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犬の垂れ耳は嗅覚に集中するため?人気の犬種や耳の掃除方法も紹介!
垂れ耳の犬は見た目が可愛いと世界中から愛されています。本記事では、垂れ耳の犬が生まれた理由や人気の犬種、耳掃除方法や垂れ耳の犬がかかりやすい病気についてまとめました。また、垂れ耳の犬におすすめの蒸れ防止グッズも併せてご紹介します。

垂れ耳の犬を徹底解説!
犬の耳は一般的な形をしている「立ち耳」や、サイズが大きい「こうもり耳」をはじめとした10以上の形に分類されています。その中で見た目が可愛いと人気を集めているのが「垂れ耳」です。本記事では、垂れ耳の犬が生まれた理由や垂れ耳の犬がかかりやすい病気など、垂れ耳の犬について徹底解説していきます。
人気の犬種や掃除方法もチェック
垂れ耳の犬と一口で言ってもその犬種は様々です。今後垂れ耳の犬を飼いたいと考えている方は、人気の犬種をチェックすると犬選びの参考になることでしょう。また、垂れ耳の犬を飼うならば耳掃除がマストです。そこで本記事では、人気の犬種や垂れ耳の掃除方法も併せてご紹介します。
垂れ耳の犬が生まれた理由
立ち耳の犬が活発な印象を受ける犬種である一方、垂れ耳の犬はどこか癒し系な印象を受ける犬種です。同じ生き物でなぜ耳の形が異なるのか、その理由が気になる方も多いのではないでしょうか?そこで、人気の犬種や垂れ耳の犬がかかりやすい病気を解説する前に、まずは垂れ耳の犬が生まれた理由からご紹介します。
【仮説1】品種改良
まず、垂れ耳の犬が生まれた背景に関しては謎が多く、現在に至るまで明確な理由は分かっていないようです。しかし、いくつかの仮設が存在しています。その一つ目の仮説が、人間による品種改良です。聴力や嗅覚が優れている犬は、古くから人間の手伝いをしてきました。
そんな中、周囲の音を聞くよりも何かの匂いを嗅ぎ取ることに集中出来る犬が欲しいと考えた人間が、品種改良して垂れ耳の犬を誕生させたというのです。現在も垂れ耳の犬が生まれた理由として、犬の嗅覚を研ぎ澄ます為に人間が品種改良した、という説が根強く囁かれていますが、犬を使った実験では立ち耳の犬と垂れ耳の犬の聴力に差は無いというデータが出ているようです。
【仮説2】アドレナリンの問題
イギリスの科学者であるチャールズ・ダーウィンは、垂れ耳の犬が生まれた理由を”犬はもともと立ち耳だったが、人間と過ごしていくうちに垂れ耳の犬も現れるようになった”と考えました。しかし、この仮説を考えると”最初に現れた垂れ耳の犬が、どのようにして誕生したのか”という疑問が浮かんでくるはずです。
その疑問に対し、海外の研究機関は”犬のアドレナリンの問題が深く関係している”と提唱しています。まず、犬はオオカミから進化した生き物だと言われています。犬に進化したオオカミは、他のオオカミよりもアドレナリンが欠如していたと考えられているようです。
オオカミは一般的に犬のような立ち耳をしていますが、犬に進化したオオカミがアドレナリンが欠如していたことにより、立ち耳の犬だけでなく垂れ耳の犬も生まれてきたのではないか、と考えられるのです。
人気の垂れ耳犬種8選
垂れ耳の犬が生まれた理由を押さえたところで、続いては人気の犬種をチェックしていきましょう。今回は、垂れ耳の犬種を8つピックアップしました。各犬種の特徴も併せてご紹介するので、犬選びの参考にして下さい。
大人気「トイプードル」
人気を集める垂れ耳の犬種1つ目は、多くの愛犬家から支持されているトイプードルです。キラキラと光る目に垂れ耳、モコモコとしたルックスと、まさに可愛いが詰まっているトイプードルは、世界中の人々から愛されています。そんなトイプードルは愛情深い性格をしていて、飼いやすい犬種と言われています。他の犬とも良好な関係を築けるので、多頭飼いしたいと考える方におすすめの犬種です。
ブサ可愛い「パグ」
ブサ可愛い代表格とも言えるパグも、垂れ耳の犬種の中で人気を集めています。パグは小型犬ながらガッシリとした筋肉質な体型をしていて、短毛なのが特徴的です。そんなパグの一番の魅力と言えば、少し困ったような顔に見えるしわくちゃな顔でしょう。パグは無駄吠えが少ない上に、飼い主の言うことを聞く素直な性格をしているので、飼いやすい犬種と言われています。
短足な「ダックスフンド」
短足で胴が長いダックスフンドも、多くの人々に愛されている垂れ耳の犬種です。ダックスフンドの垂れ耳は、顔のサイズと比較すると大きめである点が特徴です。ダックスフンドは人間と一緒に狩りをしてきた歴史を持つ犬種なので、勇敢で遊び好きな性格をしています。運動量が足りないとストレスが溜まってしまうので、散歩の時間をしっかり確保出来る方に適している犬種と言えます。
がっちり体型の「ビーグル」
ビーグルはローマ時代から存在し、ウサギなどを狩っていた歴史を持つ犬種です。嗅覚が優れているので、空港で検疫探知犬としても活躍しています。世界中で愛されているスヌーピーは、垂れ耳のビーグルがモデルです。そんなビーグルはがっちり体型で遊び好きな性格をしていますので、飼う場合は散歩だけでなく遊びの時間も設けることが大切です。
温厚な「ゴールデンレトリバー」
体が大きく、温厚な性格をしているゴールデンレトリバーも垂れ耳が特徴の犬種です。ゴールデンレトリバーは賢く飼い主に対する忠誠心が高いので、とても飼いやすい犬種としても知られています。人間と一緒に居ることや働くことを好む犬種なので、盲導犬や警察犬としても活躍しています。
盲導犬としても活躍「ラブラドルレトリバー」
ゴールデンレトリバーと同じ大型犬に分類されているラブラドルレトリバーも、垂れ耳の犬種の中で高い人気を誇っています。ラブラドルレトリバーは狩りをしていた歴史を持つ犬種で、足に水かきが付いているのが特徴的です。優しく社交的な性格をしているので、盲導犬として活躍している犬種でもあります。
ふわふわな「アメリカンコッカースパニエル」
アメリカンコッカースパニエルは垂れ耳なだけでなく、ふわふわで長い被毛が特徴的な犬種です。元々は鳥などを狩っていた猟犬なので、筋肉質な体型をしています。毛量が多く被毛も長いので、ブラッシングを欠かすことは出来ません。明るく飼い主に忠実な性格をしているので、子供や高齢者が居る家庭でも飼いやすい犬種です。
飼い主に従順な「ボーダーコリー」
ボーダーコリーはイギリス生まれの犬種で、世界中で牧羊犬として活躍しています。大きさは中型犬に分類されていて、毛色はブラックアンドホワイトが基本です。海外では、ボーダーコリーは全犬種の中で知能が最も高いという結果が出ています。その為、飼う場合はしっかりとしつけをすることが大切です。
垂れ耳の犬がかかりやすい病気
垂れ耳の犬は耳が蒸れやすい為、耳に関する病気にかかりやすいと言われています。また、寒い冬には耳の血流が悪くなり、凍傷になってしまうケースも。大切な愛犬を凍傷から守る為に、冬の散歩時には犬用のスヌードなどで耳を保温してあげましょう。
他に、垂れ耳の犬が他の犬と遊んでいると、上下に揺れる耳が相手の犬の攻撃対象になってしまい、噛まれてしまうこともあります。このように、垂れ耳の犬を飼う場合は垂れ耳の犬ならではの病気や注意点を知っておくことが大切です。そこで続いては、垂れ耳の犬がかかりやすい病気を3つご紹介します。
最もかかりやすい「外耳炎」
外耳炎は垂れ耳の犬が最もかかりやすい病気だと言われています。外耳炎の原因は、細菌の増殖・耳ダニの感染・傷から菌が侵入した、など様々です。外耳炎の症状は、耳の中が真っ赤になる・耳垢の量が増える・耳の中から悪臭がするなどで、症状が悪化すると耳道が塞がってしまうケースもあります。
外耳炎にかかると犬は痒みを解消しようと、頭をブンブンと振る仕草を見せることが多いようです。また、犬は耳の中を掻けない為、耳に近い首をしきりに掻くこともあります。愛犬がこれらの素振りを頻繁に見せている時は外耳炎などの病気を疑い、動物病院を受診しましょう。
ダニが寄生する「耳ダニ感染症」
耳ダニ感染症は耳疥癬症とも言われ、名前の通りダニが耳に寄生することによって起こる病気です。耳ダニ感染症にかかると犬は激しい痒みを感じるほか、耳から黒っぽい耳垢が出てきます。耳ダニ感染症は既に感染している他の動物と接触することで移る病気なので、多頭飼いしている内の1頭が感染すると、他の犬も感染してしまいます。
愛犬が頭を振る、耳垢の量が増えた、黒っぽい耳垢が出てきた時は、耳ダニ感染症にかかっているサインです。動物病院では犬の耳垢を採取し、顕微鏡を使ってダニが存在しているか確認します。その結果、耳ダニ感染症にかかっていることが判明した場合は、耳掃除をした上で点耳薬を用いた治療をすることが多いようです。
かゆみを伴う「耳血腫」
耳血腫は内出血をした耳たぶが腫れて膨れ上がる病気です。その状態が餃子のような見た目をしていることから、”ギョーザ耳”などと呼ばれることもあります。耳血腫の原因は現在に至るまで明確になっていませんが、外耳炎などの病気にかかり、頭を何度も振ったり耳付近を掻きむしったりした際のダメージによって起こるケースが多いようです。
垂れ耳の掃除方法
垂れ耳の犬は立ち耳の犬よりも耳に関する病気にかかりやすい為、飼い主さんがしっかり耳のケアをしてあげることが大切です。しかし、耳掃除のやりすぎは犬の耳を傷付けてしまう可能性があります。愛犬を病気から守る為の耳掃除で傷付けてしまっては本末転倒ですので、犬の耳掃除は2週間に1回程度にしておきましょう。
①耳にイヤークリーナーを垂らす
犬の耳掃除をする前に、まずは耳の中の状態をチェックします。その時、耳の内側に長い被毛が生えている場合は、犬用の耳毛切りハサミを使用して余計な部分を丁寧にカットします。こうすることで耳掃除がやりやすくなるだけでなく、通気性もアップするのです。
耳毛の確認やカットが終わったら、早速耳掃除に取り掛かります。まずは愛犬の体をしっかりと支えた上で耳を持ち、耳の中が良く見えるようにしましょう。そして、犬用のイヤークリーナーを耳の中に垂らし、愛犬が頭や体をブルブルッと揺らすのを待ちます。
②耳の中を拭き取る
愛犬が頭や体を揺らしたら、柔らかいガーゼなどで耳の中の水分を拭き取って綺麗にしていきます。犬の耳の中は繊細ですので、傷付けないように優しく拭き取ることが大切です。イヤークリーナーを垂らした後に頭を振ると耳垢が外に飛び出ることが多いですが、垂れ耳の犬の場合は耳垢や汚れが耳の中に留まっていることが多いので、しっかり拭き取るようにしましょう。
③耳をしっかりと乾かす
先述したように、垂れ耳は通気性が悪く蒸れやすい性質があります。耳掃除をしたことによって耳の中が蒸れ、何らかの病気を誘発してはいけませんので、イヤークリーナーを使って耳掃除をした後は、中をしっかりと乾かすことが大切です。市販のイヤークリーナーの中には速乾性タイプもありますので、垂れ耳の犬に適した製品を使用しましょう。

垂れ耳におすすすめ!蒸れ防止グッズ
垂れ耳の犬と暮らしている方は、愛犬を耳の病気から守りたいと考えるはず。そんな方は、蒸れ防止グッズの使用を検討してみてはいかがでしょうか?そこで続いては、垂れ耳の犬におすすめの蒸れ防止グッズを2つご紹介します。
サラサラの「イヤーパウダー」
イヤークリーナーを使用した後に愛犬の耳の中をしっかり乾かそうと思っても、なかなか乾いてくれないと悩む飼い主さんも多いはず。そんな方におすすめのグッズが、サラサラとしたパウダーが湿った耳の中を乾燥させてくれるイヤーパウダーです。耳掃除の後だけでなくシャンプー後にも使用出来るので、常備していると便利でしょう。
通気性を改善する「サポーター」
愛犬がすでに耳の病気にかかっている場合は、何としても蒸れを防ぎたいもの。しかし、垂れ耳は構造上蒸れやすいので、汗をかく夏場は特に耳の中が湿ってしまうでしょう。また、愛犬の病気を予防する為にも、耳の通気性を改善したいと考える飼い主さんも多いのではないでしょうか?
そんな方におすすめのグッズが、垂れ耳の犬用に作られたサポーターです。穴に耳を通すことによって耳が持ち上がり、何もしてない状態よりも通気性がアップします。インターネット通販では、犬の大きさによってサイズが異なるサポーターが多数販売されていますので、きっと愛犬にピッタリな1点が見付かることでしょう。
見た目にこだわりたいという方には、スポーティーでスタイリッシュな見た目になる耳上げサンバイザーがおすすめです。サンバイザータイプであれば、夏場の厳しい日差しから愛犬の目を守ることも出来ます。
垂れ耳の犬は定期的なケアが必須!
今回は垂れ耳の犬にスポットを当て、垂れ耳の犬が生まれた理由や人気の犬種、垂れ耳の犬がかかりやすい病気や耳掃除のやり方、垂れ耳の犬におすすめの蒸れ防止グッズを一挙ご紹介しました。垂れ耳の犬が生まれた理由は人間による品種改良という説と、アドレナリンの問題という説が囁かれていますが、本当の理由は判明していません。
しかし理由は何であれ、垂れ耳の犬が多くの人々から愛されていることに変わりはありません。そんな垂れ耳の犬は耳の病気にかかりやすいので、ご紹介した耳掃除方法などで定期的なケアをすることが大切です。愛犬の健康を守りつつ、楽しい日々を過ごして下さい。