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エジプシャンマウは人見知り?家族を大切にする賢い猫だった!
エキゾチックで優美な雰囲気のエジプシャンマウ。人見知りの性格なので飼い方に注意が必要です。しかし明るく活発で家族に対しては愛情深いので、日々様々な魅力ある一面を見せてくれます。そこで今回は、エジプシャンマウの性格や特徴、飼い方についてご紹介しますよ。

エジプシャンマウの魅力を紹介!
猫を飼いたいけどどんな猫を飼えば良いか迷っている、という方も多いのではないでしょうか。また、猫を飼っても懐いてくれるかな?と不安に感じる方もいるかもしれません。そんな方におすすめなのが、エジプシャンマウという猫種です。エジプシャンマウは人見知りの性格でありながら、家族に対しては愛情深いので、懐くととても親しくなれます。
またエジプシャンマウは長い歴史を持つ猫で、古代エジプトを連想させるエキゾチックな見た目が特徴的です。しかし、一般的に知られるようになったのは近年で、日本ではまだまだ知名度が低いかもしれません。そこで今回は、エジプシャンマウの特徴や性格、飼い方などを詳しくご紹介します。
壁画に描かれた「エジプトの猫」
エジプシャンマウの「マウ」とは、エジプトでは「猫」という意味です。エジプシャンマウは、古代エジプト時代の壁画に描かれている猫と特徴がよく似ていると言われています。そのため、古代エジプトから存在する猫ではないかと言い伝えられていますが、その答えはいまだ明らかにされていません。
エジプシャンマウが広まるようになったのは、ロシア人の王女とエジプシャンマウが出会ったことがきっかけといわれています。史実では王女についての存在がはっきりされていないのですが、王女はエジプシャンマウの斑点模様の被毛に魅了され、エジプトから猫を輸入しヨーロッパで繁殖を開始。その後アメリカに持ち込まれ、更に交配が繰り返されたエジプシャンマウは、1977年にCFAに登録されました。
古代エジプトの猫というイメージが強いエジプシャンマウは、エジプト原産と表記されることが多いです。しかし実際は、猫種として正式に公認したのはアメリカのため、アメリカ原産と表記されることもあります。

エジプシャンマウの特徴
スリムなボディが特徴的なエジプシャンマウ。シルバー・ブロンズ・スモークの3種類の被毛や斑点模様、独特な色をした目など、他にもさまざまな特徴があります。エジプシャンマウは魅力いっぱいの猫種なので、家族に迎え入れる際の参考にしてくださいね。
斑点模様が広がった光沢のある被毛
エジプシャンマウの最大の特徴が斑点模様の光沢感ある被毛です。ヒョウのような斑点模様はスポットと呼ばれ、被毛だけではなく地肌にも入っています。このスポットは子猫の時期から見られますが、はっきりとしてくるのは生まれてから約2年後だそうです。成長していく過程で、斑点模様の変化を楽しめるのも、エジプシャンマウの魅力の1つです。
またこのスポットは人工的に作られているのではなく、自然に発生したもの。自然発生のスポットをもつ猫は、唯一エジプシャンマウだけであるといわれています。そのためエジプシャンマウは、遺伝性疾患のリスクが低い猫なので安心して飼うことができるでしょう。
毛色はシルバー・ブロンズ・スモーク
エジプシャンマウの毛色は、基本的にシルバー・ブロンズ・スモークの3種類です。他にもブラックとブルーがありますが、正式には認められていません。シルバーの被毛の特徴は、薄いシルバーの地色にチャコールグレーの斑点模様、アンダーコートはホワイトか薄いシルバーです。
シルバーのエジプシャンマウは、上品で高級感のある見た目が魅力的で、一番人気とも言われています。ブロンズの被毛は、ブロンズの地色にダークブラウンの斑点があり、アンダーコートはブラウンです。日本でなじみのあるキジトラ猫に似た雰囲気が、ブロンズの特徴です。
一方スモークの被毛は、シルバーやブロンズの被毛のように斑点模様が分かりにくく、一見黒猫のように見えます。被毛をよく見てみると、地色は薄いシルバーで毛先はブラック、アンダーコートはホワイトかシルバーです。同じエジプシャンマウでも、シルバー・ブロンズ・スモークでそれぞれ個性が感じられます。
アーモンド形で緑色の目
エジプシャンマウはアーモンド型で大きい目も特徴的です。目の周りはアイラインのように囲まれており、キリっとしています。まるで、古代エジプトの壁画に描かれている猫を連想させるような特徴的な目です。また瞳の色は、グースベリーグリーンと呼ばれる独特な色。エジプシャンマウの瞳の色はこの色のみで、ブルーは見られません。
セミフォーリンタイプのボディ
エジプシャンマウは、小さく細身の体型をしたセミフォーリンタイプです。セミフォーリンタイプのボディは、足や胴体が細長くずっしりとした重みがあります。また顔も小さく丸い逆三角形であることも、セミフォーリンタイプの特徴です。
エジプシャンマウは、セミフォーリンタイプのボディに加え、筋肉質で足が長いのも特徴。また前足よりも後ろ足の方が長く、つま先立ちをしているかのように見え、立ち姿や歩く姿もエレガントです。そんなエジプシャンマウは身体能力が高く、走るスピードは時速約50kmにもなると言われています。

エジプシャンマウの性格
エジプシャンマウを飼う上で知っておきたいのが性格です。猫それぞれ性格がちがうので、性格によって飼い方をかえることは、非常に重要となります。また猫との信頼関係を築くには、性格を理解して歩み寄ることが大切。エジプシャンマウの性格を紹介していきますので、性格に合わせた飼い方やスキンシップを心がけましょう。
他人には警戒心が強くて人見知り
本来は明るく活発なエジプシャンマウですが、警戒心が強く人見知りな一面があります。また繊細で怖がりな面があるので、ストレスをためやすい猫種だそうです。他人や知らない動物との共同生活を嫌うので、多頭飼育には不向きと言われています。また慣れない場所に連れていくと、怯えてしまいストレスもたまるので気を付けましょう。
愛情深くて飼い主に従順
怖がりで人見知りの性格である一方、家族には懐きやすいと言われています。優しく穏やかで愛情深く、飼い主には従順です。またスキンシップを好むので、たくさん構ってあげましょう。スキンシップをしっかりとることで、更に信頼関係を築くことができます。エジプシャンマウは賢い猫なので、信頼関係が築けているとしつけもしやすいです。

エジプシャンマウの飼い方
エジプシャンマウはエジプト出身の猫と言われているので、飼育環境や飼い方に注意しなければなりません。そこで、エジプシャンマウに適した飼育環境や飼い方、注意点をご紹介します。併せて、エジプシャンマウの入手方法や価格相場などもチェックしておきましょう。
ブリーダーからお迎えする
エジプシャンマウは比較的珍しい猫種なので、国内のペットショップで見かけることはほとんどありません。そのため、専門のブリーダーからお迎えする方が多いようです。ブリーダーからお迎えするメリットは、猫の特徴やこれまでの成長過程などを、ブリーダーに直接聞くことができる点です。
またブリーダーからお迎えする場合は、親猫や兄弟の姿を見られる可能性があります。ブリーダーの下で生活する親猫や兄弟の姿を見ることができると、どんな風に成長していくのかを想像することができますよ。引き取る際は、今後の飼育方法についてペットショップよりもブリーダーの方が詳しく指導してもらえることもあります。そのため、初めて猫を飼う方にとっては大変心強いといえるでしょう。
家族として迎え入れた後も、ブリーダーが相談に乗ってくれることもあるので、困ったときはブリーダーの方に聞いてみるのも良いでしょう。またエジプシャンマウの価格相場は、180,000円から200,000円と言われており、ブリーダーによって費用がちがいます。ブリーダーを通す場合は、費用面も事前にしっかり確認することが大切です。
寒さ対策が必須
暑い国出身のエジプシャンマウには寒さ対策が必須です。猫が寒いと感じているときは、ずっと体を丸めていたり、飼い主のそばから離れなかったりします。そんなときは暖房を活用して、猫にとって快適な室温を保つようにしましょう。寒さが厳しいときは、猫の寝床に湯たんぽを設置するのもおすすめです。
高タンパク低カロリーな食事を用意する
エジプシャンマウを飼う場合は、食事管理も気を付けましょう。エジプシャンマウは、運動が好きな分しっかり食事を食べます。そのため食事を与えるときは、高タンパクで低カロリーの食事を与えてください。またエジプシャンマウの細身の体型を維持するためにも、食事やおやつの与え過ぎには注意が必要です。
通常は一日一回ブラッシング
エジプシャンマウは短毛でお手入れしやすいため、通常は1日1回のブラッシングで問題ありません。ただし、抜け毛が多い換毛期には、毎日ブラッシングをしたりシャンプーをしたりと、念入りにお手入れしてあげてください。

エジプシャンマウの気をつけたい病気
エジプシャンマウを家族に迎え入れた際は、飼い方だけでなく病気についても理解しておくことが重要です。いつまでも健康でいてもらうためにも、エジプシャンマウがかかりやすい病気について知っておきましょう。病気の予防法もご紹介するので参考にしてください。
膀胱結石
エジプシャンマウの気をつけたい病気は、膀胱結石です。膀胱結石とは、尿がたまる膀胱のなかに結石ができる病気のこと。膀胱結石になると、排尿をしたときに尿に血が混じる、多飲多尿などの症状がみられます。飼い主が症状に気付くころには症状が進み、すでに危険な状態だったということもあるようなので、日常的に観察することが大切です。
膀胱結石の原因はストレスや、食事内容であるといわれています。また中年齢以上になると、膀胱炎や尿結石などの尿路疾患にもなりやすいので注意が必要です。さらにシニアの猫は腎不全になる場合もあります。膀胱結石にならないためには、飼い主が予防を徹底する事が大切です。
猫に水をたくさん飲ませること、こまめに排泄させることを意識するだけで、膀胱結石の予防に繋がります。あまり水を飲まない猫には、ウェットフードを与えたり、水を含ませたドライフードを与えたりして水分を摂取させましょう。また普段から尿の状態をチェックし、異変を感じたらすぐに動物病院を受診するようにして下さい。
ピルビン酸キナーゼ欠損症
エジプシャンマウは膀胱結石に加え、ピルビン酸キナーゼ欠損症も発症しやすいと言われています。ピルビン酸キナーゼ欠損症は遺伝性疾患の一つで、赤血球の寿命が短くなり貧血をきたす疾患です。この病気にかかると、貧血・食欲不振・呼吸が速くなるといった症状が現れるでしょう。
ピルビン酸キナーゼ欠損症は遺伝性疾患なので、治療法はほぼ無いとされています。しかし、遺伝子検査によって発症する遺伝子であるか確認することが可能ですので、上述したような症状がみられた場合は、動物病院に受診してください。
また、遺伝性疾患は近親猫がかかっていることも考えられます。心配であれば、親猫や兄弟猫がピルビン酸キナーゼ欠損症であるかどうかを、ブリーダーに確認することが大切です。エジプシャンマウのかかりやすい病気を理解しておき、発症したときは焦らず対処できるようにしましょう。

人見知り猫との付き合い方
人見知りの猫は慣れるまでが大変なので、飼い始めはどうすれば良いか悩む方も多いでしょう。そこで、人見知り猫との付き合い方をご紹介します。人見知り猫の心理を理解し、それに合ったスキンシップをとることが上手く付き合うポイントです。
「無関心」で接する
人見知りの猫には常に「無関心」でいることがポイント。人見知りの猫が突然の来客に驚いてしまっても、特別なリアクションはせずそっとしておきましょう。嫌がる猫を無理矢理連れてきたり、名前を呼んで気を引いたりするのは禁物です。強引なスキンシップは逆効果で、猫にとってもストレスになります。
人見知りが激しいときは、隠れるスペースを用意してあげることで不安が和らぎます。隠れ場がなく、不安な状態が長く続くとストレスを感じ、トイレではない場所にマーキングをするなど、問題行動を起こすこともあります。また攻撃的な行動をとる場合もあるので、人見知りの猫には細心の注意をはらいましょう。
小さく高い声で呼びかける
人見知りする猫に対しては、小さく高い声で名前を呼び、敵意がないことを示すと警戒されにくいです。かわいい猫を見ると、つい大きな声でリアクションをしてしまいがちです。しかし、初めから大きな声を出したり物音を立てると嫌がり、ストレスを与えてしまうので気を付けましょう。
猫はもともと警戒心が強い猫なので、知らない人がいきなり近づいてくるとびっくりしてしまいます。また自分のテリトリーに入られることを嫌い、悪さをされるのではないかと感じるようです。そんな猫の不安な気持ちを理解し、なるべく猫の行動に合わせて接しましょう。

エジプシャンマウを家族に迎えよう
今回はエジプシャンマウの特徴や性格、人気のシルバーの毛色について、飼い方などをご紹介しました。エジプシャンマウを飼うときは、人見知りの性格に合わせたスキンシップを取ることが重要です。またエジプシャンマウがかかりやすい病気なども理解しておき、常に健康管理に気を配ってあげてください。エジプシャンマウを家族に迎え入れて、共に楽しい時間を過ごしましょう!