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マンチカンの病気は肥満が原因?体重管理が健康維持のポイントだった
マンチカンの病気や特徴についてまとめました。足が短いのが特徴的なマンチカンは、ヘルニアなどの病気にかかる可能性があります。スコティッシュフォールドとの交配は危険であることなど、病気以外の知識も備えてマンチカンを飼いましょう。

マンチカンの病気や健康維持法を伝授
かわいらしいルックスが魅力のマンチカンは、日本でも人気の高い猫です。猫を飼いたいと思ったときにマンチカンを候補に入れる方も多いのではないでしょうか?マンチカンを飼うときにチェックしておきたいのが、かかりやすい病気や健康管理方法です。飼い主が意識することで、いつまでも元気な状態を維持できます。
突然変異で誕生した猫
多くの純血種は人間の手による交配で生まれてきましたが、マンチカンは突然変異によって誕生した猫です。1940年代にイギリスで発見されたのを発端に、ロシアやアメリカなど世界中でマンチカンの報告例が続々とあげられるようになりました。短い足と小柄な体つきが人気を集め、1980年頃から本格的なブリーディングがスタートします。
ブリーダーによる交配により品種として定着したマンチカンは、1980年代には純血種として登録されます。「マンチカン」という名前の由来は英語の「マンチキン(Munchkin)」です。マンチキンとは「小柄な子」「かわいい人」という意味を持ち、短い足を持つマンチカンを表すのに最適な言葉と言えます。
このようにして純血種となったマンチカンは、そのかわいらしい風貌から爆発的な人気を集めます。アメリカやイギリスをはじめとした欧米各国を発端し、アジアにも人気が波及しました。現在では日本でも定番の猫となっており、多くの人にかわいがられています。
病気の原因や体重管理のコツも紹介
本記事では、マンチカンのかわいらしさに惹かれて「飼いたい」と思ったときに役立つ病気や健康管理方法についてまとめました。マンチカンは太りやすく、足が短いので背骨や腰などに負担がかかりやすいと言われています。体重管理がマンチカンを長生きさせる重要なポイントです。そのほかにもマンチカンがかかりやすい病気を学んで、健康管理に努めましょう。
マンチカンの特徴
まずは、マンチカンの特徴について見ていきましょう。マンチカンの体型や毛色、柄など基本的な情報についてまとめました。マンチカンとはどのような猫なのか理解を深めることで、スムーズに家族として受け入れやすくなります。またスコティッシュフォールドとの交配の危険性についてもご紹介するので、参考になさってください。
短い足は全体の2割
「マンチカン=足が短い」というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか?テレビや雑誌などのメディアで見かけるマンチカンは足が短いことが多く、そのためにイメージが固定されていると考えられます。しかし、短い足を持つマンチカンは全体の2割です。
マンチカンには足長や中足タイプも存在し、品種は短い足に限定されていません。足長や中足であっても、純血種のマンチカンの交配によって生まれたのであればマンチカンとして認定されます。
マンチカンはもともと突然変異で生まれた猫なので、ブリーディングによって品種が安定した今でも、足の長さがどうなるかは生まれてみないとわかりません。子猫のときに短い足だったとしても、成長と共に長足や中足になる場合があります。こうした成長過程を楽しめるのもマンチカンの魅力です。どのような体型になるのか楽しみにしながら育ててみてください。
毛色や柄の種類が豊富
マンチカンは「同じ柄は存在しない」と言われているくらい、毛色・柄の種類が多いのが特徴的な猫です。ブラックやホワイト、ブルーといった単色からタビーやブラック&ホワイトなどの複数色まで、さまざまな毛色・柄のマンチカンがいます。これは、マンチカンをブリーディングする際に異種交配が多く行われたのが理由です。
多くの猫種が掛け合わされたことで、バリエーション豊かな毛色・柄を持つマンチカンが誕生しました。そのような中でも多いと言われているのが、体の側面に縦縞模様が入っているマッカレ・タビーやレッド&ホワイトをはじめとしたバイカラーです。マンチカンの色柄は成長と共に変わっていくので、その変化も楽しんでいきましょう。
スコティッシュフォールドとの交配は危険

近年はほかの猫種と交配を行ったミックスも人気を集めていますが、交配の際には相手の猫種に注意をする必要があります。マンチカンに関しては、スコティッシュフォールドとの交配は危険と言われています。折れた耳が特徴的なスコティッシュフォールドは、日本でも人気の猫です。しかし、スコティッシュフォールドの折れた耳は遺伝的な骨軟骨異形成症が原因とされています。
そして、足が短いマンチカンもスコティッシュフォールドと同様に骨軟骨異形成症を受け継いでいると言われています。このような特徴を持ったスコティッシュフォールドとマンチカンを交配させることで、折れ耳・短い足という2つの骨軟骨異形成症を受け継いだ猫が生まれてしまうかもしれません。
スコティッシュフォールドとマンチカンを交配したミックスは「スコマンチ」と呼ばれ、一時的に人気を集めるようになります。その後、骨軟骨異形成症を受け継ぐ危険性が指摘されるようになりスコティッシュフォールドとマンチカンの交配は行われないようになりました。
もしマンチカンの繁殖を考えているのであれば、スコティッシュフォールドとの交配は危険ということを念頭においてください。スコティッシュフォールド以外にマンチカンと交配をしても大丈夫な猫はたくさんいるので、その点を考慮に入れて交配相手を選んでいきましょう。
マンチカンの性格
続いては、マンチカンの性格の特徴についてまとめました。マンチカンを飼うときは性格を把握しておくことも大切です。性格にあった飼い方をすることでマンチカンとの暮らしを楽しむことができます。一般的に、マンチカンは初心者でも飼いやすい猫と言われています。そんなマンチカンの性格の特徴や魅力に迫っていきましょう。
好奇心が旺盛
マンチカンはとても好奇心旺盛な猫です。何か新しいものを見つけると、すぐにじゃれたり遊んだりする姿が見られるでしょう。そのためにイタズラをしてしまうこともあるため、イタズラ防止策を取り入れておくのがおすすめです。マンチカンが登れる棚や机に大切なものは置かない、誤飲の原因となるものを放置しない、など工夫をしてください。
マンチカンは遊ぶのが大好きなので、1日に1回は遊ぶ時間を作るとストレス解消になります。猫が集中し続けられる時間は、平均で10分〜15分くらいです。このくらいの時間を目安に、おもちゃなどを使ってマンチカンと遊ぶと良いと言われています。
甘えん坊
猫はクールでマイペースなイメージが強いですが、マンチカンは飼い主に対して甘えることが多い性格です。自ら飼い主のそばに寄って、抱っこや撫でてもらうことを要求することが多いかもしれません。特にオス猫の方が甘えん坊になりやすいとされています。猫との時間を思い切り楽しみたい方にとってもマンチカンは最適な猫の種類と考えられるでしょう。
明るく社交的
マンチカンは明るくて社交的な性格で知られています。初めての家族に対してもフレンドリーに接することができるため、猫に慣れていない方も飼いやすいのが特徴です。また、人間だけでなくほかの動物や赤ちゃんとも上手に付き合うことができます。これから赤ちゃんを検討している家庭や、多頭飼いを望んでいる場合にもぴったりな猫としてマンチカンは人気です。
マンチカンに多い病気と原因
マンチカンの平均寿命は11歳前後です。一般的な猫の平均寿命が12歳〜15歳であることを考えると、マンチカンは短命と言えます。マンチカンの寿命が短いのは、かかりやすい病気が原因です。病気に気をつけていれば寿命を伸ばすことができるので、きちんと健康管理をしていきましょう。どのような病気に気をつければ良いのか基本的な情報をご紹介します。
椎間板ヘルニア/肥満
マンチカンがかかりやすいと言われているのが病気が椎間板ヘルニア。椎間板ヘルニアとは骨と骨の間にある椎間板が飛び出ることで大きな痛みが伴う病気です。マンチカン特有の短い足が背骨や腰を支えきれず、椎間板ヘルニアを引き起こすとされています。足が短いマンチカンを飼っている場合は椎間板ヘルニアに要注意です。
長足や中足のマンチカンでも、肥満になると椎間板ヘルニアの病気リスクが高まります。肥満によって椎間板に負担がかかりヘルニアを発症します。マンチカンは太りやすい傾向にあるため、病気を防ぐために日頃から体重管理を心がけてください。
椎間板ヘルニアになると、後ろ足を引きずって歩くような初期症状が出ます。病気の症状が進行することで立てなくなり、ぐったりとした様子を見せるのも椎間板ヘルニアの特徴です。他にも、トイレが上手にできず失禁することもあります。マンチカンの歩き方がおかしくなったら椎間板ヘルニアの可能性もあるので、病気が疑われたら早めに動物病院へ行きましょう。
毛球症/毛玉
椎間板ヘルニアのほかに注意したい病気が毛球症です。毛球症とは、猫が毛繕いしたときに体内に大量の毛がたまって固まり胃腸に詰まる病気です。通常であれば老廃物や嘔吐によって体内の毛を排出することができますが、毛の量が多いと排出しきれず毛球症になります。
毛球症になると、食欲不振や吐き気、下痢などの病気の症状が出ます。特に長毛のマンチカンは毛球症になりやすいので注意してください。1日に1回はブラッシングを行い、抜け毛をとると病気予防に効果的です。長毛種のマンチカンはトリミングで毛並みを整えるのもおすすめ。病気を避けるために日頃から毛のケアは怠らないようにしましょう。
外耳炎/耳ダニ
外耳炎は耳ダニが耳の中に入り込むことで発症する病気です。耳ダニを防ぐには室内飼いを徹底してください。耳ダニの多くは屋外に生息しているのに加え、ほかの猫から耳ダニをうつされるリスクも高まります。また、室内にダニが繁殖しないようにこまめな掃除も必要です。耳ダニによって外耳炎が起こると、耳のかゆみ・腫れ・赤みといった病気の症状が出ます。
猫伝染性腹膜炎/ストレス
マンチカンに限らず、猫の致死率が高いとされている病気が猫伝染性腹膜炎です。猫の体内にいるウイルスが突然変異を起こすことが原因で発症する病気で、突然変異の明確な原因はわかっていません。一説にはストレスが猫伝染性腹膜炎の要因になると言われています。
命に関わる病気にかからないために生活環境を整え、ストレスを与えないようにしましょう。猫伝染性腹膜炎になると食欲不振・発熱・下痢・嘔吐といった病気の症状が出ます。マンチカンの体調に異変が現れ、病気の疑いがある場合はすぐに動物病院に相談してください。
マンチカンの健康管理のポイント
マンチカンの病気を防ぐには体重管理がキーポイントです。マンチカンは太りやすいため、体重管理ができていないと肥満による病気のリスクが高まります。マンチカンの病気を防ぐためにも飼い主が行っておきたい体重・健康管理のポイントをご紹介します。
与えるフード量に気を付ける
マンチカンが肥満になる原因の多くはフードの与えすぎです。パッケージに記載されている適量を守り、フードを与えるようにしてください。またフード以外におやつをあげるときは、総カロリーが1日の適量におさまるようにしましょう。
体重を定期的に量る
マンチカンの平均体重は4.5㎏前後です。定期的にマンチカンの体重を計り、平均を上回っていないか確認しましょう。また、マンチカンを上から見たときに腰がくびれているくらいがちょうど良いと言われています。体重と共に体型もチェックしてください。
年に1回は定期健診を受ける

定期検診を年に1回行うことも病気予防に役立ちます。触診や血液検査など、総合的な面から現在の状態を把握することで病気の早期発見につながります。ワクチン接種と同時に定期検診も行うとスムーズです。病気に関して気になることがあれば獣医師に相談しましょう。
病気を疑う時は病院へ

椎間板ヘルニアや毛球症など、マンチカンがかかりやすい病気の症状が見られたら病院へ行きましょう。どのような病気でも早期発見・治療が重要です。獣医師に適切な病気治療を行ってもらい、マンチカンの健康維持に努めてください。日頃からこうしたケアを怠らなければ、病気でつらい思いをさせることもなくなります。
病気予防にも!健康管理におすすめアプリ

マンチカンの健康管理にはアプリを活用するのもおすすめです。アプリで日々の体調を記録することで、少しの異変にも気付きやすくなるかもしれません。おすすめのペットアプリをご紹介するので取り入れてみてはいかがですか?
ペットノート

ペットノートは、ワクチンやノミ・ダニの予防を行った時期を記録できるアプリです。それぞれの時期を把握することで、次回のタイミングを決めやすくなります。0.01kg単位で体重記録ができるので、肥満が気になるマンチカンに最適です。
Plus Cycle

Plus Cycleはペットのご機嫌・食欲・排泄物・体重を記録することができます。日々の記録を残すことで、体調不良になったときに正確な情報を動物病院に伝えられます。通院や投薬の記録もできるのが嬉しいポイント。動物病院からのコメントをメモする機能や、写真を残す機能も搭載しています。
マンチカンの病気を予防しよう
マンチカンを飼うときはかかりやすい病気の特徴を踏まえた上で、適切な健康管理を行うようにしてください。平均寿命が短いと言われているマンチカンですが、日々の管理によって長生きさせることができます。1日でも長くマンチカンと暮らせるように病気を予防しましょう。
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