犬の熱が39.2度以上なら注意して!考えられる原因と対処法を紹介
犬が発熱した時の原因や対処法について紹介します。発熱の判断をするためには、まず犬の平熱を知ることが大切です。また発熱以外の症状を観察して、熱の原因を探ることも重要です。40度以上の発熱が長時間続いている場合は命に関わることがあるので、いち早く病院受診しましょう。

犬が熱を出す原因を徹底解説!
愛犬が「いつもより元気がない」「食欲がない」「ずっと寝たままで動かない」などの異変から発熱に気づく飼い主さんも多いのではないでしょうか。犬の発熱は様々なものが原因で起こります。発熱の原因を知っておくと、症状の観察や対処をすることができ、病院受診もスムーズに行えます。まずは犬の平熱を理解し、発熱の指標を知っておくことから始めましょう。
犬の平熱は37~38度
犬の平熱は37度~38度前後であると言われていますが個体差があります。その他、犬の体の大きさや年齢によっても平熱は変わってきます。また朝と夜でも体温の変動があるので、日頃から愛犬の体温測定をし平熱を知っておくことがポイントです。大型の成犬であれば38.5度以上、小型の成犬であれば39.2度以上あれば発熱の可能性があります。
愛犬の熱が平熱よりもはるかに高い場合や、40度以上ある場合では命に関わってくる恐れがあるので、早急に病院受診した方がいいでしょう。
考えられる原因と対処法もチェック
愛犬の高熱が長時間続き、ぐったりしている姿を見ると大丈夫かと心配になりどうしたらいいのか頭が真っ白になるでしょう。発熱の原因が病的なものなのか、そうでない場合はどう対処すればいいかを知っておくだけで冷静に行動することができます。愛犬の苦痛をいち早く緩和してあげられるように発熱の原因と対処法についてもチェックしていきましょう。
犬が熱を出す4つの原因と病気
犬が発熱する原因は主に4つあります。感染性疾患や炎症性疾患に罹っている、腫瘍ができている、熱中症で体温が上昇しているなどが挙げられます。これらは数日で改善するものから重い病気まで様々です。愛犬の体温を簡単に確認する方法として耳を触る方法があります。愛犬の耳が熱いと感じたらすぐに体温を測定してみましょう。
感染性疾患を患っている
感染性疾患は主に細菌感染やウイルス感染の2つが主です。細菌感染が原因で引き起こされる主な病気は、胃腸炎や膀胱炎、傷の化膿などがあります。ウイルス感染が原因で引き起こされる主な病気は、ケンネルコフ、コロナ、パルボなどがあります。これらの病気は症状が軽いものもあれば命に関わる場合もあるので、発熱があったりいつもと違う様子であれば病院を受診しましょう。
炎症性疾患を患っている
炎症性疾患は異物や毒物の誤飲、食べ物による中毒、薬剤、自己免疫などが原因で体内の炎症が起こる病気です。主な病気としては、 急性肝炎、中毒性肝障害、膵炎、炎症性腸炎、全身性エリテマトーデスなどがあります。こちらも命に関わる重篤な病気である場合が多いので、愛犬が誤飲した時や中毒性の高い食べ物を食べてしまった場合は、速やかに病院を受診しましょう。
腫瘍ができている
人間と同じように犬も腫瘍ができることによって発熱が起こる可能性も。主な病気としては、各臓器の腫瘍の他、血液の腫瘍である白血病やリンパ腫、皮膚の腫瘍である肥満細胞腫などがあります。腫瘍の中でも、肝臓、腎臓、骨、肺、リンパ節に腫瘍があると発熱しやすいと言われています。その他にも腫瘍が別の部位に転移した場合も発熱しやすいです。
犬の腫瘍の症状として、しこりやイボができることがあります。皮膚や足、口の中、肛門周囲などにできることがあるので、日常のスキンシップの際に気づいてあげることが早期発見につながります。
熱中症で体温が上昇している
熱中症は病的な発熱ではありませんが、夏場の暑い時期には要注意です。猛暑の中での運動や散歩、気温や湿度が高い車に長時間いた場合などが原因で起こります。熱中症は41度以上までの高熱が出る場合があり、命に関わる重篤な症状を引き起こす可能性も。暑い時間帯の散歩は避けることや、短時間でも車内に愛犬を置き去りにしないことで防げます。
これまで挙げた4つの原因以外にも、様々なものが原因で発熱は引き起こります。運動後や興奮した後でも体温が40度まで上昇することがあるので、発熱している場合でも元気で食欲があるようであればそこまで心配はいりません。30分〜1時間ほど時間を開けてもう一度、体温測定をしてみてください。
犬が発熱した時の対処法
愛犬が発熱している場合は、何かの病気に罹っている可能性が考えられます。その場合、熱以外の症状も現れる事が予測されます。発熱の原因だけではなく、熱以外の症状や経過観察のポイントを知っておくと愛犬の様子を詳しく伝える事ができ、病院受診がスムーズに。発熱の経過を観察するために、犬の正しい体温の測り方についても確認しておきましょう。
発熱の経過等を観察する
愛犬が熱を出した時は、まず熱の経過を観察しましょう。最低でも朝と夜の2回は体温測定します。犬の体温測定は、肛門で行うのが基本です。愛犬を安静にさせ、尻尾を持ち上げて肛門に2.5cmほど挿入します。暴れて測定できない場合は、前足や後ろ足の付け根に体温計を挟んで測定し、測定後の体温に5度プラスするとOK。体温計は人間が使用するものでも測定可能ですが、共用するのは控えましょう。
熱の経過観察のポイントは、いつから発熱したか、いきなり高熱が出たのか、それとも徐々に上がって行ったかを観察しましょう。また日によって熱の上がり下がりはあるか、日差変動はあるかなども合わせてチェックしていきましょう。測定した体温をグラフにすると、体温の上がり下がりが分かりやすいです。
発熱以外の症状を確認する
発熱時には熱以外の症状はないかも観察します。呼吸が荒い、咳が出るなどの呼吸器症状や嘔吐、下痢などの消化器症状の有無を観察しましょう。その他いつもと比べて元気はあるか、食欲はあるか、歩き方がおかしくないか、皮膚に発疹はないか、便や尿の性状の観察なども併せて行いましょう。いつもと明らかに様子が違う場合は、急いで病院へ。

高熱の場合は体を冷やす処置をする
40度以上の高熱の時や、すぐに病院へ連れて行けない時の対処法として体を冷やす方法があります。アイスノンをタオルで包んで胸やお腹、足の間に置いて体を冷やします。ペットボトルに水を入れてを凍らせたものでもアイスノンの代わりとして使えます。この方法はあくまでも病院へ行くまでの応急処置であり、熱の根本的な原因を除去しなければ熱は下がりません。

できるだけ早く病院へ
これまで熱への対処法について紹介しましたが、あくまでも応急処置です。高熱が続いてるのに長時間も様子を見ていると、愛犬の命が危険にさらされます。犬の発熱はなんらかの病気の可能性があります。愛犬の熱が平熱よりもはるかに高い場合や、高熱が長時間続く場合、いつもと様子が違う場合はただの風邪だと自己判断せず、できるだけ早く病院へ連れて行きましょう。
愛犬の免疫力を高める方法
犬の免疫力の低下が原因で、感染症やアレルギーに罹りやすくなると言われています。さらに免疫力が低下し続けることで自己免疫性疾患に罹ったり、腫瘍ができやすかったりなど、より重い病気にも罹りやすくなる可能性があります。そして、これらの疾患は発熱の原因になる可能性も。免疫力を高め、愛犬の健康な体づくりを目指しましょう。
適度な運動をする
適度な運動をすることによって、免疫細胞の働きを活発させます。また適度な運動は肥満の予防にもつながり、健康にプラスなことしかありません。散歩だけでは運動量が足りない犬種には、散歩以外にドッグランで思いっきり遊ばせてあげるのも一つの手です。しかし過度な運動は免疫力をかえって低下させる恐れがあると言われていますので、適度に運動させることがポイントです。

ストレスを防止する
免疫力を高める方法で一番重要なことは、ストレスを溜めないことです。犬は散歩や運動量が足りなかったり、お留守番で寂しい思いをしたりするとストレスを溜めます。日常でストレスを溜めないようにするために、リラックスできる場所を作ってあげたり、思いっきり遊ばせてあげたりすることが大切です。信頼関係を築くために愛犬とのコミュニケーションをしっかり取ることも重要です。

栄養バランスの良いフードを与える
栄養バランスの良いフードを与えると腸の働きが整い、免疫力が高まります。特にアガリクスに含まれるβグルカンという栄養素は、犬の免疫力を高める働きがあると言われています。ドッグフードを選ぶときは、高品質で不要な添加物が含まれていないもの、不要な加工がされていないものを選びましょう。加えて、おやつの与えすぎには注意しましょう。
発熱時は犬の様子を注意して観察しよう
犬の発熱は感染や炎症、その他の病気など様々な原因で起こります。それに伴い呼吸器系や消化器系、その他の症状が現れます。それらの症状の中には命に関わる重篤な症状もあるので、愛犬の様子を注意深く観察しましょう。またいつもと様子が違うと少しでも感じた時は、迷わずに病院へ受診して早めに治療してもらいましょう。