセージを送っています。このようにしつけで叱った際に犬が仰向けになった時には、飼い主さんに対して降伏していることを表します。
しっぽを振る
犬は話してコミュニケーションを取らないので、犬の気持ちを理解するのか難しいことがあります。そんな時には、愛犬の尻尾の動きに注目してみましょう。犬は気分が良い時に、尻尾を左右に振る習性があります。楽しく散歩をしている時の尻尾の様子を観察すると、ブンブンと左右に揺れています。
また、犬は甘えたり嬉しい時にも尻尾が左右に揺れます。飼い主さんに撫でられている時に尻尾を揺らしているのを見たことがないでしょうか。同じように犬が仰向けになりながら尻尾を左右に揺らしている時は、気分が良く楽しい時や、甘えたり嬉しい気持ちを表しています。
尻尾を丸める
愛犬がイタズラをした時に叱ると、仰向けに寝転がるだけでなく、尻尾をお腹側に丸めて体を固めたようになることがあります。これは、いたずらしたことに反省をすると同時に、怒っている飼い主さんを怖がっていることを意味しています。犬は、飼い主さんの声のトーンにとても敏感で、飼い主さんが怒っているというのが分かります。
自分がイタズラしたことを自覚している時は、自ら尻尾を巻いて仰向けに寝る様子を見せます。お腹を見せている時点で既に反省の意思を示しているので、尻尾を巻いている様子を見たら、怖がっていることを理解して、きつく叱るのは控えましょう。

しつけは必要?犬の仰向け訓練方法
犬が仰向けに寝るしぐさは、リラックスしている時や飼い主さんへの愛情を表している時、更には服従関係から来る行動であることが分かりました。本来なら仰向けは、急所と言えるお腹を見せる行為ですから、犬が自分から進んでやるのにはそれぞれ意味があります。そのような犬の仰向けのしぐさを、しつけとして教えることは、必要でしょうか。
しつけたつもりはなくても、いつの間にか決まった声をかけると仰向けに寝る様になったという犬もいるでしょう。ここでは、犬を仰向けに寝させる動作にどのようなメリットとデメリットがあるのか、また、教える時の訓練の方法を見ていきましょう。
しつけるメリット
犬に仰向けに寝る訓練をすることで、お腹や足の裏を見たり触ったりすることが出来るようになります。お腹の被毛は比較的少ないので、皮膚の状態を確認出来て、更にお腹を触ることで腫瘍などを早期に発見することが出来ます。また、爪を切る時にコマンド一つで愛犬が仰向けに寝ると、爪を切ったり肉球の間の毛を切り揃えたりするのが容易になります。
仰向けに寝る訓練は、子犬の頃から始めましょう。小さい時から仰向けの状態で人間に触られることに慣れていると、ペットサロンでのトリミングや病院での診察時も嫌がらずにスムーズになります。また、仰向けに寝て自分のお腹を見せる訓練をすることで、飼い主さんがリーダーであることを認識させことが出来ます。
しつけるデメリット
次に、仰向けをしつけるデメリットを見てみましょう。犬が仰向けになりお腹を見せるのは、飼い主さんに服従していることを意味しますが、無理やり押さえつけながら仰向けにするのは避けましょう。このような訓練をすると恐怖感を与えて警戒心を植え付けてしまう可能性があります。仰向けの訓練は、お腹を見せることでリラックス出来ることを褒めながら教えることが大切です。
しつける方法
次に、仰向けに寝るしつけの方法を見てみましょう。まず、飼い主さんが両足を伸ばして床に座り、愛犬の頭を飼い主さんの方にして膝の上に乗せます。次に、両太ももの間で愛犬を優しく挟むように仰向けにし、寝返りを打てないように愛犬の前足を握り、お腹を優しくさすってあげます。愛犬が体の力を抜いてリラックスしてたら成功です。おやつなどのご褒美をあげて褒めてあげましょう。
また、「ふせ」から仰向けにさせる方法もあります。「ふせ」は、お座りの状態で、おやつを鼻先から少しずつ足元に持って行き、しゃがんだところで「ふせ」とコマンドします。犬の胸が床についたらおやつをあげて褒めましょう。これを繰り返して「ふせ」が出来るようになったら次に「ゴロン」のコマンドで仰向けを覚えさせます。
「ふせ」をしている時に、鼻先におやつを見せながら犬の背中の方へ動かし寝転んだ時に「ゴロン」とコマンドの声をかけます。おやつをあげて褒めたり、お腹を優しくさすってあげましょう。これを繰り返すと「ふせ」と「ゴロン」のコマンドで仰向けに寝ることが出来るようになります。
しつけるときの叱り方
犬にしつける時に注意したいのが、叱って教えないことです。仰向けが出来なかった時には叱らないで声をかけず、出来た時には大げさ気味に褒めてあげましょう。仰向けになると飼い主さんが喜んでくれることを愛犬に理解させるのが大切です。愛犬が混乱しないようにコマンドと褒める時の言葉は、家族で統一して使うようにしましょう。
その他愛犬の行動からわかる気持ち
犬は仰向けの他にも色々なしぐさで気持ちを表現しています。その行動が一つの意味を表すわけではありませんが、どのような意味が含まれているのかを理解することで、愛犬への接し方を改善することが出来ます。ここでは、仰向け以外の行動から分かる犬の気持ちを見ていきましょう。
あくび=ストレス
犬はリラックスをして眠たい時にあくびをしますが、反対に、イライラしたり強いストレス状態にある時にもあくびをすることがあります。ストレスが重なるとあくびをしてその不快な気持ちを伝えます。慣れない人に触られたり、見知らぬ環境下にいる時にあくびをしたら、ストレスを感じていることを察してあげましょう。
足を舐める=不安がある
犬が足が舐めるのは、毛づくろいの他に不安な気持ちがあることを理解してあげましょう。飼い主さんと離れて不安になり気持ちを落ち着かせるために、前足を舐める犬もいます。留守番をしている間だけに足を舐める行動が見られる場合は、分離不安の可能性があります。愛犬の構いすぎを見直したり、少しずつお留守番の時間を長くして訓練をしていきましょう。
犬が仰向けで寝る理由を知っておこう!
今回は、犬が仰向けに寝る時の理由や気持ちについてご紹介して参りました。犬が仰向けに寝るしぐさには、思った以上に様々理由や意味があり、それを理解することで愛犬との絆をより深めることが出来ます。犬が仰向けで寝た時には、その気持ちを察して、より良いコミュニケーションを取ってあげましょう。
