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留守番中の犬の心理とは?思わぬ事故を防ぐための環境づくりも解説
犬に留守番をさせると、心配になる飼い主さんも多いかもしれません。留守番に慣らすためには、犬の気持ちを考えながらひとりで過ごす練習をさせることが大切です。こちらでは、留守番中の犬の心理をご紹介します。犬が安全に留守番できる環境づくりや注意点もチェックしましょう。

留守番中の犬の心理・安全対策を紹介

犬に留守番をさせたとき、飼い主さんは「寂しくないかな?」と心配になります。しかし、飼い主さんが犬とずっと一緒にいるというのは現実的に難しく、どこかのタイミングで家を空けるときがくるはずです。犬に留守番させるためには、ひとりで過ごすことに慣らす練習をさせましょう。また、留守番中の犬が思わぬ事故にあわないように、室内の環境にも注意してください。
愛犬の気持ちへの理解が大切

犬が留守番中にどんなことを思っているかを考えることも大切です。犬の気持ちを理解すると、留守番をさせるときの対処がしやすくなります。こちらでは、留守番中の犬の気持ちについてもご紹介します。犬の気持ちを理解した上で、留守番をする環境を整えていきましょう。

犬が留守番してるときの心理

留守番中の犬は不安な気持ちになりやすいです。犬の気持ちを理解し、不安を解消してあげましょう。不安を解消出来れば、犬は留守番中のストレスを感じずに過ごすことができるはずです。こちらでは、犬が留守番してるときの心理をご紹介します。
「飼い主さんは帰ってくる?」

留守番中の犬は「飼い主さんは帰ってくる?」と思っています。特に留守番慣れしていない犬の場合、飼い主さんの姿が見えないことに不安を感じやすいです。不安な気持ちから「吠える」「興奮する」「破壊行動」などの行動に出る犬もいます。

いつもと様子の違う犬の姿を見ると不安になる飼い主さんもいるかもしれませんが、「飼い主さんが帰ってくる」という経験を何度かすることで犬の不安な気持ちは落ち着いてきます。まずは、短い時間から留守番に慣れさせるといいかもしれません。
「さびしい」

犬には群れで行動する習性があるため、ひとりで過ごすことにストレスを感じやすいです。飼い主さんのいない留守番中に犬は「さびしい」と感じています。寂しさからトイレ以外の場所で粗相をしてしまったり、ゴミ箱をひっくり返すなどのイタズラをしてしまったりすることもあります。
「危険はない?」

ひとりで過ごす留守番中は部屋の中が静かになるので、外部の物音や気配が気になる犬もいます。窓の外や人が歩く音、外から聞こえる子供の声、大きな車の音、雨や雷の音などを聞いて、「危険はない?」と不安になるのです。
「暑い」「寒い」

留守番中に犬が「暑い」「寒い」と感じていることもあります。室内の温度が適温でないと、犬はストレスを感じます。犬に留守番をさせるときは、エアコンで室温に注意することが大切です。季節に合わせた室温調整をして、留守番をしている犬が快適に過ごせる環境をつくりましょう。
犬に留守番をさせる練習・注意点

留守番中の犬の気持ちが分かったところで、次は犬に留守番をさせる練習方法や注意点をご紹介します。留守番の練習をさせてひとりで過ごすことに少しずつ慣らしていきましょう。留守番に慣らすことは分離不安症の予防にもなるはずです。
少しずつ外出時間を増やす

犬に留守番の練習をさせるときは短い時間から練習していきましょう。長時間の留守番から練習を始めると、犬は不安な気持ちでいっぱいになってしまうからです。30分や1時間くらいの留守番から始めて、犬の様子を見ながら留守番の時間を延ばしていくのが理想です。
飼い主が戻ってくることを覚えさせる

飼い主さんの姿が見えないと鳴く犬や甘えん坊な性格の犬の場合は、留守番に挑戦させるのが不安かもしれません。そんなときは留守番の前段階の練習として、飼い主さんの姿が見えない時間をつくってみましょう。飼い主さんが犬の視界に入らない場所に行き、少ししたら犬の前に顔を出すという行動を繰り返します。

犬がついてくるようなら、ケージに入れてその場を離れるといいでしょう。いなくなった後に姿を見せるという行動を繰り返し行うことで、視界から消えても「飼い主さんが戻ってくる」ということを犬に覚えさせるのです。最初は30秒くらいの短い時間からでOKです。ただし、犬が不安で鳴いても、時間が来るまでは飼い主さんの姿を見せないようにしてください。
留守番前後はさりげなく振る舞う

留守番をさせるときに「すぐ帰ってくるからね」「待っててね」と犬に声をかけたくなる飼い主さんも多いかもしれません。また、帰宅したら「待っててくれてありがとう」「いいこだったね」と犬をなだめる飼い主さんもいるのではないでしょうか?このように留守番前後に犬と過度に触れ合うと、犬が「何かあるのかも」と不安な気持ちになりやすいです。

犬の気持ちを刺激しないためにも、留守番前後はさりげなく振る舞うように注意してください。戻ってきた飼い主さんに興奮したり、吠えたりする場合は、犬が落ち着くまで声をかけないようにしましょう。

冷たいように感じるかもしれませんが、飼い主さんが犬に過保護になりすぎると犬が分離不安を起こす可能性があります。分離不安になると吠える、破壊行動、自傷行動、粗相などの問題行動が増えます。飼い主さんが毅然とした態度で犬に接すれば、犬の自立心が育って留守番もさせやすくなるはずです。
健康状態をチェックする

犬に留守番の練習をさせるときは、健康状態にも注意することも大切です。留守番をさせる前に犬とスキンシップをとりながら、健康状態に問題ないかを確認します。留守番のことを悟られないように飼い主さんは注意してください。問題ないようなら留守番の練習を開始します。

帰宅後は、犬の様子をよく観察してください。食事や水を摂れているか、排泄に問題ないか、いつもの様子と変わらないかなどをチェックします。特に問題ないようなら、留守番の時間を少しずつ延ばして慣らしていきましょう。
犬が留守番できる環境づくり

犬を留守番させるときは、犬の安全に配慮した環境づくりが大切です。留守番中に犬が快適に過ごせるように、食べ物やおもちゃを用意するのもいいでしょう。こちらでは、犬が留守番できる環境づくりをご紹介します。
快適なスペースを確保する

留守番中に犬が快適に過ごすために、トイレ、ベッドの環境を整えます。トイレはシーツを交換して、清潔な状態にしておきます。シーツを破いてしまう心配がある場合は、イタズラ防止のメッシュカバーがついたトイレを使うのがおすすめです。留守番前にイタズラ防止のトイレでも排泄できるように練習してください。

快適に過ごせるようにお気に入りのベッドや毛布なども設置します。自分のニオイのついたアイテムがあることで、犬が安心して過ごせる環境になります。また、ケージを閉めずに留守番をさせる場合は、怪我や誤飲がないように注意が必要です。

犬が口にしそうなものは片づける、入ってほしくない場所はドアを閉める、部屋をゲートやフェンスで仕切るなどの工夫が必要です。留守番をさせるときは、犬が落ち着ける環境をつくると共に安全面にも配慮してください。
水・食べ物・おもちゃを用意する

犬に留守番をさせるときはお水、食べ物、おもちゃを用意するのがおすすめです。お水のお皿をひっくり返してしまったときのために、ボトル型の給水器があると安心です。ボトル型の給水器は本来は犬の口元に合っていないので、あくまでも予備として用意します。

留守番をさせるときになって給水器を設置すると、犬が飲み方を理解できないこともあります。事前に給水器を設置して、水の飲み方を教えておくと安心です。おもちゃは留守番中に犬だけで遊んでいても安全なものを選びましょう。飼い主さんがいるときに、犬がおもちゃで遊ぶ様子をチェックしておくのがおすすめです。

小さなおもちゃは誤飲の可能性があるので避けてください。おやつを入れたり隠したりして遊ぶことができるおもちゃを用意すると、留守番中でも犬が楽しく過ごせます。留守番中に遊べる特別なおもちゃとして与えるのもいいかもしれません。
温度管理をする

犬に留守番させるときは温度管理に注意しましょう。夏は熱中症対策、冬は防寒対策が必要です。夏は扇風機で過ごす方もいるかもしれませんが、扇風機の風だけでは犬は体温を下げることができません。犬を留守番させるのならエアコンで室温を下げるようにしてください。

冬に暖かいと感じる日でも、床に近い場所で過ごす犬は寒い場合があります。冬の留守番もエアコンで部屋を暖めてあげてください。ケージに入れない状態で留守番をさせるのなら、エアコンのリモコンを隠しておきます。犬がリモコンにイタズラして設定温度が変わってしまう可能性があるからです。

また、万が一エアコンなどの機器に不具合があっても、温度調整可能な準備をしておくと安心です。夏は冷却マットを設置し、冬はフリース素材のベッドを用意します。事前に冷却マットやベッドを犬に触らせておくと、犬も必要なときに使うはずです。
外部の音や気配を調整する

外の物音や人の気配を怖がったり、吠えたりする犬もいます。一戸建ての場合は外部の音が入ってきやすいので、窓のそばにケージや犬のベッドを設置するとくつろぐことができません。なるべく音がしない場所に犬のスペースを作ってあげましょう。

外の物音への反応は犬の性格にもよるので、外の様子を眺めるのが好きだったり、鳥の声を聞くのが好きだったりするのなら窓の近くにベッドを設置してもいいかもしれません。ただし、ケージの扉をしめるときは、窓側に設置するのは避けてください。窓辺にケージを設置すると夏は日差しで暑くなりやすく、冬は冷気が当たって冷えやすくなるからです。
犬の留守番中におすすめのおもちゃ

飼い主さんがいない時間に、犬が飽きずに過ごせるような工夫も必要です。普段のおもちゃとは少し違ったものを準備すると、留守番の時間が楽しくなるかもしれません。こちらでは、留守番中に犬が夢中になるおもちゃをご紹介します。
コング
犬のおもちゃの定番であるコングジャパンの「コング」は留守番をさせるときにも大活躍します。ソフトクリームのような形をしたゴム製のおもちゃで中は空洞になっています。予測不能な方向にバウンドするので、犬が追いかけて遊ぶはずです。
空洞部分に犬の好きなフードやおやつを入れるのもおすすめです。コングの中から食べ物を出そうと夢中になります。また、コング専用のペーストもあり、チキン味、チーズ味、ヨーグルト味など種類も豊富です。コングの空洞部分に犬の好きな味のペーストを塗っておけば、舐めたり噛んだりして遊んでくれます。
コングは留守番にぴったりのおもちゃですが、サイズ選びには注意しましょう。大型犬が小型犬のコングを使えば、おもちゃを破壊して誤飲する可能性があります。犬の体の大きさや年齢に合わせたコングを用意してください。
おやつボール
牧田実業の「おやつボール」も留守番中にぴったりのおもちゃです。ダルマ式のボールには6つの穴が空いているので、犬が前足や鼻先でボールを揺らせば少しずつ食べ物が出てくる仕組みになっています。
ボールの中にフードやおやつを入れて犬に与えれば、食べ物を出そうと犬が夢中になって遊ぶはずです。ボールの透明の部分から中身が見えるので、食べ物の量を確認したり、汚れをチェックしたりできます。
毎日ハミガキコットンループ
タオルや靴下などの柔らかいものが好きな犬にはドギーマンの「毎日ハミガキコットン」がおすすめです。噛んでも害のないコットンロープは安心して犬に与えることができます。編み込んだような形のロープなので、噛み心地が気に入る犬も多いです。
犬が噛んで遊ぶことで歯垢を取れるので、毎日の歯のお手入れに活躍します。コングやおやつボールのように長時間遊ぶおもちゃではありませんが、噛み心地が気に入れば留守番中も遊んでくれるはずです。
噛むおもちゃ
ベネボーンの「噛むおもちゃ」は、硬めのものを噛むのが好きな犬におすすめのおもちゃです。レギュラーチキン味、ピーナッツ味、ベーコン味など種類も豊富なので、犬の好みに合わせて選ぶといいでしょう。二股に分かれた骨のような形になっているので、前足で押さえて噛むことができます。
一般的な骨型のおもちゃと形が違うのは誤飲を避けるためでもあります。壊れにくい素材なので、噛む力が強くても安心です。噛んでいるうちに少量飲み込んでも害はありませんが、大きなヒビが入ってしまったり、飲み込めるようなサイズに折れてしまったりしたときは新しいものと交換してください。
ノーズワークマット
犬の探索意欲をくすぐる「ノーズワークマット」もおすすめです。カラフルなマットにおやつを隠せば、犬はニオイを嗅いだり、前足や鼻先でマットをめくったりしておやつを探します。留守番の日に初めて与えると、やり方が分からないこともあります。事前にノーズワークマットで遊ばせて慣らしておけば、留守番時に活躍するはずです。
犬が安心して留守番できるようにケアしよう

犬に留守番の練習をさせるときは、犬の不安な気持ちに寄り添って少しずつ慣らしていきましょう。犬が留守番中に快適に過ごせるように部屋の環境を整えることも大切です。特に誤飲や怪我をしないように、安全面には注意してください。事前に準備をすることで、飼い主さんにとっても犬にとっても快適な留守番になるはずです。
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